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7-14. 武蔵小金井潤一郎は潜入する・5

「ここです」


 そう言ってラシーヌが足を止めたのは、廊下の行き止まりであった。


「ここ?何もないはずだ。この隣には別建ての倉庫が確かにあるが、そこは四階までで、五階はないはずだし、そもそも繋がってない」


「ですがここに魔力の痕跡が御座います。この先があるのは間違いございません」


「そんなこと言ったってなぁ」


 戸惑う潤一郎は、廊下の横に認証用と思われるカメラがあるのに気がついた。


「……こんなもんあったっけ?」


「無かったと思います。それに、ここは行き止まり、連動して開く扉も特にありませんし」


 昴が答える。


「これで開くってことか。……でもどうやって?網膜スキャンでもされるなら開かないぞ」


「某が力付くでやってみましょうか」


 ラシーヌの提案を昴が止める。


「待ってください、もしかすると」


 そう言って彼は懐から何かを取り出す。


「これ」


「なんだスマホじゃないか」


「これはただのスマホじゃないです。前橋せんぱ……前橋の死体から押収したヤツですから。アイツに、高崎に持っていけって渡されたんです」


「前橋……あ」


 潤一郎は思い出す。前橋と青海、警察内部の被疑者二名の共通事項、スマホの不明なアプリの存在を。


「まさか」


「はい、多分、これで……」


 大宮はアプリを起動すると、その二次元コードらしきものをカメラに翳す。


 すると壁が右へ、まるで普通のスライドドアのようにスライドし壁の中へと消えると、その先に通路が現れた。石畳の、そこまでの廊下と材質も雰囲気もまるで異なる通路が。


「でかした!!」


 パン、と大宮の背中を叩く。


「へへへ」


「流石で御座います。――鳴斗様はこの先と思われます、急ぎましょう」


 ラシーヌの言葉に頷くと、潤一郎達はその廊下へと踏み込んでいった。



 残り、十五分。

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