表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

113/151

10-8. 幽谷鳴斗と武蔵小金井潤一郎の時が止まる・1

[2019/6/7 0:45  茨城県東茨城郡大嵐町 大嵐駅周辺]


「どうすんだお前!!」


 思わず潤一郎が鳴斗の胸ぐらを掴んだ。


「ラシーヌさんの覚悟が台無しじゃないか!!」


「いや悪かった、悪かったでも理由があるん……」


 言いかけて。


「……あれ?」


 鳴斗は違和感に気付いた。


 手でブレていた光の筋がまっすぐこちらを照らして止まっている。


 その光に照らされている、アウトレットから向かってくる連中の動きも止まっている。まるでパントマイムか何かのようである。だが微動だにしない。本当に、時間が停止したような。そんな感覚が――


「まさか」


 そんな奇跡が起きるのか?訝しむ鳴斗に、それが起きた事を示す音声が鳴り響いた。



 『ピロロロロロロン♪』

   『お呼び出し、お呼び出し♪』

      『誰かが貴方を呼んでいる♪』



 それを聞いて急いでスマホを取り出す。


 そこには『移動』のボタンが表示されていた。


「なんだ今の音は?」


 潤一郎が状況を理解出来ず、辺りをキョロキョロと見回しながら尋ねる。


「今何が起きている?まるで時間が止まったようだ」


「ご明察」


「は?」


「時間が止まったんだ。私が以前作った仕組みのお陰で」


「仕組み?時間?止まった?」


 未だ呑み込めない。幾ら非日常的現象に慣れつつ合った潤一郎でも、時間の停止までは「はいそうですか」「なるほど」などと素直に受け入れる事が出来ずにいた。


「詳しい話は後だ。今はこの機会を利用するしかない。掴まってくれ」


 鳴斗の言葉に渋々従い、潤一郎は彼の肩を掴む。


 それを確認して鳴斗はスマホに表示された『移動』のボタンをタップする。


 二人の姿は、照らし出すライトから瞬時に消え去った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ