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幻想戦詩

序詩


兵たちの悲鳴と 吠え叫ぶ竜の群れが

戦場に響き渡る


兵たちの前方には

竜たちの後方には


闇の王があげた 黒き火柱


それは兵たちを恐怖に覆わせるように


仲間である竜たちを奮い立たせるように


燃えそびえる


すべては 人々に虐げられ

存在を否定され 人々に恐怖され


生命すらも危ぶまれた

か弱き民たちを守るため


闇の王と竜たちは 兵たちを迎え撃つ



二詩


闇の王への 竜たちへの


復讐心にかかれた兵たちは

大軍となり

闇の王と竜たちへと攻めかかる


されど、竜たちの猛攻に


彼らの戦意は

彼らの力は

彼らの余裕は


削れゆく


嗚呼、彼らは

自らの過ちにいつ気づくのか


三詩


闇の王と竜たちは 兵たちを退けゆく


されど、新たに戦場に現れし者らに


闇の王らと竜たちは 苦難に窮した


それは、兵たちに 英雄と称されし者ら


彼らの駆けつけに兵たちは一気に奮い上がった


嗚呼、この戦いは どこまで続くのか……



四詩


英雄たちの刃が

闇の王に竜たちに 攻めかかる


闇の王は剣を持って 刃を退け迎え撃つ


竜たちも雄叫びを張り上げて

天へと炎の吐息を放ち 爪牙を持って迎え撃つ


五詩


闇の王へと向かった 英雄たちは

闇の王の剣に 刃と戦意を砕かれた


それを知った兵たちは 戦意の喪失に

戦場からの撤退を 強いられた


闇の王も竜たちも

去りゆく兵たちの 生命は奪わなかった


彼らの目的はただ一つ

か弱き民の守護


それゆえに

兵たちの生命を奪うのは 目的に反する


だからこそ

敗した兵たちの 生命は見逃した


そう、見逃したのだ――


終詩


こうして、人間の大軍と

闇の王と竜たちの戦は終わった


英雄たちを失った人間たちは


闇の王のもとへ戦いを仕掛けることは無かった


それは、英雄であっても 大軍であっても


闇の王と竜たちには 歯が立たず

倒せることはないと 本能で悟り


次代へと恐怖を伴い 語り継げたからである――


<終>

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