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7.総仕上げ


「そろそろ仕上げにしようか?」

 と、セドリック様は言う。そう言えば……忘れていましたが、エルフィンストーン帝国と合併して結構経った。…ということは、ラブラブ公国はかなりのダメージを受けていることだろう。

 風の噂でラブラブ公国の公妃が産んだ子が公王に全く似ていなく、不貞の疑いらしい。処罰するんだろうなぁ。

「仕上げとは?」

「隣国の貴賓たちを招いての大規模な夜会を開催しようか?そうだなぁ?『エルフィンストーン帝国・皇太子の婚約発表パーティー』ってのはどうだ?」

「タイトルはいいですね。―――で、セドリック様は誰と婚約なさるのですか?」

 セドリック様は私をじーっと見る。

「ふへぇっ?私ですか?」

「そうに決まってるじゃん」

 決まってたんだ…。


 夜会までに私がすべきことは……ズバリ、ダンスの練習。

 知識とかは本を読めばいいから一人でもできたけど、ダンスはパートナーが必要だったから、一人じゃ無理だったもんなぁ。お父様は後妻にぞっこんで私の相手なんかしてくれなかったし。


 ハッキリ言おう。

 セドリック様とダンスの教師のコラボレーションによる指導は―――スパルタだーーー!!(エコーつけたい)

 何日も体中が筋肉痛に悩まされた。毎日お城の侍女さんによるスーパーマッサージ(普段ならすっごく気持ちいいから)をしてくれるけど、それが追い付かないくらい筋肉痛に悩まされた。


 

 おかげさまで当日は誰にも後ろ指をさされることなく、済んだわけだけど。

 あ、合間にドレスの採寸とかもしました。

 セドリック様が金髪で緑色の瞳なので、それに合わせた色・刺繍(金色のドレスは嫌だよ)にするらしい。

 セドリック様は私が銀髪の碧眼なので、それに合わせた服装にするらしい。

 ペアルックみたいにするのかな?なんか恥ずかしいなぁ。



 夜会では最後の登場となった。目立つなぁ。いや、このパーティーのタイトルが『エルフィンストーン帝国・皇太子の婚約発表パーティー』だから仕方ないか。

 キラキラと光るシャンデリア(もちろん蜘蛛の巣などない)の下を通り、国王と王妃がいらっしゃる壇上へと私とセドリック様は進んでいく。

 進む途中に見たのは、婚約者候補のお茶会で顔合わせをした令嬢。絵に描いたようにハンカチを噛んでいた。本当に噛んでいた。千切れないのかなぁ?

 他には、本を読んだことがある有名な学者さんとか貴賓さんもいたんだろうなぁ?

 貴賓さんの方はよくわからない。ゴメンなさい。勉強不足ですね。


 そんな中でエルフィンストーン帝国国王が声も高らかに宣言する。

「今宵、我が息子セドリックと元・アップルビー王国王女レイチェルの婚約を宣言する!」

 「おめでとうございます!」と、この夜何度聞いたのだろう?もうお腹いっぱいです。その度に笑顔でお返事。顔の筋肉が変になりそうです。

「レイチェル、今夜から()()()婚約者だな」

 まぁ、今までは候補のうちの一人だったので間違いはないですね。


 あら?~ラブラブ公国の公王は一人での参加ですね。公妃に何かあったのでしょうか?

「お久しぶりです。えーと、公国の公王ですよね?少しお痩せになった?」

 私は事情を知っているけど、知らないフリをして近づいてみた。

「あら?公妃はいらっしゃらないの?あんなにラブラブですもの。妊娠でもなさってるのかしら?長旅は体に負担がかかりますもの。妊婦さんを気遣っての行動ですよね?」

「……あいつは俺を裏切った。だから、邸から追い出した。今は公妃の席は空席だ。セドリック様、どうか我が国でも商取引が出来るようにしておくれ!」

「あー、レイチェルを裏切っておいてよく言えたよなぁ」

 ボブはドゲザをしてセドリック様に頼んでいる。絵師が近くにいるならばこの状況を描いておいてほしい。

「本当に悪かったと思っている。このままじゃ、国民が……」




レイチェルちゃんもなかなかの苦労人な感じがしますな。ダンスの練習はスパルタだし、笑顔で挨拶しまくって顔の筋肉がやばそうだし。

とどめはボブがいまさらしつこいって感じだし…。

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― 新着の感想 ―
いよいよ、セドリック様の計画の仕上げの段階なんだね。行う事は、隣国の貴賓たちを招いての大規模な夜会の開催。タイトルは、『エルフィンストーン帝国・皇太子の婚約発表パーティー』勿論、婚約者は、元、アップル…
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