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君への想い
この手をいくら伸ばしても
君には触れられない
君の温もりを感じられない
ただ、感じるのは
氷のように冷たい 水晶の棺の感触だけ
僕はこんなにも
君への想いに心を焦がれているのに
君を収めている水晶の棺に阻まれて
僕の想いが
君に届いているかは分からない
この事実に僕は どれほどの涙を流せばいい?
湖が出来上がるほどなのか?
君を想うためならば 僕は涙を流すことは厭わない
嗚呼!君に纏わりつく死はいつ取り払われるのか!
僕には分からない
でも、君の死を取り払う時を
君が目覚める時を
僕は待ち続けるよ
君への想いが 僕の心を焦がし続ける限り――
《終》