伊都宮警察署にて
[2019/6/6 14:30 栃木県伊都宮市 伊都宮警察署]
武蔵小金井潤一郎から、赤坂唯保護の一報が入ったのは、彼が彼女らを発見してから十分後の事であった。
「え、保護!?赤坂を!!」
松田安芸に入ったその電話に、伊都宮署に設けられた捜査本部の面々は立ち上がった。
「マジですか!!」
「流石武蔵小金井さん!!」
大宮と高崎が諸手を挙げる。
「今からこちらに護送するそうです。受け入れの準備をしましょう!!」
松田が言うと、室内の刑事達は皆何処か嬉しげな表情を浮かべて、ただ言葉も無く頷いた。
捜査本部の面々は漸く光明が見えた事に喜んでいた。赤坂唯の保護が出来たとなれば、そこから犯人の目的の追求も出来るかもしれない、少なくとも、これ以上の被害を広げる心配は無くなるかもしれない、と。
巡査長や巡査といった、松田、高松、大宮以外の面々も含めて、受け入れのためにそれぞれ準備を始める。今度は一昨日のような事が無いように、人選から保安体勢までしっかりと組み上げていく。
ふぅ、とその人物は静かに、誰にもバレないように息を吐く。
そうだ。
ようやく、事を先に進める事が出来る、と。
シュマという手駒を失ったのは少々痛いが、呼び出して早々過激が過ぎた。放っておけば余計な犠牲を出しすぎる、あそこで処分出来たのは良い事だろう。
重要なのは、結果として海竜族の秘宝が手に入った事だ。
それがあれば、そして儀式の生贄が揃えば、多少手駒を失ったところで問題はない。
何より重要なのは。
赤坂唯の確保と、そして――。
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