48話 vsチート転生者
vsマサシです。戦闘シーンは正直要らないと思ったのでほぼカットしました。
もう数話程で4章は終わらせます。
リリアン組
「うぐぐ…酷い目にあったわ…」
「ガチで死ぬかと思ったぴょん…」
落とし穴から何とか這い上がった三人だったが、命からがらと言った感じで今にも倒れそうになっていた。
髪も服もボロボロ、可愛らしい姿はもうどこにも無かった。
「確かこの先にソフィア達が居たはずだから、ちょっと助けて貰いましょ…」
「そうですね…全身が痛いです…」
「その必要は無いですよ」
「何よハスィ…てかどこに居たのよ…」
「ちょっとした用事です」
「何でもいいぴょん…見ての通りノエルちゃん達大怪我してるんだぴょん…救急箱とか治療魔法とか欲しいぴょん…」
もうこの際、誰でも良い。
嫌ってる相手だが優先すべきは己の命だ。恥も捨ててハスィにすがり付いた。
「御断りします」
だがそれは無残にも打ち砕かれてしまう。
「…貴女は何を言ってるのですか?こんなにボロボロになってる私達を見捨てるのですか?」
「そのタイミングをずっと狙ってましたので」
「え?」
「「「きゅう…」」」
「こんなチャンスは二度と来ない…今回でマサシとの決着を着ける…!」
「変な音したけど誰か居るんだし?」
「!」
ヴィラ組
「今までとは扉の雰囲気が違います…」
「なんか出そうな気がするにゃ…」
特に何かが変わった訳では無い。
ただ…何となく、ただそれだけだが全員はただならぬ雰囲気を感じ取った。
「行きます…!」
ヴィラはゆっくりと扉を開けた。
そこに居たのは…
「やあやあ、待ってたよ。未来の彼女達」
ずっと探してた人、マサシだった。
「お前の彼女になった覚えはねぇにゃ」
「今からなるんだから、結局同じさ。…それよりどうだい?俺の仕掛けたトラップダンジョンは。楽しんでくれたかい?」
聞きなれない単語に四人は揃って首を傾げた。
「…だんじょん?」
「おい犬、だんじょんって何の事だにゃ?」
「わう…わんを知らないわん…」
「僕もです…」
それもそのはず、アユル周辺には『ダンジョン』何て存在しないからだ。
実際はもっと遠くの地域には存在はするが、この四人はそこまでの遠出はしたことがまだ無い。
「…ダンジョンを知らない?まあそれは良いか。それにしてもリリアン達だけでなく、ソフィア達も倒すとは、ねぇ。君達思ったより実力はあるみたいじゃん」
「え?そんな方居まし…もがっ」
「中々強かったけどネネ達の相手じゃ無かったにゃ」
余計な事を言うとマサシから変なことをされる可能性がある。
相手の手の内が分からない内は可能な限り情報は与えないに限る。
「どう?三人とも俺の仲間になれば君達のリーダー君は解放してあげるよ?」
いかにも捕らえてるかの言い方だが、実際はハスィの手によってヤマがどうなったかは御存じの通りだ。
三人はヤマが今どんな状態なのか知らないから、この様な取引も成立する可能性がある。
だがヴィラ達はそんなに馬鹿じゃない。
「なーにが仲間だにゃ。素直に奴隷になれって言えにゃ」
「貴方の事は全て調べました!その様な不公平な取引には絶対に応じません!」
「…姉さんも返して貰うよ!」
「やれやれ、暴力は嫌いなんだけどね。でも仕方ないか」
説得は無理だと判断したマサシは、その手から剣を作り出した。
「皆さん…行きますよ!」
そして、数分後。
「わうっ…!」
そんな声とともに、マオはその場に崩れ落ちていた。
そしてそのまま、糸の切れた人形のように動かなくなる。
聖剣の一撃は例えマオであっても受けきる事が出来なかったのだ。
そして…彼女が受けきれないとなれば…
「うぅ…」
「うにゃぁ…」
「ぐぅ…」
三人が受けれる理由は無い。
それに加えてシオンも知らなかった『加護』によるダメージの大幅減少、そして『武器生成』による遠近に対応…
四人がかりで挑んだにも関わらず、マサシを倒すことは出来なかったのだ。
「ふぅ、やっと大人しくなったか。じゃあ彼女達も俺の物に…」
マサシは最初にネネから催眠をかけようと近付いた。
だが次の瞬間
気絶していたはずのネネが急に目を開いた!
「!?」
「お返しだにゃあ!!!!!」
完全に油断していたマサシに今の攻撃を防ぐ術は無い。
ネネの渾身の蹴りがマサシの鳩尾にめり込んだ!
「がふっ!がふっ!…そ、そんな…何で動けて…しかも何で加護を貫通して…」
本来なら転生特典で加護があるので、ダメージはかなり軽減される筈だ。
だがマサシの貰った加護は実は「認識出来る攻撃のダメージを大幅に減らす」だ。ネネの不意討ちは認識よりも先にダメージが入ったので、加護は発動しないのだ。
そんな事は知らないマサシは、久しぶりの苦痛に恐怖が生まれ始めていた。
「やられたフリも悪くないにゃ」
「ひ、卑怯だぞ!」
「チートとか使うお前にだけは言われたくないにゃ…うにゃっ…」
だがネネだって先程の戦闘でかなりダメージを負っている。こんな急激に体を動かせば、激痛が走るのは当然と言えるだろう。
一撃こそ与えたが、それを最後にまた倒れてしまった。
「最後の最後に実力差が出たな!これで今度こそ終わりだ!」
「そうはさせないわん!」
「ん?」
マオの方を見てみると、エネルジコの構えを取っていた。
ネネの時間稼ぎのお陰でマオの体力が回復したのだ。
「ネネちゃんを苛めたクソ人間が…ぶち殺してやるわん!!」
マオは今出せる最速の速さでマサシに突っ込んで行った。これで決めるつもりだろう。
だが…マサシも無策では無かった。
「ふんっ!そんな不意討ちは予測してた!返り討ちに…」
マサシは聖剣を構え、マオを追撃しようとした…が、聖剣を振り上げた瞬間、マサシの腕に蔓の様な物が絡み付いた!
だがそんなの大したことでは無いと、瞬時にして蔓を引きちぎった。
「ぐっ…やっぱり修行しても僕の力じゃ…」
「当たり前だろ!俺は選ばれた男だ!そこらの異世界連中にやられるなんてある訳が無いのさ!そんな一瞬止めた程度で…」
「その一瞬でも充分だわん」
ほんの少し顔を反らしただけ、だがマオのスピードからしたらその一瞬は距離を詰めるのに充分過ぎる時間だ。
「砲撃連撃」
四方八方から超スピードでの連続攻撃、加護も切れ、万策尽きたマサシには甘んじて攻撃を受ける他ない。
加護が無ければマサシだって只の一般人、その痛みは計り知れない。
「うらあああああああ!!!お前だけはわんの手でぶち殺してやるわん!!!」
「ぐおっ!がふっ!ふぼっ!ちょっ!まっ!やめっ!いっ!やっ!しっ!」
「わぅ…やっぱり沢山使うと疲れるわん…」
流石のマサシも限界が来たのか、その地に倒れこんだ。
その代償として、マオの綺麗な白黒ワンピースは返り血で赤く染まっていた。
でもそんなのお構い無しに、ネネに抱き付こうと今にも飛び掛かりそうだ。
「ネネちゃ~ん!!わん頑張ったわん!誉めて欲しいわん!頭ナデナデして欲しいわん!」
「嫌にゃ…と言いたいけど、今回は本当に助かったにゃ。ちょっとはサービスしてやるにゃ」
なんと、あの犬嫌いのネネがマオの頭を三回ほど撫でたのだ!
不意討ち気味のご褒美にマオの幸福度は言うまでもなく、一瞬にして頂点に達した。
「ネネちゃんがデレてくれたわん!!優しくなったネネちゃんもわんは好きだわーん!!」
「だーー!!!そこまでして良いとは言ってねえにゃああああ!!!血塗れの服でくっつくんじゃねえにゃああああ!!!」
感情の突き抜けたマオはネネの鳩尾辺りに顔を埋めたが、結局ネネに引き離されていた。
「おい、ヴィラもそろそろ起きろにゃ。いつまで寝てんだにゃ」
「うぅ…また私は何も…」
ネネが寝っぱなしになってたヴィラを軽く蹴飛ばした。
「ネネさん…怪我人ですのでもう少し優しく…」
「ふー…死ぬかと思ったよ」
あれだけの攻撃を受けたのにも関わらず、マサシには全くと言って良いほど効いてなかった。
「わう!?わんの攻撃は当たってたはずだわん…?」
「あぁ、俺は不死身だし自動回復持ちだからね。今までのは茶番さ」
マサシの体に付いてた傷は既に完治していた。
決死の覚悟で挑んで漸く撃破したと思ったのに、最初からマサシの手の平で遊ばれていたのだ。
四人の心を折るには充分過ぎた。
「どーやって倒すんだにゃ…こんなバケモノ」
一応チート対策は考えてありますが、本当にそれが対策になってるのか分かりません。




