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12 御使いウリエル

 店主であるランドルフは、庭園の鍵を返しに来た後すぐさま姿を消してしまった。その代わりと言ってはなんだが、今年入った新人のガークとザッツが交替で店にいるようになった。今までさぼりがちだった二人が真面目に勤務するようになったので、店の人間はやっと勤め人としての自覚が出てきたのだろうと喜んだのだった。

 店休日に、ガークとザッツは二人揃ってウリエルに呼び出しを食らっていた。指定のカフェに行くとウリエルが、大きな荷物を持って外テーブルで彼らのことを待っていた。

「何の用ですか」

 用心しつつ二人はウリエルの前に座った。いい天気であり、彼らはパラソルの下で日差しを避けながら来たウェイトレスに飲み物を注文した。ウリエルの前にはストローを差したコーラのグラスが置かれている。ガークとザッツはそれを少々意外に思いながらウリエルの話を聞いた。

「これを運べ」

 積んである大きな荷物は何かの装置のようであった。どこへ、とガークが質問する。ウリエルは答えた。

「とりあえずお前らの家に持って帰れ。そのうちに誰かが引き取りに来る。そうしたら渡してやってくれ」

「誰が来るんですか」

「分からん。ゼラフか、サーキュラーか、四大将軍の誰かか、そんなところだろうよ。もしかしたらハンスかもしれないけどな」

 あの、とザッツが言った。ここにあがったどの名前にも心当たりがなかった。

「その人達知りませんが、どうやって見分けたらいいんですか」

 しょうがねえな、とウリエルが言った。コーラを一口飲んでからこう言う。

「お前たち全然何にも知らないのな。俺のことも分からないみたいだし。神学の授業の時間、寝てただろう」

 あ、とガークが言った。まさか、と思ったのだがウリエルという名前は大昔に学校で聞いたことがあったのだった。

「何か思い出したか」

 あの、とガークが答える。

「あの時煉獄の門番、って言ってましたよね」

「言った」

 ガークは自分で血の気が引いていくのが分かった。もしかして、と彼はためらいがちに言った。

「獄卒天使、って別名があったような気がするんですが気のせいですか」

 なあんだ、とウリエルは言った。

「ちゃんと知ってるじゃねえか。それだよそれ」

 それからウリエルは煙草を出して火をつけた。ガークとザッツは青ざめた顔でお互いを見た。

「さっきの人達って、何ですか」

 変な質問の仕方だったが、ウリエルは気に留めなかった。

「魔界の連中だ。ゼラフってのはあの時いた赤いマントの奴だ。あいつは分かるな」

 はい、と彼らはうなずいた。

「けどそうだな、顔が分からなくっちゃしょうがねえな。他のやつらの顔はこれだ」

 ウリエルは懐から数枚のカードを取り出した。金髪の青年が一枚、それぞれ個性的な女性陣が四枚、平凡な印象の若者の顔が一枚である。二人は思わず金髪の青年を描いたカードに見入ってしまった。ちょっと崩れた雰囲気だったが、人間とは思えない美貌であった。

「役者みたいっすね」

「こんな人、本当にいるんですか」

 くっ、とウリエルが笑った。

「そいつがサーキュラー、魔王軍のボスだ。その女達のリーダーで、そいつらを使って魔界の荒事を仕切ってる。悪役もいいところだな」

 え、とガークが言った。ザッツも女性陣のカードをじっと見て羨ましそうな顔になった。

「みんなカワイイじゃないですか。顔が見えないのもいるけど」

「俺達の職場はおっさんしかいませんよ。魔界ってこんないいところなんですか」

 あきれたようにウリエルが笑った。

「だから魔界なんだよ。言っておくがどの女もきついぞ。機嫌を損ねると殺される」

 はい、と二人は返事をした。続けてウリエルは言った。

「最後のその目立たない奴がハンスだ。そいつだけは人間だ」

「人間?」

「人間がいるんですか?」

 疑問を提出した二人に、ウリエルは煙草の煙を吹きかけながら言った。

「魔王に世話になったらしい。聖痕を持ってるくせに俺達でなく魔王の側についた。ただこいつは普通の人間で、お前たちと同じようだ。来るかどうか分からないが、一応メンツに入れてある」

「そうですか」

 二人はじっと六枚のカードを見た。それから思い切ってウリエルに最初からの疑問を投げかけた。

「あの、聞いていいですか」

「なんだよ」

 一呼吸置いてガークが言った。丁寧な、おずおずとした言い回しだったが、聞きたいことは全部聞こうという意思が感じ取れた。

「ウリエルさん……って天使なんですよね? なんで魔界の人達と付き合ってるんですか。それにウチのオーナーはどこへ行ったんです。知ってるんでしょう?」

 ウリエルは煙草をふかすと言った。

「……黙ってろといいたいところだが、この状況じゃやっぱ聞きたいよな。俺もそう思う」

 二人はウリエルの顔を見た。

「全部は話せない。ゼラフに監視されてるからな。言えるのはお前んところのオーナーは行方不明だ。それでゼラフと俺、つまり天界と魔界で協力して行方を追ってる。ただし極秘にだ。どこへ行ったのかは俺達にも分からない」

「なぜです」

 ザッツが言った。ウリエルは答える。

「どこにもいないからだよ。紛れ込んだ先が天界なら俺達の、魔界ならゼラフ達の目に留まる。人間ってのは人界以外じゃ案外と目立つんだよ。そして人界だったらどちらにも報告が来る」

「報告?」

 ああ、とウリエルは言った。

「それぞれ、天界も魔界も人界を観察している報告者がいる。そいつらから何も言ってこないってことは人界にもいない」

「じゃ、どこへ……」

 しっ、とウリエルはそう言いかけたザッツを制した。

「これ以上は言えないな。図書館で創世神話を漁ってみろ」

 ウリエルは大荷物を置いたまま、椅子から立ち上がった。

「じゃあそれよろしくな。中に入ってる紙包みとそのでかいやつはお前ら別々に持っていけ。絶対に一緒にするなよ」

「あ、はい」

 二人は中を覗き込んだ。言われたとおりの小さな紙包みと金貨を一枚見つけ、あの、と二人は顔を上げた。

「あれ?」

「いない?」

 ウリエルはもうそこにいなかった。まるで消えうせてしまったかのようだった。


 途轍もなく目立つ青年がランドルフ宝飾店にやってきたのはその一週間後のことである。彼はうら若い女性を連れ、この高級品を取り扱う老舗の店を訪れた。

「ここだって聞いたんだが」

 輝くような金色の髪をし、仕立てのいいスーツを着ていた。連れの女性は熱心に店内のショーケースを眺めている。やがてあるケースの前で止まった。ねえねえ、と金髪の青年を呼ぶ。

「これがいい」

 彼女が指差したのは純金のヘアアクセサリーであった。あきれたように青年が言う。

「めいっぱい高いの選びやがったな。まあいい、壊すなよ」

 その場にいた若い店員を呼ぶ。呼ばれた店員はびっくりしたようにその青年を見ていたが、やがて彼らを別室に案内すると選んだアクセサリーを持ってその部屋に入った。

「失礼します」

 呼ばれた店員はガークであった。彼はアクセサリーを片手にドアを閉め、密室となった商談室でしげしげと二人の客を見て、それから思い切って声をかけた。

「失礼します。お品物はこちらでよろしいでしょうか」

 すかさず青年が言った。

「あともう一個あんだろ。ウリエルから預かったやつがよ」

 やはり、とガークは思った。間違えるわけがない。ではとなりの女性は魔物であり彼の部下なのだ。カードの絵よりもずっと可愛らしかった。

「はい」

 返事をしながら血の気が引いていくのが分かった。恐ろしすぎる。商品など放り出し、悲鳴を上げて逃げ出してしまいたかった。

「自宅に置いてございます。大きすぎるので」

 その代わりに彼は手に持ったアクセサリーをテーブルの上に置いた。見ていいかな、と隣の女性がそのアクセサリーを手に取る。

「じゃあ取りに行くわ。お前んちどこだ」

 あの、と彼は言った。脂汗が床に滴り落ちていた。

「分けておけと言われたので、もう一人と別々に持っているものがあります。ザッツという者です」

「そいつ呼べるか」

「本日はお休みを頂いております」

 ふーん、とアクセサリーをテーブルに戻した女性が言った。

「案内してくれればその子の家に行ってもいいよ」

 可愛らしいのは見た目だけだ。油断したら食い殺される、そんな気持ちを必死に抑えながらガークは返事をした。

「あの、今日の夜七時以降でしたら家にいますので、その頃来ていただければお渡しします。もう一人も呼んでおきます」

「分かった」

 青年は財布を取り出し、代金を即金で払った。かなりの金額だったが何ともないようであった。

「ではお包みいたしますので、少々お待ち下さい」

 ガークは頭を下げてその部屋を出た。ドアを閉めた瞬間、腰が抜けてそこに崩れ落ちた。

「どうした」

 通りがかった他の店員が彼を引っ張り上げた。それから異変に気づいた。

「なんだかすごい汗をかいてるな。それに息が上がってるぞ。どうしたんだ」

「え……」

 彼は包装と入金、それに室内にいる客の応対をその店員に頼んだ。分かった、と相手が言ったとたんに彼の意識は途切れた。その場に気絶してしまったのだった。


 ガークは結局、その日は早退になった。体調を心配した他の者達に休みを取らされたのである。夜、自宅にその原因になった者が来るとは口が裂けても言えなかった。

「おい」

 狭いアパートの呼び鈴が鳴った。ガークに呼び出されたザッツはリビングのソファベッドに座りながら、隣にいるガークの顔と時計を見た。七時きっかりであった。

「はい」

 青ざめながらガークが出る。昼に見た若い女性が立っており、金髪の青年は見当たらなかった。ガークは玄関からテーブルに広げてある六枚のカードを一瞥した。彼女のカードには「雷精将・サンダー」との文字が書かれていた。

「どうぞ」

 昼に会った時より恐ろしさは減じていた。あの金髪の青年がいないからかもしれない。彼女も恐ろしいのだがあの青年のほうがもっと恐ろしかった。正直、そばにいて生命の危険を感じたほどである。彼のカードには長い肩書きとともに「サーキュラー」と書かれていた。

「で、どこにあるの」

 奥からザッツが大きなダンボールを持って出てきた。あの、と彼女に声をかける。思ったより可愛らしかったので彼はびっくりしていた。とても魔物には思えない。

「これです」

 ダンボールを手渡す。ありがとう、とサンダーは笑った。

「あとこれです」

 それからポケットを探って紙包みを取り出した。彼はそれを家に持ち帰った際に中を見たのだが、植物の種のようなものが入っているだけだった。もっとも危険なものかもしれなかったので、彼はそれ以上触らずにまたそのまましまっておいた。

「どうしようかな、それ」

「え?」

 ガークとザッツは同時にそう言ってしまった。てっきり両方とも持ち帰ってくれるものだと信じていたのである。うーん、と彼女は言った。

「それ、ちょっと一緒に持っていくの微妙だなあ。サーキュラー様も来るって言ったのに来ないし。悪いけどそれ持って一緒に来てくれる?」

 にっこりと彼女は笑った。あ、はい、と釣り込まれるようにしてガークとザッツは返事をし、紙包みを持ってアパートから出た。

「ごめんね」

 アパートの駐車場を出て、数歩道に出たところだった。前方にふらふらと動く影がある。三人は緊張したが、ガークとザッツはそれが見知った人影だったので緊張を解いた。と同時に、なぜここに、とも思った。

「ランドルフさん?」

「どうしたんですか。みんな探してましたよ」

 二人はそのままランドルフのほうへ歩いていった。ランドルフが手を伸ばす。幽鬼のような動きだった。

「動かないで!」

 後方から鋭い声が飛んだ。その声とともに彼らとランドルフを遮るようにして雷光が走る。驚いたガークとザッツはしりもちをついて転んだ。しかしランドルフは手を上げた姿勢のまま、微動だにしなかった。

「えっ」

 ダンボールを彼らに押し付け、後ろからサンダーが出てくる。その髪にも全身にも黄色い雷光と雷球がまとわりつき、その迫力にガークとザッツはしりもちをついたまま思わず後ずさった。

「この人、知り合いだよね?」

「はい」

 知り合いも何も彼らの雇い主である。そのことを言うと彼女は言った。

「中身入ってないよ」

「えっ」

 まじまじと彼らはそこに現れたランドルフを見た。確かにおかしかった。こんな風にぎくしゃくと動くわけがないし、よく見ると顔色も土気色をしている。試しに彼らはもう一度「ランドルフさん」と呼びかけてみたが、唸り声が返ってくるだけだった。

「どこから来たんだろう」

 サンダーが言った。独り言のようだった。

「分からない。みんな来られる?」

 それから後ろにいるガークとザッツを見た。下がって、と言う。言われたとおりに二人が後ずさると、その場所に人影が現れた。少しタイミングをずらし、全部で三つの人影が現れる。それぞれワンダ、グランデ、ファイだった。

「あらまあ、どうしたのかしら」

 おっとりとワンダが言った。グランデが竹定規を構える。

「やっと見つけたわ。こっちの予定が狂いまくりよ」

 ファイは火焔杖を取り出し、暗い道路にシールドを張った。下がれ、と後ろの二人に命令する。二人は荷物を持ったままおとなしくさらに後方へ下がった。

「……出でよ、仲間達」

 数匹のサラマンダーが空中に出現する。ワンダは水籠を用意し、ランドルフの周りを大きく囲った。

「少し厄介ね」

 グランデが竹定規を鳴らしながら言う。サンダーは後ろを振り向いた。

「そこにいてね。逃げないでよ」

 はい、と二人は引きつった声で答えた。用心深くワンダが彼らの周りにも水流を張りめぐらせる。身動きが取れなくなり、ガークとザッツはその場にダンボールを抱えたままへたりこんだ。

「いい子達ね」

 くすりとワンダが笑う。で、どうする、とグランデが他の三人に言った。

「中身入ってないんだよね。ゾンビ状態だよ」

 サンダーが言うとファイも言った。

「……いらないなら、燃やす」

 あのねえ、とグランデが言った。

「燃やしちゃ駄目よ。それに元に戻して人界に返さなきゃいけないのよ。外側だけでも捕まえておかないと中身を探すこともできないわ」

 物騒な会話である。サンダーはもう一度振り返り、ガークとザッツをちらっと見た。

「ちょっと待ってて。あの人、捕まえるから」

「はい」

 二人は同時に返事をした。すると水籠が縮まり、ランドルフの全身を縛り上げた。ランドルフは奇怪な叫び声を上げて地面を転げまわる。

「……おかしい」

 ファイがそう言ったので四大将軍の三人はファイの顔を見た。そもそもランドルフ自体がすでにおかしいのだが、そのことを気にする以上の疑問がファイの顔には浮かんでいた。

「……からっぽじゃない。中身が入ってる」

「え? どういうこと?」

 サンダーが言った。ファイは訥々と答えた。

「……『旧世界者』のニオイがする。ただの人間なのに。それがこいつを押さえつけて中にいる」

 ファイは火焔杖を振り回し、いつもとは違う青紫色の炎を呼び出した。それを杖の先に乗せ、ランドルフに近づけた。

「……誰だ」

 ふっ、と青紫色の炎が揺れ、大きく燃え上がった。するとそれに食いつくようにしてランドルフの口からずるり、と黒っぽいものが這い出してきた。瞬時に真紅の炎が上がる。周囲に水流が巻き上がり、その中に無数の雷球がきらめく。地面が大きく波打ち、水籠ごとその黒っぽいものを覆いかぶさって押さえつけた。

「……捕まえた」

 透明な水流でできたカゴの中に、燃え盛る炎に包まれた何かがあった。その燃え盛る何かはよく見ると真っ黒な岩石のように見えた。オイル状に変化したのを見て、グランデが依り代を用意して取り込んだのである。

 そのカゴを取り囲むようにたくさんの雷球がまとわりつく。カゴ自体は空中にふわふわと浮かんでいた。ワンダがためらいながら手を伸ばし、宙に浮くカゴを捕まえる。

「持って帰れるかしら」

 微笑を浮かべたワンダの額には、うっすらと汗が浮いていた。ものがものだけにもっと高位の存在に手助けを願いたいところだったが、サーキュラーはいないしセラフィムを呼び出すわけにもいかない。その他というと魔王しかいないので、まさか魔王に助力を願うわけにもいかなかった。

「そういえばサーキュラーちゃんどうしたのよ」

 そのままの状態でワンダが言った。サンダーが人間達を見ながら答える。

「急用だって。荷物を運ぶだけだから引き受けたんだけど、これはないよね」

 ランドルフは地面に倒れている。他の二人は荷物を持ったまま呆然と座り込んでいた。腰が抜けてしまったらしい。

「これこそサーキュラーちゃんの出番じゃない」

 ワンダは二人が持っているものを見て言った。まあいいわ、とつぶやく。

「遠話を試してみるわ。捕まればいいけど」

 一面に水蒸気が立ち上る。それから弱い風が吹いた。繋がったようだった。

「なんて言ってる?」

 サンダーがたずねる。対するワンダは困り顔だった。

「急いで抜けて来るって。あと誰か……ってちょっと待って?」

 つい、と人影がそこに二つ現れた。大きな白い二対の翼の隣に、これまた巨大な真紅の六枚翼が見える。

「頼まれて来てやったぞ」

「仕方ありませんね」

 セラフィムとウリエルだった。


 ウリエルが倒れこんでいるランドルフのことを担ぎ上げた。セラフィムはワンダが持っている透明なカゴを受け取り、その中のものにさらにシールドをした。

「ああ、これですか」

 ウリエルはその格好のまま、ザッツから種のようなものが入っている紙包みを受け取るとセラフィムに見せた。

「女の子にこれを持たせるのは酷だよな。クモ野郎が行くっていうから持たせたのによ」

 まあそうですね、とセラフィムが苦笑する。そこへそのクモ野郎ことサーキュラーが空から降ってきた。

「わりいわりい。手間取った」

「これを持っていけ」

 降りてきた途端に紙包みを押し付けられ、サーキュラーはうえ、という顔になった。

「これかよ。やめてくれよ」

 文句を言いつつも彼は紙包みを受け取った。悪いな、とサンダーに謝る。

「こんなもんがあるとは思わなかった。大丈夫かと思ったんだが来てやればよかったな」

「あのー」

 何かいいたげな顔をしているサンダーに、サーキュラーは言った。

「もう一個何か買っていいから、今回のことは勘弁してくれよ」

「えーと」

「な。頼むよ。いいだろ、セラ」

 だんだんと怒りがこみ上げてきたらしい。とうとうサンダーは大声で怒鳴ってしまった。

「適当なこと言ってないでちゃんと説明してください! どういうことですか!」

 同時に雷球が大量に乱れ飛び、一帯が停電した。付近にある変圧器がいかれてしまったようだった。

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