よくある異世界の門番による犯罪歴の調査と盗賊の増加との関係の考察
はじめまして。初めてこのように文章を書くので、おかしなところがありましてもお許しください。
さて、タイトルに書いた通り、よくある異世界の門番による犯罪歴の調査について、なのですが。
多くの小説において、主人公が街に入ろうとすると、門番に身分証の提示を求められて、そんなものを持っていない主人公は、無くしました、とか盗まれました、とか言いますよね。
すると、門番が、ならここに手をかざせ、とか言って、水晶のようなものを出してくるわけです。この水晶が、その人間の犯罪歴を調べる魔道具出会ったりマジックアイテムだったりするわけです。
そして、もし、犯罪歴があり、水晶が反応してしまった場合、その人間は町に入ることができません。
さて、ここで少し疑問に思うのですが、なぜ、その人間は街には入れないのでしょうか?少しおかしくないですか?
もし、犯罪歴、というのが、まだ憲兵などに捕まって罪を償っていないものならば、確かにそんな人間を街に入れる訳にはいきません。その場で捕まえるべきでしょう。
しかし、罪を犯して逃走中の人間がそんなおマヌケなことをするとは思えないので、やはりここでの犯罪歴というのは、日本でいう前科というものと同じものでしょう。
そうなると、この世界では、前科がある人間は街に入ることができない、ということになります。罪は償っているのに、です。
そして、この世界には村もありますが、村、というものは多くの場合排他的なものです。余所者はなかなか受け入れられません。
こう考えると、この世界では、一度罪を犯したものはどこにも受け皿がないのです。
少し話を進めましょう。町には入れないということは当然ご飯を食べることができませんし、宿も取れません。家を買うこともできないでしょう。
するとどうするか。当然、ご飯を食べないわけにはいきませんから、自分で狩りをすることになりますよね。
ここで問題が起きます。彼は武器を持っているでしょうか?おそらく持っていません。つまり、どこかで手に入れる必要があります。自分で作ってもいいですが、その技術が彼にあるでしょうか?
ここではその技術がないとして話を進めます。そうすると、彼はどうにかして武器を手に入れる必要があります。武器を売っているのはどこでしょうか。
当然、街の中です。武器を買うには町に入る必要があります。しかし、街には入ることができません。なら、どうするか。
取れる手段は、僕の考えうる限り二つ。
一つ目は、街へこっそり侵入する。
二つ目は、街の外で武器を手に入れる。
一つ目について考えてみましょう。
街に侵入する、ということは、必然的に再び罪を犯すことになってしまいます。そして、街に侵入するためにはおそらく盗賊組織などの力を借りる必要があるでしょう。あぁ、ここで彼は盗賊となってしまったのです。
二つ目について考えてみましょう。
街の外で武器を手に入れるには、武器を持っている人を探さなければなりません。落ちているのを拾う、でもいいですが、そう都合よく落ちているとは限りません。
街の外で武器を持っている人、といえば誰でしょうか。
街道を移動する人達、もしくは、盗賊のどちらかでしょう。
前者から武器を奪う場合、彼は立派な盗賊になってしまいます。かたや後者でも、彼は盗賊の仲間として生きていくことになるでしょう。
さて、お分りいただけたでしょうか。かなり荒い論理ではあると思いますが、前科持ちの人間は、町には入れないのが原因で盗賊になってしまう可能性が高い、というのは真実であるように思えます。
これを踏まえると、犯罪歴のある人間は街へ入れない、という法は、盗賊の数を増やす悪法である、というように思えませんか?
こういったところ、小説家になろうをお読みの皆さんはどう考えていらっしゃるでしょうか。
上から目線になってしまいますが、小説を執筆されている方も、こういった細かなところを深く考えて設定している方がどれだけいるのかはわかりませんが、少しばかり、設定の奥の方まで思考をめぐらして、矛盾のない設定による創作をしていただけたら、と思います。
文才のない拙い文章ではありましたが、ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
感想、ご意見等ありましたら宜しくお願い致します。