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44話 私のせい

早めの投稿です。

そして何故か思いました。


ヴィラさんはどうして曇り顔が似合うのでしょう?

「んにゃー…良い湯だったにゃ~」


「ふぅ…ヤマさん、上がりましたので入り…あれ?」


私達は部屋の中を見渡しましたが、ヤマさんの姿はどこにもありませんでした。


じゃあトイレに行ってるとか…では無さそうですね。鍵が掛かってません。


「ヤマー?どこ居るにゃー?」


「ま、まさに何かに巻き込まれて…」


「んな訳無い…とか言えないのが今の状況だにゃ…」


ネネさんの言う通り、今は何に巻き込まれるか全く分からない状態です。


あくまで狙いは私達ですが、それだけでヤマさんが危なくない理由にはなりません。


「と、とにかく探すにゃ!」


「とりあえず私は、宿の受付で外に出てるか確認してきます!」


ヤマさん…一体どこに…?


今は危険極まりないです!急いで探して部屋に…


ピチャッ…


「え?」


私は何か水の様な物を踏んだらしく、足元に眼を向けました。


そこにあったのは…


この鉄の様な臭い、赤い色…


もう何度見たかも分かりません。


これは間違いなく…









「何…これ…」


「血だにゃ…しかもまだ乾いてないにゃ」


血…?


私でも流石に分かります。ヤマさんは事件か何かに巻き込まれたみたいです。


これだけでは酒場の誰かが手を出したとは断言出来ませんが、一つだけはハッキリ言える事があります。


「私の…せ…い…?」


私が余計な事したせいで、またヤマさんが…?


私が変な正義感を持ったから…?


私がいつまでもヤマさんを守る力を持てないから…?


いえ、そもそも…






私がヤマさんと出会ったから?






「私が…私がまた…ヤマさんを…私が…!」


息が苦しい、呼吸の仕方が分からない。


頭の中がぐちゃぐちゃになり、もう私は…


「おい落ち着けにゃ!」


「ネネ…さん…?」


「落ち着くにゃ。ゆっくり息を吸うにゃ」


多少落ち着きを取り戻した私は呼吸も回復し、少し考えが纏まって来ました。


でもそこから導かれる解答は…


「ネネさん…今回悪いのは全て私です。好きに蔑んで下さい…ヤマさんもきっと私の事を恨んで…」


「それは無いにゃ」


私の意見をネネさんはバッサリ切り捨ててきました。


「ヤマは寧ろヴィラを危険な目に会わせて申し訳ないって言ってたにゃ」


「ぇ…」


でも…


「そんな事…ヤマさんは一言も…」


「いや普通、面と向かっては言わねえにゃ…」


そう、ですかね…?


「気になるならヤマに直接聞けにゃ。何で知ってるとか言われたらネネを悪者にしても構わんにゃ」


「ヤマさんに直接…」


「で、前にも言ったけど、ネネはヤマの死体をこの眼で見るまでは絶対に諦めないにゃ」


今度はネネさんが私の顔を両手で掴み、眼と眼を真っ直ぐ合わせてきました。


「あんたはここでウジウジして終わるのかにゃ?助かる可能性もその手で捨てるのかにゃ?」





…ハッキリ言いますと私はまだ悩んでます。


ヤマさんを助けに行きたいと言う思いは間違いなく本当です。


ですが、私よりネネさんの方が頼りになりますし、今までもネネさんの活躍で解決した事案もあります。ウィルオウィスプは良い例ですね。


今日みたいに、私が首を突っ込んで余計に事態を悪化させてしまうかもしれません。





…それでも!


私はパシンッと両手で自分の頬を渇を入れる為に叩きました。


「勿論です…!私はヤマさんを守るって決めたんです!こんな所で縮こまっては入られません!」


「うにゃ、それでこそヴィラだにゃ!」


さあ!『第二回 ヤマさんの奪還作戦』開始です!




ですが…


「でも手掛かりはこの血だけにゃ。流石にこれだけだと情報が少なすぎるにゃ…」


動こうにも出来ることが無いのが現実です。


流石にしらみ潰しに探すには範囲が広すぎます。


せめて髪の毛一本でも落ちていれば話は変わったのですが…


何か…何かないんですか…!





『この鉄の様な臭い、赤い色…』


『血だにゃ…しかもまだ乾いてないにゃ』





私はとある言葉を思い出した。


「…!あ、あります!これだけでも見つけれる方法、ありますよ!」


「ホントかにゃ!?」


大丈夫です!これなら失敗する事は無いはずです!


だって『彼女』の得意分野ですから!


私は宿の伝書システムを使って『彼女』に連絡を入れました。


後は来てくれるのを祈るだけですが…きっと来てくれるはずです!






「…で、どーゆー事にゃ?」


「ではお願いします!」




そうです!私が呼んだのはこの白と黒のフリフリワンピースにちっちゃい耳とふさふさの尻尾が生えた…




「任せるわん!」


「なんで犬ッコロがここに居るんだにゃ!!」


マオさんです!


ですがネネさんはマオさんが苦手みたいですね。マオさんからネネちゃんの為なら直ぐ行くわん!って言ってくれましたが…


「マオさんは臭いを辿るのがとても得意ですので、この僅かな血痕からも辿れると思ったのですが…」


「別に犬獣人の鼻が良いのはネネも知ってるにゃ…」


「他ならないヴィラおねーさんとネネちゃんのお願いわん!頑張るわん!」


尻尾をブンブンと揺らしていて、これは喜んでる証です。


マオさんはネネさんの事がとっても好きみたいですね!


「んにゃにゃ…確かに今は一番頼りになるにゃあ…でも犬ッコロが居ると思うと言い様の無いイライラが止まらねえにゃあ…」


しかしネネさんはどうして頭を抱えながら葛藤してるのでしょうか…?


「んにゃにゃにゃにゃ…もう分かったにゃ!ヤマの為だから今回はお願いするにゃ!」


渋々と言った感じですが、ネネさんも納得してくれました。


そしてネネさんからお願いされた瞬間、マオさんの表情が輝き、更に耳と尻尾がピーンと立ち上がりました!


「わおーん!!!ネネちゃんから頼りにされたわん!!いつも以上に気合い入れるわん!!」


おぉ!遠吠えも入って気合い充分ですね!


さあ、待ってて下さいヤマさん!今助けに行きますよ!









???


一人の少女が、一人の少年を担ぎながら森の中を走る。


少女の眼は赤く腫れ上がり、頬には何かが伝った後が残されていた。


「ハッ…ハッ…やっちゃった…やっちゃった…!もう…後には…引けない…!」



「…ごめんなさい!本当にごめんなさい…!こんな事を私は…!」



「いくらでも私の事は恨んで下さい…殺されても私はそれを受け入れます。貴方にはそれだけの権利があります…」



「己の欲望の為に無関係の人を何人も巻き込んで…!」



「マサシ…!お前だけは絶対に私が…!」








「全てはシオンの為に…!」



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