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7-15. 武蔵小金井潤一郎達の調査・1

[2019/6/6 20:50 栃木県伊都宮市 旧伊都宮警察署]


 倒れた幽谷鳴斗をよいしょと持ち上げると、武蔵小金井潤一郎は自らの足がギシギシと悲鳴を上げるのを感じた。昼間から酷使していた足がいよいよ破綻しかけている。


「すまん、頼む」


 そう言って彼の身を大宮昴に預ける。


「わ、分かりました」


 昴が持ち上げると同時に、甲冑の女性、ラシーヌが彼に駆け寄り、息や脈を測る。


「うむ、無事ではあります。ただ相当に衰弱しております。空腹なのが原因と思われますので、至急戻りましょう」


 甲冑の篭手で良く測れるものだと感心する。


 それを聞いてせめて自分に出来る事をと思いながら、松田安芸と高崎千夏に状況報告のメールをする。無事確保。その一言で分かるだろう。


「しかし……ここはまるで某の居たジュラ・オスタのようです。模したのでしょうか」


「異世界が入り込んでるとかそういう事は……無い、のだろうか?」


 潤一郎が腰や足をトントンと叩きながら恐る恐る尋ねた。返答が怖かった。もしYESならば自分はどう反応すればいいのだろう。


「いえ、そういう気配は御座いません」


 ホッとした。そこまでおかしな事になっていると、始末書報告書その他を書く時、自らの精神の保証を取らねばならないところであった。


「ただ精巧では御座います。こちらの方が想像で作ったというよりは、向こうの世界に精通した者が設計したと考えるのが自然のように思います」


「そんなに。誰だ?ここは使われなくなってまあまあ経つが、それでもこんなもんいつの間に……」


「作りが悪いですから、突貫工事なのでは?引っ越しの時は見た覚えないですし」


 そういう昴に、率直な疑問を投げかける。


「何のために?」


「……さぁ」


 その場に居る誰も、答えを持たない。


「昴、ラシーヌさんと先に戻ってくれるか」


「え、先輩は?」


「少しここを探索する」


「でしたら某もご一緒致します。某が居た方が魔力の残滓などを嗅ぎつけられるでしょう」


「……だったら僕も居ますよ。一人で帰ったら千夏にどやされる」


「すまん。だがラシーヌさんの身柄と、鳴斗さんの体調もある。手短に、五分だけチェックしよう」


 二人は潤一郎の言葉を聞いて頷いた。

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