40話 ざまぁ返し
私が思った異世界転生者共通の弱点を考えてみました。
タイトルもちょっと狙いすぎた感がありますが、書いてて楽しかったです。
「コロン団長!?何でここに!」
「久しぶりだなヴィラ」
「私・参上!!ですわ~っっ!!」
コロン団長にコーデリアさん!?
二人が何でこんな所に!?
「コーデリア!急いでヤマ君の治療を!酷い火傷を負っている!」
「了・解!!ですわ~っっ!!」
コーデリアさんが俺の背中を見ると真剣と驚きが入り交じった表情をしていた。
それほどまでに酷かったのだろう。
「これは中々酷いですの…で・す・がっ!!私にかかればこの程度問題ありませんわ~っっ!!」
何かを唱えたかと思えば、背中の痛みがみるみる引いていく…
「コーデリア、様態はどうだ?」
「少し時間はかかりますが、全く問題ないですわ~っっ!!」
「よし、一先ずは安心だな」
「火傷の痕もみるみる消えてくにゃ…」
やっぱり回復に関しては超優秀なんだな。
まごうことなき変人だが…
「あの、コロン団長…」
「積もる話もあるだろう。だが今は…」
コロン団長はシホに視線を移した。
「あの女を倒すのが先だ」
「あ、イケメン♥️ど~お?私と~イ・イ・コ・トしない?」
「気持ち悪い。止めろ」
「ざんね~ん。まぁ~?せっかくだしぃ?私の力ぁ?分からせちゃおっかな~」
シホはクネクネとふざけた態度を取って、随分と余裕そうだ。
あの自信がどこから来るのかは分からんが、実力は確かだ。
いかにコロン団長であろうとも、かなり厳しいんでは無いだろうか…
「随分と嘗められた物だな…」
「だってぇ?私最強だしぃ?その辺の有象無象にぃ?負けるわけ無いしぃ?」
完全に馬鹿にしている。
あの言葉を伸ばす話し方が嘗めた態度をより強調していた。
「…ここまで馬鹿にされたとなれば、俺も黙っては居られんな」
「うわぁ、だっさ!だっさ~!こーんな簡単な挑発に乗るなんて!短気なんだねぇ~」
「良いだろう。その安い挑発に乗ってやる。格の違いを見せてやろう」
そう言うと腰に着けてた剣を俺達の方に投げてきた。
「すまんが少し預かってくれ」
「うわっ!」
「え!?コ、コロン団長…何を…?」
「お前程度、剣を使う必要も無い。その自信をへし折ってやる」
す、素手!?
それはいくら何でも無茶だろ!
「っ!コロン団長!私も加勢…」
「大丈夫ですわ」
加勢しようとしたヴィラをコーデリアさんは落ち着いた感じでそれを静止した。
「私達の団長はそんな簡単にはやられない、ヴィラさんもそれは知ってるでしょう?」
「勿論です!ですが今回は流石に…」
「なら信じなさい。…我らが団長こそが最・強!!ですわ~っっ!!」
「素手って、素手って!!!あっはははは!!何それ!!縛りプレイでもしてんの!?」
「そうか、理解出来ないならもっとはっきり言ってやる。『お前みたいな雑魚相手に剣を使うまでもない』そう言ったんだ」
「へぇー…どいつもこいつも私をバカにして!!だったら徹底的に分からせてあげる!行っ「遅い」ぐぇっ!?」
再び炎魔法を唱えようとした瞬間、シホのお腹にコロン団長の拳がめり込んだ。
「は、速くね!?」
「ネネなんかより全然速いにゃ…」
当然耐えられる訳も無く、シホはその場で踞りながら咳き込んでいた。
威力も充分、かなり効いている。
「がはっ!がはっ!っ、な、何でぇ…」
「お前みたいな奴は何人も見てきた。俺の前で簡単に詠唱させると思うなよ」
ハッタリ…では無いな。
ここまで来て流石に実力を疑う真似は出来ん。
「げほっ…げほっ…あ、あんた男の癖に女に手を出すの!?最低ね!!」
「そう言う事はもっと早く言うべきだったな。今更言われても雑魚の命乞いにしか聞こえん」
「バカにしてんの!?」
「ほう、挑発を理解する頭はあるようだな」
「もー…あったまきた!!」
シホは両手を上げると巨大な炎の玉が現れた。
俺達に使った紅玉よりもずっと巨大な物だ。
「ほらどう!?凄いでしょ!?これが私の全力!!怖いでしょ!?死にたくなかったら私に従え!!言うことを聞きなさい!!」
「何故こうも小物が多いんだ…まあいい。生憎だが、その程度で俺を倒せると思ってるのか?」
「炎の最強魔法なのよ!!生身の人間が耐えられる訳無いし!!みんな纏めて消えろ!!ギガフレア!!」
こんなの食らったら間違いなく死ぬし、俺達にも流れ弾は飛んでくるだろう。
だが…何故だろう。
今は全く危険と思わない。
「最強だと?笑わせるな」
コロン団長が強く拳を握ると、そこから青い光が光始めた。
「…何か体がピリピリしないか?」
「体が痒いにゃー…」
「…来ますわ」
…何が?
「天帝」
何だあの光は…!雷か!?
「その程度ならこれだけで充分だ」
そう言うとギガフレアに向かって突っ込んで行った。
「バカね!!私の魔法がそんな拳なんかに…」
「拳が何だって?」
「えっ」
ギガフレアをあっさり粉砕した拳は、今度はシホに向かって飛んで行った。
「え、何で…チートが、何で負けるの…?こんなのあり得な…ぎゃあああああ!!!!」
再びコロン団長の拳がシホに襲いかかる!
しかも今回はビリビリのおまけ付きだ
「大口叩くから期待したが、この程度か。マオ一人の方がまだ強い」
「あの、マオって誰ですか?」
「子犬の様なキュートな耳と尻尾を持った獣人さんですわ~っっ!!あれでも魔法も格闘も中々の腕前何ですのよ~っっ!!」
あの黒と白のフリフリ服を来てた犬獣人か。
ネネが鬱陶しがってたのはよく覚えている。
「あの犬っコロそんなに強いのかにゃ…」
「マオさんは魔法も武術も、腕はかなり良いんですよ。ですが家事の方が好きなので、給仕の方に回っていたんです」
はぇー…人は見た目によらない物だな…
拳が直撃したシホは黒焦げになりながらも、まだ戦おうとしていた。
「ぐぅ…ま、まだ負けてない!まだ戦え…あれ…?体が…動か…な…」
「雷だからな。痺れるのは当然だろう?…さて、決着は着いたな」
「あ、あの…殺しちゃうん…でしょうか…?」
「いや、殺さん。コーデリア、あれを」
「了!解!ですわ~っ!!」
するとコーデリアさんはポケットから四つ折りにされた杖を取り出すと、組み立ててコロン団長に手渡した。
「君達もよく覚えておけ。こいつらに効くのは敗北でも死でも絶望でもない」
「な、何をするの…?」
「現実を見せる事だ」
「眩しっ…」
何だ…?杖が光って…
「えっ…えっ!?体が…」
光が収まるとシホの体がみるみる変わり始めた。
髪は黒くなり、細い体はみるみる肉が付き、肌のハリが無くなってきている…
「ふむ…何度か使ったが、この魔道具は実に面白い。転生者を本来の姿に戻してくれる」
「いや……いや……こんな……いや……」
そこには幼さを残した美少女では無く、彼女本来の姿であろう人がそこに居た。
あまり容姿に言及する事はしたくないが…うん…見た目が…その…察して…
「汗臭い女にゃ…」
「えっ!?わ、私臭いました!?」
「お前じゃねぇにゃ」
シホの変化が終わり、かつての美少女の姿はもうそこには無い。
そこに居るのは30は越えたであろう、太った女性だ。
「戻して…戻してよお!!!!こんな醜い姿嫌ああぁあぁあ!!!!」
「何が醜いだ。それがお前本来の姿だろう?」
恥も何も捨てて、その場でみっともなく泣き崩れる姿を見て、ネネは可哀想な人を見る目で見ていた。
「ネネも歳取ったらあんなのになっちゃうのかにゃ…」
「ネネさん、人は見た目では無いですよ!心が綺麗なら大丈夫です!」
よく言う謳い文句だが、まあそうだよな。
イケメン美少女でも録でもない奴も居るし、その逆も然り。
ヴィラなら見た目での差別はしない筈だし、説得力も中々…
「まあ彼女は心も汚かったですけどね」
おい最後の最後に台無しにするな…
「確かこの状況をお前達の言葉ではこう言うんだったか?」
「こんなの違う…私のチート無双は…?私のハーレムは…?」
もうシホには何も聞こえてない。
だから分からせる為に耳元まで近付いて…
「ざまぁ」
その一言でシホは力を失ったかの様に倒れた。
犬獣人ちゃんの名前がまだ出てなかったのでここで出しました。




