表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

漫才「抱え込むキャラ」

作者: おたかと

ボケ=ボ

ツッコミ=ツ


ボ・ツ「どうも~」


ボ「いや家でよくアニメとかドラマ見るんだけど、そこによく一人で抱え込むキャラって出てくるよね。」


ツ「あー色んな問題や悩み事を全部自分で抱え込んで、全く人に頼らないキャラだよね。」


ボ「そういう時って大体友達とかが『もっと私を頼ってよ!』って怒るシーンがあるよね。」


ツ「そこでお互いより支えあうようになって成長していく熱いシーンだよね。」


ボ「あれほんと意味分かんないだよね。」


ツ「なんでよ?」


ボ「いや。怒ることはないじゃん。その人はその時点で思い悩んでいるんだから、怒って頼らせることはないじゃない。」


ツ「でもそれは身体壊すくらいまで抱え込んだりしてて、怒らないと危険な状態だったんよ。」


ボ「いや怒られることで『やばい。他人を怒らせる状況まで抱え込んでしまった。今度はちゃんとしなきゃ』ってまた思い悩んでしまうじゃない。」


ツ「いや怒らせてしまったから、ちゃんとその人に頼ろうってなるんじゃない?」


ボ「いやでも、『頼って欲しいでそんなに怒る人なら、怖いからもうこの人に頼るの辞めよう』ってなるよね。」


ツ「そう捉えるの?自分のことを考えてくれて嬉しいって思うんじゃない?」


ボ「いや『頼って欲しい』で怒る人はその人のことを思って言ってないよね。『自分のことを頼って欲しい』『自分を必要な人間と思って欲しい』ってそいつの承認欲求を押し付けてるだけじゃん。」


ツ「そういう一面もあるかもしれないけどお互い支え合いたいって思ってんじゃない。」


ボ「いや支え合いたいと思うから他人に迷惑かけずに一人で解決しようとしてるんでしょ。」


ツ「それは自分よがりのところがあるじゃん。『他人に頼らずとも自分は一人でできる』って思い上がってるだけじゃん。」


ボ「いやそっちだって『私を頼ってくれたらあなたの悩みを解決できます』って思い上がってるじゃん。必ずそいつに解決できる保証もないのに。」


ツ「でも誰かを頼ったら上向きになることもあるじゃん。一人で抱え込むよりかはさ。」


ボ「いやそれでもうまくいかなかったら余計その人は他人を頼らなくなるよね。怒られて頼ったのに、何もうまくいかなかったら頼っても一緒じゃん。」


ツ「いやそれは人のせいにしてるだけだろ。何でうまくいかなかったら人のせいにしようとするんだよ!自分の悩みなのに~」


ボ「いや自分の悩みだから自分一人で解決しようとしたんでしょ。他人には責任持てないと思って。」


ツ「いやでもお互いの悩みを共有することで、誰の責任とかにはならないじゃん!」


ボ「んじゃ。うまくいかなかったら二人の責任でいいわけ?」


ツ「うん...まぁ。」


ボ「そしたら頼られた人は負わなくてもいい責任を負うことになるよね?そいつに頼らなかったら悩んでる人の責任だけで済むわけだし。それを避けたいから一人で抱え込んでいるのに。」


ツ「もうなんなんだよ!ややこしいな!いいだろ頼ってよってちょっと怒るくらい!」


ボ「結局頼られることで承認欲求を満たして気持ちよくなりたいだけなんだろ?」


ツ「人間ってそういうもんだろうがよ!じゃあその一人で抱え込んでる奴は承認欲求を満たしたくないのかよ⁉」


ボ「いや一人で抱え込む人は『誰の力も借りずに全部自分の力で解決できたんだね!すごい!って思われたい』っていう承認欲求があると思うよ。」


ツ「だったらどうすりゃいいんだよ!」


ボ「だからそれを今から考えようと思うの。」


ツ「今から?二人で?」


ボ「いや俺一人で考える。」


ツ「え?なんで?」


ボ「いやこれは俺が言い出した話だし、俺個人の問題だから。」


ツ「いや折角二人でいるんだから一緒に考えようよ。」


ボ「いやもう迷惑かけたくないし。」


ツ「ちょっと待っ...」


ボ「お前には関係ないから」


ツ「何でそんなこと言うんだよ!寂しいこと言うなよ!相方だろ!一緒に今から考えようよ!そうやって一人で抱え込もうとするなよ!もっと俺を頼っ」


ボ「はいはいこいつ今怒りました~『俺を頼ってよ!』って怒鳴ろうとしました~」


ボ「いやいや...」


ツ「相方ということをダシにして自分の承認欲求を満たそうとしました~」


ツ「お、おい...」


ボ「お客さんの前でかっこつけようとしました~良い相方を演じようとしました~」


ツ「もうなんなんだよ!お前の悩みを一緒に解決してあげようと思ったのに!どうすればいいんだよ!どうやってお前と漫才すればいいんだよ!」


ボ「まぁ落ち着けって...」


ツ「こうなったのも俺が悪いんだよな!コンビの問題も全部俺一人で解決しないといけないんだよな!」


ボ「お、今一人で抱え込んで解決しようとしてますな~」


ツ「そうだよ!」


ボ「大丈夫、自分が納得するまで一人でやってみな。もしそれでうまくいかなくてもその後俺が全部フォローしてやるからよ。」


ツ「このやり方が一番正解かも~」


~おわり~






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ