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Legend Race Online(リメイク版)  作者: ルルカナート/リムス
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第7話 クエスト

朝起きると時計は6時半を指していた。私はまず階段廊下のモップ掛けをしてその後リビングの掃除機掛け最後に玄関の掃き掃除をして家の掃除をしてから朝ごはんの支度をしていた。

朝ごはんを作り終えたころに姉さんが下りてきた。



「瑠理香おはよう」


「おはよう姉さん。朝ごはん出来てるから食べちゃって。紗奈恵はまだ寝てるのかな?」


「うんたぶんね、夜遅くまでゲームしてたみたいだし。」


「じゃあ、起こさない方がいいかな?」


「そうね、起きたら朝ごはん食べるだろうしラップに包んで冷蔵庫に入れておきましょう。」



 わたしは紗奈恵の分の朝ごはんを冷蔵庫に入れ食卓に戻り美智留姉さんと向かい合って座り食事を始めた。



「瑠理香は今日どうするの?」


「今日はこれから宿題をやって終わったら買い物に行ってそれからご飯を作るよ。ゲームはそのあとだね。」


「そっか、でもちゃんとゲームやるのね。」


「まあ、せっかくユニーク種族なれたんだから少しは続けないとね。美智留姉さんは?」


「私はシャワー浴びてからゲームかな。」


「まあ、ゲームはほどほどにね。」


「わかってるよ。」


姉さんは席を立とうとしたのでわたしは慌てて呼び止めた。



「そうだ姉さん、癒し草を採取したんだけどあれって何に使えるの?」


「癒し草?癒し草は合成と調合で使える素材よ。ただ何を作るときに必要なのかわたしはわからないから自分で確かめてね。」




 姉さんはそういって食器を片付けてからお風呂場にむかっていった。



 わたし洗い物をしてからは自分の部屋に戻り勉強を始めた。

宿題が終わり時計を見ると11時だったので私は出かける準備をして家を出た。


 今日の目的は本屋徒歩15分の場所にあるわたしはそこで新刊の本を数冊購入し家に戻った。

家に着くと姉さんがご飯を作ってくれていたらしくすでに出来上がっていた。本を部屋に置いてから手を洗って食卓に行くと紗奈恵も下りてきて三人でご飯を食べた。今日は紗奈恵が片づけをするしばらくすると紗奈恵と美と言ってくれたのでわたしは部屋に戻ってゲームを起動した。




「さて、じゃあ今日は生産メインで活動しますか。」



 わたしはさっそく調合キットを出した昨日気づいたことだが、調合のスキルからは一度作ったことのあるものはMPを消費して作ることができた。わたしはさっそく<初心者ポーション>をつくった。結果は10本作ろうとして成功は6本で残りは失敗して粗悪品になった。どうやら成功にはスキルレベルが関係してくるらしくレベルの低い今の状態では大量生産が厳しいことが分かった。



「さて、じゃあ次は合成を試してみようっと。」



 まずは薬草を2つ用意して合成キットに入れると上薬草が出来上がった。わたしは上薬草を4つ作った。残りの素材を確認したが、薬草はもうほとんど残っていなかった。今度は痺れ草を2本いれてみると麻痺草が出来上がった。次は癒し草で試そうとしたが、どうやらスキルレベルが足りなくて使用不可能だった。


 わたしは上薬草をペースト状にして。<初心者ポーション>を作った時と同じ手順で試してみた。できたものは<苦汁>このポーションは通常ポーションの半分しかHPを回復できないというものだった。どうやら使った素材があってなかったらしい。使う素材があっていないと今みたいになってしまう。



「次は痺れ草で何か試してみようかな?」



 わたしはそう考えすりつぶした痺れ草と沸騰させた水を入れてみたが変化が起きなかった。



「う~~ん、何がいけないんだろう?素材が足りないのかな?」



そう考えわたしは初心者ポーションを入れてみた、しばらくすると光だし完成したことを知らせる。





   〈痺れ薬〉

 使用者を麻痺状態にする。






「なにこれ使えないじゃん。」




 わたしはがっかりし合成をやめた。

時刻は2時どうやら調合と合成に思ったよりも熱中していたようだ。


 わたしは足りなくなった素材を集めるために採取に行こうと準備をして宿を出た。しばらく歩くとクエストボードが立っていたので、わたしはいいクエストがないか確認するため、クエストボードを見た。



「う~~~ん、第一の町でもクエストは結構あるな、どうしようかな?」


クエスト内容は以下の通りだ


〈東の草原でビックボアの討伐〉


 ビックボア5匹討伐 報酬500メル



〈西の森での採取クエスト〉


 薬草10本 痺れ草10本 毒消し草10本の採取 報酬300メル



〈孫のために力を・・・〉


 調合クエスト 東エリアのおばあさんの家で詳しい内容を聞け 報酬???




クエストボードを見たところこのクエストの他に10近くのクエストが存在していた。



「えっと気になったのはこれぐらいかな?とりあえずビックボア討伐以外は受けてみようかな。」



わたしはクエストを受注した。



「あの~すみません。」



そう言いながら私の袖をツンツンと引っ張っていた。

声のする方向を振りむくと、そこには2人の子供がたっていた。



「どうしたの?」


「あ、あのわたしたちにもできそうなクエストがあれば教えてください。」


「えっと採取クエストと討伐クエストどっちがいい?」


わたしがそう聞くと彼女は後ろを振り向き彼女を盾に隠れていたもう一人の少女に話していた。


年齢はおそらく10歳前後で2人とも人見知りなのか話しかけてくれた少女の声は小さくもう一人は話そうとすらしなかった。


暫く2人で話していると話しかけてきたいる少女が此方に振り向いた。


「あのわたしたち戦闘経験を積みたいので討伐系統がいいです。それも難易度が低めのクエストでお願いします。」


「じゃあ、このクエストがいいんじゃないかな?」



わたしはそう言い彼女にクエストを紹介した。




<ボアの討伐>


ボア5頭の討伐 報酬350メル




 彼女はしばらく考えていたようだったが、決めたらしくクエストを受注していた。



「ありがとうございます」



2人は小さくお礼を言い小走りで走っていった。



「がんばってね~!」



わたしはそう声をかけ、自分もクエストを進めるためまずは東エリアのおばあさんの家に向かって歩き始めた。



 マップに示された位置につくとそこはNPCホームだった。普段は入ることができないが、クエストや親密度が上がると入ることができるようだ。


 わたしはさっそくドアをノックして家に入ろうとしていた。



「『コンコンコン』すみませ~ん、クエストボードの依頼の件できました。」



しばらくすると、「は~い、少しお待ちください。」と中から声が聞こえてきた。2分ぐらい待っているとゆっくりと扉があいた。その先には13歳ぐらいの少年と11歳ぐらいの少女が立っていた。



「あの、依頼を受けてくださってありがとうございます。」



 少女は丁寧に頭を下げてあいさつしてきた。



「あんたが依頼を受けたのか?本当に大丈夫なんだろうな?」



 少年は少し不満がありそうな雰囲気だった。



「お兄ちゃん、そんなこと言っちゃだめだよ。せっかく依頼を受けてくださったんだから。」


「ふん。」



 少女は必至に少年をなだめようとしていた。会話から察するにこの二人は兄弟らしい。



「あの、依頼主のおばあさんはどちらにいらっしゃいますか?」



 わたしがそう尋ねると、少女は口を開いた。



「奥の寝室にいらっしゃいます。どうぞこちらへ。」



 わたしは家に上がらせてもらい、奥の寝室へと向かった。



「コンコン、おばあちゃん依頼を受けてくれた人が訪ねてきたよ。」



少女がそう言うと中から声が聞こえてきた。



「入ってもらいなさい。」


 

 おばあちゃんの声を聴いた少女は扉を開けて「どうぞ」といって部屋に入れてくれた。わたしが入った後に少年が入ろうとしたのを少女が止めそのまま少年を連れて行った。室内を見渡すと6畳ぐらいの部屋でベットの上におばあさんは寝ていた。



「依頼をうけてくれたのにこんな格好ですまんのう。」



おばあさんは申し訳なさそうに謝罪してきた。



「いえ、気にしないでください。辛そうですけど大丈夫ですか?」



わたしがそう聞くとおばあさんはすぐに答えてくれた。



「なあに、すこし疲れて寝ているだけじゃ最近仕事が忙しくての」


「どんな仕事をしているのですか?」


「薬師じゃよ、この町で経営しておる。それよりも依頼について説明してもよいかな?」


「はい、大丈夫です。」


「実は、最近孫の調子が悪くての、いつもは元気に働いておるんじゃがこのところ休みが続いておっての、早く元気になってもらうためにポーションの作成を依頼したいんじゃ。本来ならわしが作るんじゃが調子がわるくての?代わりに作ってはくれまいか?」



クエスト 〈孫のために力を・・・〉このクエストを受諾しますか yes/no



わたしはyesを選びクエストを受けた。



「ありがとの、作ってほしいものは<ポーション>じゃそれも回復効果が+30%以上の物じゃそれでは頼むぞ。」




おばあさんはそう言うと寝てしまった。わたしはさっそく家を出てドングラの森に向かった。





 昨日と同じ、採取ポイントに着くまでおよそ40分かかった。途中で出てきたウルフやボアも最初よりも短時間で倒すことができた。さっそく採取を始めた。30分ぐらいすると薬草・痺れ草・解毒草・癒し草を見つけることができた。

ふと、時計を見ると4時を示していた。今日は食事を姉さんが作ってくれることになっていた。



「う~ん、せっかくだからもう少し先に進んでみようかな?」


調合素材も集まっているし街に戻ってもいいのだがここはドングラの森の中心部近くこの先には最深部がありそちらの方に良い素材があるかもしれない。



 わたしは荷物をまとめさらに森の奥へと進んでいった。しばらく進んでいくとゴブリンが2匹歩いていた。ゴブリンは右手に剣を持っている。


わたしは手に剣を取り、ゴブリンに向けて切りかかった。ゴブリンはこちらに気づいていなかったみたいで、先手を取ることに成功した。


ゴブリンは一撃を受け少しよろけたがそのまま切りかかってきた。わたしはその攻撃をかわし水平に薙ぎ払った後右斜め下から切りつけた。



「ぎぃぃぃぃぃぃ」



ゴブリンは悲鳴を上げた。わたしはゴブリンのHPが3割を切ったのを確認しスキル『スラッシュ』を放った。その一撃でゴブリンを倒すことができた。



「うん、ゴブリン2匹位だったら結構余裕が持てるなぁ、これならもう少し奥に行っても大丈夫だよね。」



 わたしは途中に出てくるゴブリンを倒しながら進んでいった。しばらく進んでみると、キレイな泉があった。わたしは泉の方に向かって歩いて行った。泉に到達する前に大きなMOBがいた。



モンスターの名前は【ウルフキャット】だった。【ウルフキャット】はこちらを確認すると鋭い爪でいきなり攻撃をしてきた。わたしはその攻撃をよけきれず、後ろに飛ばされてしまった。



「いったぁ~い!」



 わたしはすぐに体を起こし剣を構え攻撃態勢をとった。【ウルフキャット】は睨みながらじりじりと距離を詰めてきた。距離を保ちつつ反撃の機会をうかがっている。

 


 しばらくにらみ合っていたが、その均衡が崩れた。ウルフキャットが勢いよく牙で噛みついてきた。わたしはその攻撃を剣で弾き、ひるんだところを右下から切り上げた。ウルフキャットが大勢を崩したところにわたしは『スラッシュ』を打ち込みさらにひるませ、再び切りかかった。時々ウルフキャットの攻撃を受けながらも着実にダメージを与えていく、自分のHPが半分以下になったら昨日調合した初心者ポーションを飲みながら戦闘を続けていく。



 50分ぐらいたったころウルフキャットのHPが残り1割となった。すると目の前にメッセージが届いた。剣のスキルレベルが5になりました。スキル『ダブルスラッシュ』を獲得しました。


 わたしはメッセージを確認し一旦距離を取り、HPを回復してから武器を構えなおし、ウルフキャットにむけて切りかかった。



「はあぁぁ~『ダブルスラッシュ』」



 わたしはスキルを発動しウルフキャットに向けてはなった。ウルフキャットは後方まで飛び樹にあたって止まった。ウルフキャットのHPがなくなった。



「や、やっと終わった~!長かった~!」



戦闘開始からおよそ60分わたしは疲れ果ててその場に座り込んだ。目の前にはリザルト画面が出ておりわたしはドロップアイテムを確認した。





<ドロップ一覧>

・上質な毛皮×3

・鋭い牙×4

・鋭い爪×2

・風の霊石




「う~ん、レア素材なのかなぁ?でもどんな効果があるかわからないから取りえず町に戻ってから誰かに聞いてみよ。」



わたしはそう考え町に帰ろうとした。ふと泉の方を見るとセーフティーエリアになっており採取ポイントがあった。わたしは採取ポイントまで行き採取を始めた。


 採取できたのは<泉の水>という調合専用のアイテムだった。



「これはポーションとかの水の代わりに使えないかな?」



 わたしはさっそく試すために水を汲んで調合を始めた。



 最初は上薬草と水でやってみた。するとやはり<苦汁>ができた。今度は水の代わりに泉の水を使って調合した。出来上がったのは<ポーション(高濃度)>だった。高濃度ポーションは使用するとHPとMPがしばらくの間減ってしまうという不良品だった。


この反省を生かしてわたしは上薬草と水と泉の水を混ぜて調合した。するとようやくポーションを作ることに成功した。



「や、やった~!よ、ようやくポーションが完成した‼」


「でもたしかクエストはポーション回復効果が+30%以上だったよね?ってことはまだ品質がたりないか。」


 

 わたしはまた調合を開始した。このゲームで生産するアイテムの品質を上げる方法は二つある一つは素材をより良い状態にすることである。


例として薬草は乾燥させて使用する、素材のランクを上げておく、インゴットなどはなるべく純正の物を使う等である。


もう一つはスキルランクを上げることである。同じ素材であってもスキルランクが低いと品質を上げることが出来ないがレベルが上がることでより良いものを作ることが出来るのだ。


またスキルレベルが上がりより上位のスキルを修得することでも上げることが出来る。



乾燥した上薬草を使うことでポーションの追加効果が+10%になった。わたしはスキルレベルを上げるためその後暫くの間ポーションを作り続けていた。


時間にしておよそ30分がった頃ようやくポーション+30%を作ることが出来た。



「やっと完成した~長かった~。でもこれでスキルレベルも上がったし、クエストもクリアできるからいいことだらけかな。さてそろそろ町に戻りますか。」



わたしは調合に使っていた道具を片付けて少し採取をした後に町に戻り晩御飯を食べるため一旦ログアウトした。










美智留「今日のお出かけ先はどこ?」

瑠理香「すぐ近くの本屋だよ」

美智留「買ったものは新刊ばかりなのね、あらこの本は何?」

瑠理香「ああ、その本はどうやったら2人をゲームから引き離せるかと思って買ってみた」

美智留「ゲーム中毒者からゲームを取り上げる方法?やめなさい、こんなことしてもいい結果は生まれないわよ」

瑠理香「何事も挑戦っていうからね、ちょっとした実験だよこれで辞めるなんて思ってないし」

美智留「まあそうでしょうね、私はゲームが生きがいだからちょっとやそっとじゃ辞めないわよ」

瑠理香「あはは」

皆「皆さんありがとうございました次回の投稿も楽しみにしていてください。」


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