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39話 不審者少女

前前回、男キャラが悪役だったので、今回は女キャラにスポットを当ててみます。


正直ここも男キャラで良かったんじゃないかと思いました。


それと敵がワンパターンになってないか心配になってます…

「今日も来てくれにゃいにゃー…」


「もう一週間か…」


あれから魔法使いの募集は出し続けてるが、一向に来る気配は無い。


それどころか…


「頭の中で魔導回路を結び付ける様に…後は出力場所に魔力を…」


まさかのヴィラが独学で魔法を勉強し始めた。


「そんな事しなくても本職に任せれば良いじゃにゃいか」


「で、ですが私の魔除け魔法だけでは余りにも…」


「ヴィラは剣がメインだろ?変に手を付けると全部中途半端になるぞ」


「あぅ…もっと私に才能があれば…」


こりゃ仲間をゲットするのは無理そうだな。


仕方ない、出費は増えるが回復アイテムや補助アイテムを多く持つようにして…


「あ、あの!」


「んにゃ?」


小柄で整った顔した赤髪の少女が俺達に話し掛けて来た。


「まだ募集してますか!私、魔法使いです!」








今回来てくれたのは『シホ』と言う人で、一人だと心細いから丁度良い募集を探してたらしい。


本人曰く、「魔法は得意です」との事。


自称とは言え、これは期待出来そうだ!


「頼りにしてるにゃ!」


「う、うん」


「近接は私とネネさんが担当してますので、シホさんは離れて補助や攻撃をお願いしますね」


「うん分かった。…で、この人は何するの?」


シホは俺を指差して来た。


「俺?俺は…」


「ヤマはリーダーだにゃ!」


適当に盾とか言おうと思ったらネネが割り込んで来た。


「ヤマの指示のお陰で助かった事は何度もあるにゃ!だからヤマは凄いんだにゃ!」


「止めろ…恥ずかしい…俺はそんな凄い人じゃ…」


そのほとんどが死のうとする事の副産物とは死んでも言えんな。


「謙遜する事も恥ずかしがる事も無いにゃ。もっと誇れにゃ」


何でネネがそんなに嬉しそうなんだよ…


「へぇー…二人とも自分で考えて動けないんだ…やっぱ陽キャは群れないとダメダメ…」


…ん?


「とにかく行こうにゃ」


「そうですね。んーっと…回復アイテムに各種補助アイテムに…」


「そんなの要らないから、早く行こ」


「え?は、はい」


…何だ?この違和感は。


何と言うか…言葉にトゲがあると言うか…


まあ良いか。とりあえず依頼に行こう。







森の中を進んでいると刺に触ってしまったのか、ネネの腕から血が流れ始めた。


「いっ!…にゃあー…腕切ったにゃ…」


「血が…!シ、シホさん、治療をお願い出来ますか?バイ菌が入ると危険ですので…」


「…お願いします、は?」


「はい…?」


…俺の聞き違いか?


かなり上から目線だったような…


「だからお願いします、は…?」


聞き間違えじゃ無かった…


「…もう良いです。ネネさん、消毒しますので腕を出して下さい」


「分かったにゃ」


何だよこいつ…偉そうに…


ま、まあ簡単な治療なら今までもやって来たし、余計な魔力を使わせない様にしたと納得しておこう。


怒るな…怒るな…たまたまそう言う人だったってだけだ。慇懃無礼って人なだけだ。








「見付けました!テンタクルです!」


今回受けたのは植物モンスターの討伐。森を通る行商人が何度か襲われていたらしい。


普段ならこのレベルの依頼は受けないが、魔法使いが居ると言う事で、少しだけ背伸びした依頼を受けようと言う話だ。


「ヤマ!シホ!後ろは任せ…」


地獄豪炎ヘルフレイム


え?











「し、死ぬかと思った…」


死にたがりな俺だが焼死は流石に後免蒙りたい。


何かスゲー苦しいらしいし、そもそも焼死で生き返るか分からん。


それに焼死を選ぶと後始末や被害も大変だし、何より今回みたいに周りを巻き込む。


だから炎は避けるようにしてたが…こんな形で遭遇するとはな…


「雨が降らなかったら危うく大火事になる所でしたね…」


ホンットーに偶然、ゲリラ豪雨のお陰で被害は最小限で済んだ。


これこそ自然の恵みだな…


「あんた加減って物を知らんのかにゃ…」


「え?こんな弱い魔法でこれ以上加減出来ないよ…?」


「いやいやいやいや」


森を焼き付くすレベルの魔法が弱いとか何言ってんだよ。


「でしたら森での炎魔法は控えて下さい…」


「水とか氷とか、その辺をお願いしたいにゃ」


「やだ」


は?


「だって私の力が欲しいから募集してたんでしょ?だったら好きにやらせてよ…」





イラッ…





落ち着け、落ち着け…そうだ、俺達にはシホの力が必要なんだ。


「分かった、分かったから、だからせめて回復魔法だけはやってくれ。一応そっちがメインだから」


「お願いします、は?」






プチッ…






「テメェいい加減に…」


「待って下さい」


ヴィラが俺を押し退けてシホの前に出た。


「シホさん」


「何…」


パシンッ!!


ヴィラのビンタが炸裂し、その勢いでシホは吹っ飛んだ。


「え、何で…」


「人をバカにするのも大概にして下さい!!」









「ヴィラ…?」


今までも怒った事は何度かあったが、それは相手を思っての行動。


言葉の節々に優しさが間違いなくあった。


だが…こんなに感情を露にするのは珍しいかもしれない…


「確かに魔法使いとしては一流だと思います」


ですが、と一息入れて


「人としては最低ですね」


「ネネもおんなじだにゃ」


ヴィラの行動にネネも便乗してきた。


「もうはっきり言うにゃ。あんたの事嫌いだからさっさと出てけにゃ!!」


「……」


突然の意見にシホは呆気に取られている。


「うーん、すまんがそう言う訳だから。この話は無かったと言うことで」


来てくれたのは嬉しかったが、流石に俺らとの相性が悪すぎるし、二人は絶対に受け入れることは無いだろう。


仕方ない、また新しく探そう。


「…何なの!!こんなザコチームにせっかく私が来てあげたのに…!!ああもうウザいウザいウザい!!!私をバカにする奴らはみんな死ねよ!!!」


頭を掻き毟り、急に豹変したと思えばシホの周りを赤い光が包み始めた。


何だ!?何をするつもりだ!?


「古のイグニス!」


また炎魔法…!


焼死が嫌とか死に活とかもう関係ねぇ!せめて…二人は俺が守る!


「ヴィラ!ネネ!そこを動くな!!」


「えっ!?」


「にゃ!?」


うおおおおお!!!体ガード!!!


「ぐぁっ…」


背中に炎が直撃し、服諸とも燃え始めた。


「バッカみたい。みんな死ぬのに態々盾になるなんて」


「し、しっかりして下さい!あぁ…また、私のせいで…私が喧嘩売ったせいで…」


「言ってる場合かにゃ!!」


ぐ…背中が燃える様に痛い…


いや、実際燃えたんだが、まるで生き地獄だな…


でもこれならいっその事一度死んで…いや今は二人の安全確保が先だ。死ぬのはその後で考えよう。


「楽しいですか…」


「ん?」


「私達をオモチャみたいに扱って楽しいんですか!?」









「うん、楽しいよ」


「なっ…」


「何も才能無しのブサニートの私が、チートで今や世界最強の美少女魔導師!こんなに楽しい事はないから!」


チート…?


っ!まさか、コトの言ってた不審者の一人か!


「この世界なら何をしてもチヤホヤしてくれる!何をしても肯定してくれる!リア充陽キャの雑魚相手に無双サイコー!!」


言ってる事がめちゃくちゃだ…


とりあえず、これ以上相手するのは危険だ!


せめて…二人の盾に!時間稼ぎの壁に!


「俺は置いてけ…足手まといだからな…」


「何言ってんだにゃ!三人で帰るんだにゃ!」


やっぱ駄目か…!


「足手まといとか関係無いから。だって…」


纏う光が勢いを増している…!何か来るぞ…!


「全員ここで死んじゃうから!紅炎プロミネンス!」


巨大な炎の玉がゆっくりと俺達に迫ってきている。


だがこれなら…二人が逃げる時間もあるぞ!


「二人共!早く逃げろ!まだ間に合う!」


「嫌です!ヤマさんを見捨てるくらいならここで私も死にます!!」


「ネネがおんぶするにゃ!三人で逃げるにゃ!」


お前ら…そこまで…


「ごめーん☆暇だから紅炎プロミネンスのスピード上げちゃった」


それまでゆっくりと迫っていた炎が速度を上げて、俺達に襲い掛かってきた。


「も、もうダメにゃーー!!!」


「ネネさん!まだ諦めては…!」


ここまで…か…


ごめん…ヴィラ…ネネ…


俺が余計な事をしたばかりに…二人を巻き込んで…


俺は静かに眼を閉じた。

















「よくここまで耐えた。後は俺に任せろ」

最後に出た人、誰か覚えてますか?



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