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6-9. 武蔵小金井潤一郎はあっち行ったりこっち行ったり・2

[2019/6/6 11:30  埼玉県小宮市 JTR小宮駅]


「ふう」


 だるまの弁当箱を詰めたバッグを持って、武蔵小金井潤一郎は小宮駅へと降り立った。ここは埼玉ではかなり大きめのターミナル駅。大体の所へは向かう事が出来る。


 彼はここで別の新幹線に乗り換えるつもりで、ホームで待っていた。


「乗り換えが無ければ楽なんだが」


 とボヤいていると、


 ピポポピポポ。


 電話が鳴った。相手は松田であった。


「もしもし」


 ホームには人が居ない。そのまま彼は受けた。


『先輩大変です』


 焦った様子が電話越しにも伝わってくる程の勢いで、安芸はがなり立ててきた。


「どうした落ち着け」


『ついさっきなのですが、鷹崎同様の大量殺人が、大嵐で起きたそうです』


「大嵐ぃ!?」


 鷹崎からは百キロ以上離れている。


「なんであんな、そんな遠くで」


『分かりません。緊急で炎戸側でも捜査本部が設置される予定ですが、現場の警官から今際の際に送られた写真に、例の魔法陣が写っていたという事で、こちらにも連絡がありました。誰か大嵐に向かう際に同行して欲しいとの事で』


 その言葉に潤一郎は顔を(しか)めた。


 勿論犠牲は尊く悲しく、そして許されざる事である。事件の解決は急がなければならない。しかし。


「同行、かぁ。救える人が居れば救いたいが、今から行っても、正直何処まで役に立てるものか分からないな」


『まだ続いている可能性もあるそうです』


「……こっちの捜査本部よりも、機動隊に連絡しろよ」


『そうは言いました。今手配中だそうです。ただ、こちらでも考え相談はしたのですが、誰かしらは行った方が良いだろうという事にはなりました。鷹崎との差異の有無を把握するという目的で』


「そうか。まあ確かに、情報は欲しいし、もしかすると赤坂唯の保護に繋がるかもしれないしな。……もしかすると、ってレベルではあるが」


『はい、そうですよね。はい』


 そこで安芸の言葉が止まった。


 潤一郎は嫌な予感を覚えた。


「なあ」


『……はい』


「誰が行くかは決まっているのか」


『…………先輩』


「は?」


『今何処ですか?』


 答えたくない。だが答えざるを得ない。


「……小宮」


『上野原経由なら特急使えますよね』


 言外の意図を汲み取って、潤一郎は叫んだ。


「俺に行けと?捜査本部長にされた俺に?」


『それはまあ、電話でも指揮は出来ますから。僕も伊都宮来ちゃったんで、こちらの人間が向かうとなりますと、今からだと到着がすごく遅れるんです』


「遅れると言っても二時間くらい――」


『今一番近いのは先輩なんです!!すみません、指示はちゃんとこちらでも出しますし、先輩からの指示もちゃんと聞きますので!!』


「……分かった。だが行って確認するだけだからな」


『勿論です。でも赤坂唯が居たら保護して下さい。あとモザイクの男も。昴さんが防犯カメラから切り出してくれました。画像は後程送ります』


「分かった。頼む」


 そういう話でまとまって、電話は切れた。


「……足痛え」


 言葉とは裏腹に、彼は頭を抱えた。

お読みいただきありがとうございます!!

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