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38話 温泉で一休み

温泉回…ですが実際は情報収集回ですね。

今回はヴィラ視点でお届けします。

今日の依頼はお休みです。


たまには羽を伸ばさないかとの事で、三人で娯楽街をぶらぶらしてたのですが…


「あっついにゃ…」


「今日は一段とムシムシしてるな…」


「体がベタベタして気持ち悪いです…」


朝から随分と暖かいとは思ってましたが、今は真夏と言わんばかりの暑さです。


それもそのはず、今日の気温は30を越えてるみたいです。


「しかしこの暑さはキツいですね…」


「喉も渇くにゃー…まだ水残ってないかにゃ?」


「すみません…さっきので最後でして…」


「ふにゃぁ~…」


このままでは体調にも問題が出てしまいます。


早いとこ何か対策を…


「なあ二人とも、あれ行ってみないか?」


あの湯気が出ている大きな建物は…


「温泉だにゃー!」


温泉です!


「汗を流して一旦スッキリしようぜ。出る頃には暑さもマシになってるだろ」


ヤマさんナイスアイデアですよ!冷たい事ばかりに気が向いてて、完全に盲点でした!


早速、汗を流してスッキリしましょう!


「早く行くにゃー!」







「んじゃ後でな」


「んにゃー」


入り口でヤマさんと分かれ、ネネさんと一緒に暖簾の奥に進みました。


今回はネネさんと二人きりですね。何気に結構珍しい気がします。


「でも意外だにゃ」


「何がですか?」


「てっきりヤマを暴漢から守るとか言って男湯に突撃するかと思ったにゃ」


「私を何だと思ってるんですか!?」


そんな覗きみたいな事する訳無いですから!?


それにこんな時間から人目のつく銭湯で事件なんか起こる訳が…


あ…ですが万が一と言うのがありますし、本当に危なくなったら恥を捨ててでも行くことも視野に…いやいや、私は何を考えてるんですか…


「え、もしかして本当に突撃するつもりだったのかにゃ…?」


「流石にその位の常識は持ってますからね!?」


だからそんな引いた眼で見ないで下さい!







「んにゃぁ~熱いにゃー…でも生き返るにゃ~」


「良い温度ですねぇ…」


体は熱くて冷たさを求めてるのに、お湯に浸かると何とも言えない快感があります。


温泉に限らずお風呂って不思議ですよね…


「あれ?ネネさん、尻尾に何か付けてますか?」


よく見るとネネさんの尻尾全体が紫の膜の様な物で覆われていました。


「これかにゃ?そのまま尻尾入れたらお湯が毛だらけになるにゃ。獣人はなるべく浸けない様に配慮しなきゃダメにゃ」


どうやらこの膜は獣人専用の物で、抜け落ちた毛を電気魔法で膜に張り付ける道具みたいです。


ちなみにお値段は100ルピ、お安いですよ。


「ネネは猫獣人だからマシにゃけど、狐獣人とかになると尻尾が増えるから大変らしいにゃ」


「獣人も色々大変なんですね…」


そんな苦労をしていたとは知らなかったです…


まだまだ私の知らない事が沢山ありますね。


「この事はヤマには内緒にゃ。言ったら変に気を使わせちゃうにゃ」


「はい!女同士の秘密、ですね!」


「何でちょっと嬉しそうなんだにゃ」






その後も適当に駄弁りながら温泉を満喫していると、ネネさんがとある温泉に気が付きました。


「さ、魚が入ってる温泉だにゃ!ちょっと行ってくるにゃ!」


「あの、その魚は食べ物じゃ無いですよ?」


「そんなの分かってるにゃー!」


名前は…ドクターフィッシュ、ですか。体の悪くなった所を食べてくれて美容にも良いらしいです。


どうしましょう?私も試しに浸かってみても…


「にゃはははは!!くすぐったいにゃ!!尻尾の根元をツンツンするのやめるにゃあ!!」


あっちは邪魔しちゃ悪そうですね。


何か他に良さそうなお湯は…


お、炭酸泉ですか。これにしましょう。


こっちも美容に良いみたいですからね!







「ほあぁぁ…」


あぁ…これは気持ち良いです…


まるで泡が疲れを吸い取ってくれてるみたい…


おや…私と同い年くらいの方も二人来ましたね…


「あ゛ー…ぎもぢー…」


「まー温泉も良いけどさー…最近男も女も変な人が増えてるって知ってる?」


変な人…?不審者とかでしょうか…


「知ってる知ってるー『チート』とか『テンセー』とか変な事ばっか言ってるんだよね?」


「そーそー、私は『ザマー』とか『レージョー』って聞いたよ」


「後は黒いマント着けてる人が意外と多いみたい」


「うわダッサ」


チート…テンセー…?


聞いたことない言葉ですね…


もう一つはマントを着けてる可能性が高いって事ですか。


これは覚えときましょう。何かに役立つかもしれません。


「気持ち良かったにゃあ~…満足したからネネはそろそろ上がるにゃ」


「あ、私も上がりますね」


おっと、もうそんなに経ってましたか。


では上がったらこの辺りの情報をヤマさん達にも共有しないとですね!







とりあえず着替えて外に出ましたが、まだヤマさんは出てきてないみたいです。


「ヤマさん遅いですね…」


「風呂くらいゆっくり浸からせてやれにゃ。ネネ達はドリンクでも飲んで待ってるにゃ」


あ、私も…


「おばちゃーん、ドリンク二つにゃ!ネネはこれにゃ!」


「私はこれでお願いします」







「にゃはー!!風呂上がりのボコボコーラは格別だにゃ!」


「んく…んく……ふぅ…火照った体に染み渡ります…」


ネネさんは炭酸飲料を買ったみたいですね。


私は…


「何買ったんだにゃ?」


「アユルの天然水です」


「ただの水に金出すとか変わってるにゃ…」


む、それは聞き捨てなりませんね。


「ネネさん、アユルの天然水はただの水じゃありませんよ?魔力を含めた不純物が一切含まれない純度100%のお水です。料理する時もこのお水を使えば味がガラリと変わり、人気の料亭でも使われる事もあるんですよ。そもそもこのお水は川の上流から…」


「にゃー…変なスイッチ入れちゃったにゃ…」






「…つまりこれはただのお水じゃ無いと言うことです。分かってくれましたか?」


「他と違うって事はよーく分かったにゃ。それにしてもヤマちょっと遅くないかにゃ?」


あ、あれ?語ってる間に軽く10分は経ちましたが、まだヤマさんは戻ってきません。


やっぱり何かあったのでは…


少し様子を見に行って…


「ちょっと待つにゃ。それ以上進んだら両手に輪っかのプレゼントが来るにゃ」


「わ、分かってますよ…?」


「いくら何でも心配し過ぎだにゃ…」


うぅ、ここは信じて待つしか出来ませんね…


どうか何事もありません様に…







「うーっす、待たせてすまなかったな」


や、やっと戻って来ました!


「遅いにゃー」


「心配したんですよ!」


もうっ!30分も待ったんですから!


何かあったのかと思いましたよ!!


「すまんすまん、話が弾んでな」


「誰か知り合いが居たのですか?」


「コトと偶然一緒になってな、良い話が聞けたぞ」


コト、ですか?…あれ?何処かで聞いたことあるような…?


「誰にゃ?」


「ほら、ノアが四股してた内の一人だよ」


あ!思い出しました!あの不誠実な方の被害者さんですね!確か少し気の弱そうな男の子だったはずです。


「そういえばそんな奴居たにゃ」


代金を払いながらヤマさんは私達に話し掛けて来ました。


「それこそさっきコトから聞いたんだがよ」


「にゃ?」


「最近アユルに不審者が増えてるらしいんだ」


「不審者…ですか?」


あれ?ヤマさんの所でも似たような話が…?


「まあそれは帰りながら話すわ。あ、おばちゃん、ミルクフルーツお願いします」






ヤマさんの聞いた不審者情報を簡潔に纏めますと…


・黒い服やマントを着た男性

・やたらスタイルの良い女性

・セーフクと言う服を着た男女

・剣や魔法に優れている

・時折理解不能な単語が出てくる


との事ですね。


「…て事でよ、やたら自信満々だったりずれた知識持ってたり、なーんか変な人が増えてるらしいな」


「私もその話は聞きました。アユルで何が起こってるのでしょうか…」


男女で同じ話が出たと言うことは信憑性は高そうですね。


「どーせド田舎から来た人が増えただけにゃ」


「だと良いんですが…」


そんなに簡単な問題なのでしょうか?


もっと、こう…もっと深い問題な気がします…


でもやることは変わりません!


「でも安心して下さい!不審者が出ても私が二人を絶対にお守りします!」


「まー程々に頑張れにゃ。それで怪我したら元も子も無いにゃ」


「大丈夫ですよ!そんな簡単に怪我なんてしませんから!」


そうですよ!雪山の怨霊や以前のエミリーみたいな相手でなければ怪我をする事など…


「お、おい!前!前!」


「へ?」


ゴスンッ!







「だ、大丈夫か?」


「はい…」


「先が思いやられるにゃ」


うぅぅぅ……カッコ悪いです………

ヤマ視点、欲しいですかね?

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