亡者行列
目の前に、灰色の荒野が広がっている。
遠くに、アリの行列が見える。
それは右から左に流れ、絶え間なく続いている。
よく見ると、それは人だ。
一様に精気のない、亡者達。
指先から腐った皮を垂らし、口をだらりと開け、目玉が溶け落ちた眼窩をうつろに空けた、死骸。
それらがみな、静かに静かに、音のない世界を進んでいく。
どこに行くのだろう?
私は身を乗り出して目を凝らした後、急いで岩陰に身を隠す。
もちろん、彼らは私を見ていないし、ここにいることに気づいてもいない。
だが、魂を握り潰されるような恐怖で全身が凍る。
私の姿が、あの中にあるような気がして。
亡者達が一斉にこちらを向いて、おいでおいでと手招きしそうで。
私自身もあの中に入りたいという誘惑に耐えかねて。
しばらくして、私はそっと、垣間見る。
目の前に、亡者が立っていた。
読んでいただいてありがとうございます。
夢に入る直前にこういう風景を見ることがあります。
ぬっ、とゾンビマスクみたいなのが目の前に出てくるのはなかなかのホラーかなと思ってこちらのジャンルにしました。短めなので詩のジャンルだったかなとも思うのですが、ご容赦ください。