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7-8. 大宮昴は後に続こうとして

「あっ、ちょっ、待って下さい、今戻ってきたばっかなのに……」


 後にはお目付け役を命じられた大宮が続く。


「昴」


 千夏が呼び止めた。


「え?」


「これ持っていった方がいいと思います」


 そう言って彼女は何かを投げて寄越した。


 昴はそれを上手くキャッチする。


「とっととと……。これは……」


 それはかつて被疑者から押収したものであった。


「……いいの?」


 思わず昴は尋ねる。


「絶対に戻して下さいね」


 ニコリと笑みを浮かべて、千夏は言った。


「勝手に持ち出したんですからちゃんと時間までには返して頂かないと」


「え、これはお前が――」


「ね?」


 恐ろしい程の満面の笑み。なるほど昴は彼女の意図を理解した。


「……はい」


 昴はただ従う事にした。下手に逆らうと何が起きるか恐ろしかったし、何より今は時間が無かった。


 昴はそれを懐にしまうと、そそくさと部屋を出て潤一郎達の元へと合流すべく駆け出した。



「……はあああああああ……。バレたらどうしよう」


 安芸がその後ろ姿を見て頭を抱えた。


「私は知りません。良いとも悪いとも言いません。では取り調べに戻りますので、安芸さん、責任の方はよろしくお願いします」


 千夏が言った。


「あなたが渡したアレに関しては僕は関与してませんよ」


「何のことですか?」


 安芸は千夏の方をジロリと見たが、彼女は再び取調室へと戻り、彼と目を合わせる事は無かった。


 安芸は大きく溜息を吐き、認めた事を後悔しつつも、手元のスマートフォンのタイマーで三十分を設定した。



 残り、三十分。

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