サイコパス走馬燈る!
僕が思うサイコパスって、何考えてるか分からない、って言うイメージなんですよ。
だから、この主人公は心の声が多めになっちゃってますねw
では、楽しんでください。
生まれは東京都大田区××××
名は榊原 凛。
家の近くには、公園があってそこで幼少期友達と遊んだりした。
ある日、その公園で雀が死んでいた。
見入った。魅入った。
『死』というものがその頃の僕にとっては心の底から楽しめるテーマだった。
『死』とは何をもって『死』とするのか。
幼い頃の僕には分からなかった。
そのまますくすくと育った僕は、『営業スマイル』と『けっこう明晰な頭脳』と『人に信じられる嘘』を手に入れていった。
学校で勉強することがだるくて、適当に受験してある程度の中堅私立中学に入学した。
入学したのだが、その学校は部活に入るのがマストであり、仕方なくバスケ部に入った。
テキトーにやっていたら都大会に出れたのだが、これ以上続くのはめんどくさいと思い、サボった。
勿論、負けた。
しかし、部の他の連中はすんなりと許してくれた。
序に、コーチも顧問も許してくれた。
これら全て『営業スマイル』のおかげだと思われる。
次はそれが気になった。
『偽りの外装が人気ならその中身も人気なのだろうか』
もし格好いい自分を演じて、狙いのあの娘に告白された人は『本来の自分』を好きになってくれたのだろうか?
それは本当に心から喜べることなのだろうか。
僕は喜ぶなんて出来ない。
だから、僕は彼女が出来ない。
いや、モテなくて言い訳しているわけではない。
むしろ、されたことが何回もある。
全部ムカついたので、無理、と断った。
本当の僕の一辺すら知らないくせに、と。
そしたら、泣くのだ。
泣くほど恋をしてみたいとも、その涙も未来のキミは覚えていないだろうとも、思った。
高校生になったある日。
なんでもないただの一日。
飛び降り自殺の現場に居合わせた。
僕は下にいて、見上げる側。
通り過ぎて本でも読もうと思ったが、一つの計画が頭をよぎった。
『この事件をおさめて警察に感謝状を貰って評価を上げる』
人は、中々『評価』を形にできない。
もしどこかのおばさんの荷物をもって、そのおばさんの目的地までもっていっても、そのおばさんから感謝を貰うだけだ。
誰も僕の善行を証明できない。
もしおばさんが「この子が荷物を運んでくれたんだ」と言っても、それは証拠ではない。
それは証拠には遠く及ばない証言だ。
しかし、今回は話題性も十分で、『感謝状』という形のある『評価』が貰える。
これは良いイベントだ。
迷わずその飛び降りのビルの階段を昇った。
屋上に着くとまだその人は居た。
良かった。
話しかけようとして少しとどまった。
『営業スマイル』をしなければ。
ニッコリ
「何か嫌な事でもあったんですか?もし良ければ、話聞きますよ?」
その人は服装から女子高校生だった。
その女子高校生が振り返った。
知らない人だった。
「あぁぁぁっぁあ・・・・・・・・・・」
その女子高校生は泣き始めた。
意味が分からない。
はっきり言って気持ち悪かった。
「りんくん来てくれたんンだね・・・・・・・・」
どこかであったか?
「えと・・・・・・」
その制服はよく考えたら僕の高校の制服だった。
「こっちに来て」
「・・・・・」
まぁ、感謝状貰えるんだったら少しぐらいの時間なら費やしてやっても良いな。
ある程度近づいて止まる。
「こっちって言ってるでしょ!!」
ニッコリ
「飛び降りるわよ!!!!」
ニッゴリ
勝手に落ちて死んでやがれクソが。
内臓ぶちまけてぐちゃぐちゃになっている写真と顔写真を一緒に晒してやろうか。
「分かったから落ち着いて・・ね?」
仕方なく隣まで行ってやった。
ビルから地表付近を見下ろしてみたのだが、あんまり怖くなかった。
「あの時覚えてる?」
覚えてるわけねぇだろ、お前なんかに脳のメモリー使えるか
「あぁ、あの時は申し訳なかった」
「ホントに?」
「あぁ、ホント」
彼女の顔が歪んだ。
「じゃあ付き合って」
今なら殺人犯になれる気がした。
だが背に腹は代えられないな。
近付けさせないようにすればいい話なんだから。
「いいよ」
「やった!」
彼女の表情が一瞬のうちに明るくなった。
人間は面白いと何度も思う。
「あ、でも、リン君はすぐにどこか行っちゃいそうだから」
腕が僕の首と胴に巻き付いて、足の関節に衝撃が走った。
落ちた。
欲張らないで家に帰って、本を読んでいればよかった。
ハァ・・・せっかく読みたい本があったのに・・・・・・・・・・
ゴシャ
一番サイコパスなのはあの女子高校生だったていうね、そういうオチ。
てなわけで良ければ感想ください。
誤字とか矛盾とかは受け付けますけど、批判は全く糧にしませんw
ですから、評価をください。
ハイ、サイコパス!