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名前はルイーナ ⑥

「ルイーナ、まだ話したいことがあるの。今日は遅いからもう泊っていって」


「でも…」


「ほら、ご飯にしましょう?せっかくみんなが心を込めて準備をしてくれたのよ?せっかくの主役がいないと台無しになってしまうわ」


「ルイーナ、諦めて?シャロンはこうなったら頑固なんだ。それに紹介したい子たちもいるんだ。きっと3人とも待ちきれずにうずうずしている」


シャロン様からだけでなくジョージア様からもこのように言われてしまえば私には断ることなどできません。


「あの……ありがとうございます」


私がそういうとお二人とも穏やかに微笑んでくださいます。


噂に聞いていた以上に素敵なご夫婦です。


お二人と一緒に向かった先の部屋にはテーブルいっぱいのごちそうが用意されていた。


その光景に目を瞬いていると私よりも年下の女の子と男の子たちが走ってきた。


「あっ、お母様おそい!!」


「お母様、エミリーお姉様を我慢させるのは苦労したんですよ」


「なによ!エドだってずっとそわそわしてたじゃない」


「2人ともずっとうるさかったです」


「「レジうるさーい」」


「3人ともうるさいよ、ほらちゃんとご挨拶は?」


ジョージア様がそのように声掛けすると、今まで騒いでいたのが嘘のように、私の方を向くと順番に挨拶をしてくれた


「はじめまして、私カシミール侯爵家長女エミリア・カシミールでございます」


「はじめまして、カシミール侯爵家第2子エドワーズ・カシミールでございます。よろしくお願いいたします。」


「はじめまして、カシミール侯爵家第3子レジナルド・カシミールでございます。よろしくお願いいたします。」


「あっ、ルイーナで、ございます…よろしくお願いいたします。」


平民の私にこんなに丁寧な挨拶をしてくれる家庭なんて他にはないんじゃないかな。

ほんとに素敵なご家庭…



いいな……いいな………





「ではルイーナお姉様とお呼びしても?」


え?


「え?お姉様?」


「はい、……あの、いけませんか?」


「あ、いえ、そうではなく……私は平民ですので…」


「平民の方はお姉様とはお呼びしないのですか?お母様」


「いいえ、そうではないのよ?そうね、あなたたちは従妹になるのよ?お姉様と呼ばせて頂いたら?いいかしら、ルイーナ」


シャロン様が微笑みながら私たちの様子をみて、そのようにおっしゃって下さる。

私の両親はシャロン様には絶対に許されないことをしたのに……それなのに……


「はい……はい……ありがとうございます……」


私の目からはまた涙が溢れ出す。

やっとさっき止まったところなのに……


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