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36話 マヨネーズ

今日から4章開始です。

テーマとしては転生者、でしょうか。

今までに出たキャラを多く出す予定なので、是非読んで下さいませ。

ヴィラもどうにか復活し、早数日。


看病もあったので死に活もしてなかったが、そろそろ新しい方法を考えようとは思っている。


雪山の件で己の弱さを改めて実感したからな。


…が、その前にやっておかないといけない事が一つある。


「なあ二人とも、折り入って相談があるんだ」


「にゃん?ヤマから相談とか珍しいにゃ」


「どうかしましたか?」


そう、それは…








「新しく仲間を探そうと思うんだ」


仲間の確保だ。








「あ、あの、もしかして私では役不足でしたか…?」


「違う違う!」


別に俺が犠牲になるのは構わない。けど、俺が犠牲になっても解決しない事案も今後は存在するだろう。


だからその為にも回復や魔法に特化した人…要は魔導師が必要になると思った。


実際、ミラさんには随分と助けられたしな。


それに今回は死んでも解決しない。死んでから強くなるまでにはラグがあるからだ。


今致しても次の日から相応の力が出るか?否、精々初級魔法が使えるかも程度だ。こんなのでは話にならない。


二人を追い払おうにも間違いなく着いてこようとするから、まず先に二人の安全確保をする必要が出てきた。


真の強者っつーのは味方の安全を最優先で確保するんだよ。だからこれは未来への予行演習みたいな物だ。


「にゃるほど、確かに今後を考えたらヒーラーみたいな人は居ても良いと思うにゃ」


「め、面目ないです…私がもっとしっかりしていれば…」


「ヴィラも近接ではちゃんと『役に立ってる』にゃ。魔法とかの苦手部門はちゃんと専門職に任せるのが一番だにゃ」


何故か役に立ってるを強調したネネ。


「そ、そうですか?そうですよね!近接は私が居ますし、魔法使いさんが居れば怖いもの無しですよね!」


そして簡単に乗せられるヴィラ。


何でそんなに得意げなんだ。


「チョロッ…」


「どうしました?」


「将来がちょっと心配になっただけだ」


「?」


いつか簡単な詐欺とかに騙されそうだな…









「はい、ではこちらに掲載させて頂きますね」


募集要項

・魔術、魔法が使える人

・回復魔法の取得必須

・経験、性別不問


「こんなシンプルで良いのかにゃ?」


「まあこれだけで充分だろ。別に年齢とか性別に拘りは無いし」


変にキツくして変な人が来るより緩めにして選択肢を増やした方が絶対に良い。はずだ。


さて、誰が来てくれるかね。




15分経過


「募集したのに誰も来ないにゃー…」


「まあこんな名も知らない所に来る物好きはそうそう居ないだろ」


「まあまあ、気長に待ちましょう」




30分経過


「全然来ないにゃー…」


「来ないとは思ってたが、実際なるとキツいな」


「何かこう…条件を良くしたりは…」




60分経過


遂にネネが我慢出来なくなった。


「もう待てないにゃー!!依頼行くにゃー!!この依頼受けるにゃ!!」


「は、はい。お気を付けて…」


「おいネネ!勝手に行くな!」


「ま、待って下さい!」






依頼自体は適当な採取依頼。


まあ気分転換には丁度良いか。


「ふう…これくらいですかね?」


「んにゃ~…座りっぱなしだったから動くと気持ちいいにゃ」


「じゃ、そろそろ戻るか」


もしかしたら募集を見た物好きな人が来てくれるかも知れないしな。


早いとこ戻るとするか。


「そうです…うっ!」


「どうした…うわ臭っ!?」


何だこの腐敗臭!?


「うにゃ!?臭玉より嫌な臭いだにゃ…」


森で腐敗臭となると…


…おい、まさかエミリーの時の事件がまた起きてるとか言わないよな?


「どうします?確認に行きますか?」


「いや、止めとこう。これが毒ガスとかだったら俺達には何も出来んし余りにも危険だ。依頼所に戻って報告だけしよう」


「分かったにゃ」


無闇に突っ込む事なかれ。逃げも重要な事だ。





アユルに向かって足を進める俺達だが、歩くに連れて臭いがどんどん強くなってくる。


発生源が割とアユルに近いのか?


「に、臭いが強くなってきたにゃ…」


「あ、あそこ!誰か居ます!」


まさかこの臭いの被害者か!


こんな不幸に鉢合わせた人は誰なんだー…






「んーと確か卵を使ったよな。こんな感じで…おお!思っただけで勝手に手が動く!」


「男の人…?」


彼の近くにはピクニックテーブルが置いてあり、更にパン、野菜、容器、ナイフetc…


「何してんだ…?」


「ん?何って、スキ…じゃなくて料理してるんだ」


何かを言いかけたがまあそれはいい。


何がどうなればこんな本格的な料理を森の中でやることになるんだ…


「この悪臭の中よくそんな事出来るにゃ…」


「そ、それより!今毒ガスが発生してるかも知れないんです!貴方も早く森から出ましょう!」


「あっはは、大丈夫だって。毒耐性あるから」


耐性あっても臭いはキツいだろ…随分と変な人だな。


とにかく早いとこ森から出ないと。臭くて堪らん。


「異臭の発生源はこの辺かの?」


「うん…この辺だと思う…」


ん?あの兎耳フードとちんまいエルフは確か…


「あれ?セレナさんにシャンティさん?」


「おぉ、お主達か」


「あ!お兄さん!」






「お二人はどうなさったんですか?」


「いや、用があってセレナと里に戻ってたんじゃがの。この辺りから異臭が凄いと来たから調べに来たんじゃ」


「何か分かったかにゃ?」


「大体な。妾のカンが正しければ恐らく…」


持っている杖を手の形に変えると、近くの草むらをゴソゴソと探り始めた。


すると何かを見つけた様で、手には砕けたボールの様な物が握られていた。


「やはりこれじゃな。投棄された臭玉が腐敗して偶然割れてしまった様じゃ」


「臭玉ってこんなに臭くなるんだ…」


「とりあえず臭いを浄化するかの。臭くてたまらん」


おぉ…異臭がみるみる消えていく…なら一先ずは安心だな。






「ふむ、こんなもんじゃな。さて、そろそろ…」


「うおーー!!のじゃロリエルフだ!!本物だ!!」


「のじゃあ!?な、なんじゃこの男は!」


シャンティさんを見て何故か興奮している。


まあエルフの女王様だから珍しいと言えば珍しいが、そんな興奮する程か?


「耳長っ!ちっちゃ!すげー!」


「ええい!鬱陶しいわ!周りをウロチョロするでない!」


あんなに周りをウロウロされたら俺だって鬱陶しい。実際、シャンティさんもかなりウザそうにしている。


エルフを知らないのか?本当に変わった人だ…


「いやー!こんなに早く異世界要素に出会えるなんて!ほらほら!みんなこれ食べてみて!」


そう言うと皿に乗った料理を渡してきた。この見覚えのある形は…


「普通のサンドイッチだよな」


「強いて言えばこのはみ出てる白らしきソースが気になりますね…」


このドロッとしたのは何だ?始めてみるな…


「それはマヨネーズ。万能調味料だ」


「まよねーず?」


「とりあえず頂きますにゃ~!」


ネネはサンドイッチに思い切りかぶり付いた。


そしてみるみる顔が青ざめていった。


「うぇ…まっずいにゃ…」


「は!?マヨネーズだぞ!?不味い訳無いだろ!!」


「うるさいにゃ…臭いも味もゲロマズだにゃ…返すにゃ…」


あのネネが一口だけで返しただと…?


「お、おいネネ、流石に失礼だぞ」


「そうですよ。一生懸命作ったものをそんな扱いしては…」


とりあえずは食べてみないとな。どれ一口…


「うっ…こ、これは…」


「な、なかなか個性的な味ですね…」


ベチョベチョしてて鼻にツンと来るこの独特な臭い…


美味いとは流石に言えんな…


「この白?黄色?の変なドロドロが原因ですよね…?」


これがマヨネーズとやらか?何を思ってこんなの作ったんだ…


「これさえ無ければ普通のサンドイッチだったにゃ。あんたゲテモノ愛好家とか何かにゃのか?」


「んな訳あるか!お前達味覚バグってんじゃないか?マヨネーズを不味いって…」


「マヨネーズが何だか知らにゃいけど、あんたの常識がネネ達に通用すると思ったら大間違いだにゃ」


そしてシャンティさんはと言うと


「うむむ…毒では無さそうじゃが…しかしこの異臭は何じゃ?」


物凄く警戒していた。


「ちぇっ。本当はそっちの子にも食べて欲しかったんだけどなー」


「こんな得体の知れない物を食わせられるか。最低でも無害と判別するまでは欠片一つと口に入れさせんぞ」






「なんかいつもより怖くないかにゃ…?」


「心無しか目付きも鋭くなっているよな」


やっぱ母親なだけあって、セレナが絡むとちゃんと守ろうとするんだな。


「女王様モードですね!」


「如何わしい意味に聞こえるから止めてくれ」


「へ?」






「こ、これは…何と言う不味さじゃ…妾じゃ無ければ腹を壊すぞ…」


口を押さえて今にも吐きそうな表情だ。


「ある意味兵器として使えそうじゃな…」


「だとしても何に使うんだ…」


「兵糧責めとかどうじゃ?」


「ちょっと成功しそうなのが怖いにゃ」


そんな話をしていると、セレナがサンドイッチに興味を持ち始めた。


「そんなに不味いの?ちょっと食べてみたいなー…」


セレナの手がサンドイッチに向かって延びて…


「やめんか!こんなの食うでない!腹を壊すぞ!」


「…大丈夫だもん!私お腹強いから!」


「あ!」


セレナはシャンティの制止を振り払ってサンドイッチを一口で食べた。


最初こそ勢いよくモグモグしてたセレナだったが、次第にそのペースは下がり始めた。


「…うっ」


そして遂に口の動きが止まった。


「だ、大丈夫かの…?顔色が悪いぞ…?」


「だ、だめ…出る…」


出る?


お、おいまさか…


「うげええええ…」


「きゃああああ!?!?」


※暫くお待ち下さい






「うーん…口がぁ…口が不味いよぉ…」


「だから言ったじゃろう…これに懲りたら無闇に物を口に入れるでないぞ。ほれ、飴玉じゃ」


「あ、ネネも欲しいにゃ」


「すみません、私も…」


貰ったのは何て事もない普通の飴玉だ。


フルーツの甘い味が口の中を中和してくれる…


「やっと口がスッキリしたにゃ」


「これ美味しいですね。どこで売ってますか?」


「アユルの食品店で普通に売っとるぞ。150ルピでお得品じゃ」


お、マジか。非常食やおやつとして持っとくのもありかもしれんな。


「何なんだよ…料理スキルでマヨネーズ作って俺スゲーしたかったのによぉ…何でこんな馬鹿舌の奴らに…」


ここまでほったらかしにされてた少年が何かをボソリと呟いた様だ


が、それを聞き逃す程シャンティさんは甘くない。


「ほーう?ならこれが不味いと感じるのは妾達の舌が馬鹿だからじゃと?」


シャンティさんの頭に少し青筋が見える。あれ、ちょっとキレてる?


「ならエルフ族直伝の伝統料理を食うてみい。食えるのならそのマヨネーズとやらも食べれる努力をしよう」








次回、報いを受ける。

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