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10-1. 赤坂唯は監禁されている

[2019/6/7 0:00 ??????????]


「出せー、ここから出せー」


 閉じ込められた部屋の扉をガンガンと殴りながら、赤坂唯が叫ぶ。


 殺風景な部屋だった。窓も無く、ドアだけがある。ドアにも窓は無く、完全に外も何も見えない。部屋に居るのは唯だけ。



 此処に来るまでの事は――突然の事すぎて、何が起きたのか覚えていない。スローシャと高崎・松田という刑事と一緒に取調室で話をしていた。知っている事――儀式か何かを起こそうとしている事、自分達は何もしていない事、逃げたのは警察が信用出来ないから。そういった事をつらつらと話していた。


 すると突然スローシャが言った。


「すみません」


 何を謝るのか、謝るなら金寄越せ、そんな事を考えていると、部屋の中が真っ暗になった。


「スローシャめはこうするしかありませんでした」


 それは誰に向けた言葉なのか。唯には分からなかったが、とにかくその言葉を最後に他の面々の気配は消えて、後は自分だけがこの部屋に居た。


 運ばれてすぐは妙に耳がキーンと痛んだが、唾を飲むと少し楽になった。高所なのだろうか。それ以外は何も分からず、呑み込めないまま数分間。ようやくドアを叩き出したのがつい先程の事であった。



「はぁ」


 溜息と共に扉を叩くのを止めた。無駄な気がしてきた。


 全く分からない。


 何が起きている?


 拉致、なのは疑いようも無いと思う。拉致でなければ何らかの反応があってしかるべきである。


 そして私だけが隔離されているように思える。勿論他の、松田刑事や高崎刑事も同様の状況に陥っている可能性もあるが、少なくとも私は他人と隔離されている。それは間違いない。


 そう考えた時に浮かぶ可能性が一つある。


 ――まさかとは思うが、儀式のために連れ去られたということは?


「……いや、いやいやいやいや…………?」


 彼女は否定したかったが、腕の紋章をチラと見て、冷静に考えると、可能性として排除は出来ない、いや、ありそうな気がしてきた。


 スローシャが裏切り者だったとすれば、あの言葉の意味は分からなくもない。


 そしてそうだとして。自分だけが拉致されているこの状況。腕の紋章をいよいよ使おうという事になった可能性が高いように思う。


「…………あ、え?わたし、もしかして、死ぬ?」


 気付いた結果、突き詰めていくと辿り着く答え。それが思わず口から漏れた。


「うげぇえええええ死にたくない!!出せ!!出せぇっ!!」


 取り乱して扉を叩く。だが反応は無い。扉も開かない。


「そ、そうだボタン……無い!!無くしたんだった!!」


 救援ボタンを取り出そうとして、大嵐のショッピングモールでの出来事を思い出した。ポケットから何処かで落としたらしい。何処なのやら。


 いやそんなボタンの所在などどうでもいい。この殺風景な部屋からなんとしても出なければならない。そして逃げて逃げて逃げまくって、鳴斗と合流しなければ。

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