47話 自滅
vsマサシハーレム、初戦はこんな形にしてみました。
目線がコロコロ変わるので注意して下さい。
扉を破壊した私達はヤマさんを探すために更に奥に向かいました。
当然、途中に罠もかなり警戒しながら進んでたのですが…
「あれ?肩に何か…紐?」
「ただのゴミだにゃ。その辺に捨てとけにゃ」
「ひゃっ!み、水!?」
「あそこから雨漏りしてますね。結構年期があるのでしょうか…」
「いたっ!い、痛い、痛いです!!」
「イガグリが降ってきたわん!」
「これだけ殺傷能力高くありませんか!?」
何と言いますか…その…
「全然罠が無くないかにゃ?」
「外とはえらく違いますね」
当たったのは先程のイガグリだけですね。痛かったですが、外の罠と比較すると…
「でも変だわん。外にあんなに罠仕掛けてたのに、中は手薄ってよく分からないわん」
「ですよね…」
何を狙ってるのでしょうか?
「流石に不自然にも程があります。可能な限り、探索は最小限で行きましょう」
「あのあからさまにゴージャスな扉とかも怪しすぎますしね」
ここに来るまで変な扉は何度か見掛けましたが、流石に怪しいので無視して来ました。この感じを見るに入らなくて正解でしたね。
「この明らかにヒビの入った床も怪しさ満点だにゃ」
「流石にこれに引っ掛かる人は居ないでしょう。これは避けて…」
「ちょっと待ったわん!」
進もうとする私達にマオさんが待ったを掛けました。
「どうしましたか?」
「くんくん…このヒビは偽物だわん!避けた先が落とし穴になってるわん!」
「ええ!?」
う、嘘!?まさか引っ掛けですか!?
「何で分かるんだにゃ」
「横の床から変な臭いがするわん!」
「でも確かに、こんなあからさまな罠も怪しいですよね」
油断させると言われればそれまでですが…
とにかくマオさんの鼻を信じましょう!
「行きますよ…」
私はヒビの入った床に足を踏み入れました。
結果は…
「ホ、ホントに偽物でした…」
こんなパターンもあるのですね。
今後は用心しなくては…
「てか最初から犬ッコロの鼻で罠を探索しながら進めば良かったんじゃにゃいか?」
「あ」
…………
………
……
…
「すみません…マオさんばかりに負担をかけてしまって…」
「大丈夫だわん!ネネちゃんの為なら何でもやるわん!」
「そこはみんなの為って言えにゃ…」
その後は一度も罠にかからずに進むことが出来ました。
「ここが行き止まりですね…」
何度か怪しい部屋はありましたが、全て無視し最短ルートでここまでやって来ました。
「そろそろヤマやマサシが来ても可笑しくないにゃ」
「出来れば姉さんにも…」
確かにそろそろ誰かに会っても可笑しくないですね。覚悟を決めて…
さあ!行きますよ!
私達は扉を勢いよく開けました。
中に待ってるのは…!
「…あれ?」
「誰も居ないにゃ」
家具も殆ど置いてない、何なら次に進む扉も無い、ただの部屋です。罠も無いみたいですし…何の部屋でしょう?
「ここから先に進めるみたいだわん!…でも罠も多いから気を付けてわん」
どうやら次の部屋には床下から進むみたいですね。
なんか拍子抜けですが、まあ安全に進めるなら良いでしょう!
先に進みますよ!
一方その頃…
「ちょっと何よこれ!」
ずっとほったらかしにされてたリリアン達が部屋の外に出ると、本来鍵が無いと開かない扉が破壊されていた。
「待ち損だったぴょん…」
語尾が特徴的で、長い耳を頭の上に伸ばした兎獣人『ノエル』は落胆した表情をしており
「こんな野蛮な人達だったのですね…」
神官服を纏い、青の長髪と清楚な雰囲気を漂わせる『シンシア』は可哀想な人を見る表情をしていた。
「あれ?ハスィは?」
「見に行ったけど居なかったぴょん」
「どこ行ったのよあいつ…」
四人で各部屋を守っていたのだが、最後の一人である『ハスィ』はどの部屋にも居なかった。
「まあ別に良いけど。あいつマサシ君のお気に入りみたいでムカつくし、居なくて清々するわ!」
「そうですよね…マサシ様の愛を独り占めしようとは、許されません」
どうやらこの三人とハスィは仲が悪いらしい。
女三人合わされば姦しいと言う様に、彼女の事で少し盛り上がってた最中、ノエルが話の流れを変えた。
「良いこと思い付いたぴょん!」
「ん?ノエル何か思い付いたの?」
「今からシオン達追い掛けてやっつけようよ!そうすればマサシ君も褒めてくれると思うぴょん!」
ウサギの耳がピコピコしており、我ながら名案だと思っているのだろう。
実際はただの闇討ちであるが、マサシに構って貰う事しか考えない本人達にそんな暇は無かった。
「名案ですね。変に陥れるより、実力で勝ち取った方が後腐れなくマサシ様に構えます」
「よし、そうと決まれば行くわよ!」
更に別の場所…
「ここにも仕掛けて…よし!完璧だし!」
綺麗な金髪を靡かせながら、せっせと罠をしかけている小柄な少女『ソフィア』は先程のヴィラ達の居た部屋にせっせと罠を設置していた。
「…ソフィア」
「ん?イリスどうしたの?」
ソフィアとは違い、綺麗な銀髪を靡かせてる高身長でモデル並みなスタイルの少女『イリス』は自信無さげにソフィアに声を掛けた。
「…罠がちゃんと設置出来てるか見て欲しくて」
「良いよー!一緒に行くし!ここから近道してけば楽だし!」
「…うん」
本棚の裏にある隠し通路を使って二人は部屋を後にした。
***
「…あれ?」
「誰も居ないにゃ」
***
「ほら!これ紐解けるし!」
「栓閉めすぎだし!これじゃ雨漏り程度の水しか出ないし!」
「イガグリ落ちてるし、そんなのじゃ大したダメージになんないし!」
イリスの仕掛けた罠はどこか欠点があり、不発になったり大したダメージにならない罠が多数だった。
実際、ヴィラ達には殆ど素通りされてたが二人はそれを知らない。
「この紐には虫を結んで…よし!女子が多いしシオンも嫌いだから効果てきめんだし!」
「栓はこれくらいかな…うん、これなら踏んだだけで滝みたいな水が流れるし!」
「ここはイガグリじゃなくてこのスライムにして…完璧!これで一石二鳥だし!」
通る筈の無いヴィラ達の為に罠を新調したソフィアだったが、無駄な労力を浪費してる事には全く気付かない。
この二人は何をやってるのだろう。
「ここは?」
次に来たのはヴィラ達が引っ掛かりかけたヒビの入った床だ。
「…引っ掛け」
「あー成る程ね。ヒビを避けさせて横の本命に誘導するって事?」
「…そう」
予想通り、この罠はイリスが意図的に仕掛けた物だったそうだ。
実際引っ掛かりかけたので、効果としては上々だろう。
「ここまで素直な罠が多かったから、変化球で良さそうだし!これはこのままで行くし!」
「…うん」
初めて誉められてイリスは嬉しそうに小さく笑った。
「落とし穴の下は何があるの?」
「…その辺に居たモンスターを詰め込んでみた」
「わーお…中々エグいし…」
sideリリアン組
「んー…流石のシオンでもこんな怪しい部屋には入らないか」
「入った瞬間、毒ガスとか吹き掛ける様にしたのに無駄になったぴょん」
何とあの怪しい部屋にはかなり危険な罠が仕掛けられてたらしい。
入らないヴィラの判断は正しかったようだ。
カチッ
「ん?何か踏んだかし…」
その瞬間、リリアン達の目の前に大量の虫が降り注いで来た。
先程の改良されたイリスの罠だ。
「ひゃあああああ!!!!む、虫ィィィィィィィ!!!」
「ぴょええええ!?!?虫は嫌だぴょんんんんん!!!」
「いやああああ!?!?来ないで下さいいいいい!!!」
まだまだ罠は止まらない。暴れる余り、次の罠をノエルは踏んでしまった。
カチッ
「え、また踏んだぴょん!?」
「ちょっと!あんた何踏んだの!?」
ザバーッ!!
「いやあああ!?!?」
「こ、今度は水だぴょん!!」
「つ、冷たいし痛いです!!」
まだまだ幕は降りない。こんどはシンシアが次の罠を踏んだ。
カチッ
ドサドサドサッ!
「ひぃっ!ひぃぃぃぃ!!??」
「べ、ベタベタするぴょん!?気持ち悪いぴょん!!」
「こんな趣味はありませんですけどぉぉぉぉ!!!」
数十分に渡り三人の悲鳴は続いた…
「何なのよもう!」
「でもこんな罠だらけの所を通ってシオン達も無事で済むとは思いません。追い付けば確実に仕留められるでしょう」
実際は何一つとして引っ掛かってないのだが、それを彼女達が知るよしは無い。
しかも…
「これイレーススライムじゃない…武器が台無しになったんだけど…」
「ノエルちゃんも力が上手く入らないぴょん…」
「私も魔力をかなり吸われましたね…」
イレーススライム
ダメージ的な被害は皆無に等しいが、武器や力、魔力と言った物を破壊、吸収する力を持っており、かなり厄介なモンスターとして知られている。
本来ならヴィラ達に食らわせて力を削ぎ落とす予定だったが、完全に裏目に出てしまった。
そしていよいよイリスの自信作である罠が近付いてきた。
「…こんなあからさまな罠に引っ掛かる馬鹿いるの?」
「シオンなら頭悪そうだから引っ掛かってそうだぴょん」
「ぷっ!ありえる話ね!」
「御二人とも、行きますよ」
そう言って三人はヒビの『外側』を歩こうとした。
だが当然この罠は…
「何でよぉぉぉぉぉ!!!!」
「ぴょええええええ!?!?」
「いやああああああ!?!?」
綺麗に引っ掛かりましたね。
「いったぁ…」
「酷い目にあったぴょん…」
「誰かさんのせいで、こんな初歩的な罠に引っ掛かってしまいましたね…」
「は?あたしのせいだって言いたいの?」
「実際そうだぴょん」
誰が悪いお前が悪いと責任の擦り付け合い。そんなみっともない争いをしていると、何やら怪しい音が聞こえてきた。
ガルルル…カサカサカサ…ジャキンジャキン…
「は」
「ぴょえ」
「え」
三人を待ってたのは…モンスターの大軍。
オオムカデから始まり、アクラネ、ホーネット、テンタクル、グリズリー、マンティコア、バジリスク…
どれもイリスがその辺で捕まえてきたモンスターだ。
ヴィラ達がモンスターに遭遇しなかったのはこれが原因だが、敵に塩を送ってた事をイリスは知らない。
そして全て無理矢理連れてこられた事で気性が荒くなっている。
「え、これマズくないかぴょん…?」
「あたし、さっきのスライムに魔力も武器もやられてるんだけど…」
「…奇遇ですね。私もです」
…もう、何も言うまい。
グオオオオオ!!!!
「「「いやあああああああああ!?!?!?!?」」」
sideソフィア組
「お!穴が開いてるし!じゃあシオン達落ちたのかな?」
「…やった」
自信作だろうヒビの横には穴が空いており、人が落ちたことを示していた。
引っ掛かった事がとても嬉しいのか、イリスは小さくガッツポーズまでした。
引っ掛かったのは二人の仲間だが。
「てかここまで来たって事はリリアンとか倒されたんだ。あいつら情けないし」
倒されるどころか、戦ってもいないのにボロボロになってるのを見たら二人は何を思うのだろう?
しかも原因は二人の仕掛けた罠だと言う。
「じゃあうちらは適当にシオン達を待つし!登って来た所をトドメだし!」
「…了解」
sideヴィラ組
「本当に誰も居ませんね…」
「不気味にゃ…」
「姉さんは兎も角、他のメンバーまで居ないのは変ですね…」
「特別変な臭いもしないわん」
「もしかすると最後に総攻撃を仕掛けてくるかもしれません。気を引き締めましょう」
勝手にリリアン達が自滅している事には誰も気付かない。
何故こんな形なのか…ですか?
今のメンツではマオ以外、そんなに強くないので…




