十四話目
ただいま
感想などで
ブラック飲んだのに甘いなどと言った言葉を受けましたので、少しだけ考えました
また、外で読んでたら変な目で見られるとのことなので、そこらへんを考えました
今話は外で読んでいただいて大丈夫です。
むしろバスや電車の中で読んでいただけると嬉しいです
p.s幼馴染はイイぞ〜
「素晴らしい天気だな!」
「さぁ! 今日は飲めや歌えや! 宴の始まりじゃぁ!!」
「みんなー! 元気ー?」
「体はアルコールで出来ている」
「その体は、無限のアルコールでできていた」
「『固有結界 Unlimited alcohol Works』」
色んな人が集まってきた。
賑やかになっていく中、未だに私の膝上で寝ている天川くん。
クラスメイトじゃない人たちも見えるけど、誰かが呼んだのかな?
とりあえず天川くんの頭をなで続ける。
「花見よ、私は帰ってきたぁぁぁぁ!!」
「飯! 酒! 女ぁ!」
「酔っ払いがいないのに既にカオスな件」
「どこにいる天川ぁぁぁ!!」
「どこにいる貴一ぃぃぃ!!」
「昼間だ、どれだけ騒いでも怒られんよ」
誰かが天川くんの名前を呼んでる。
でも絶対に連れて行かせない。
みんなが来る前に、寝てる天川くんにキスとかしてたけど、もう一回だけしておく。
そのときに見えた、首筋のキスマークが私の独占欲を支配する。
やっぱり付けておいて正解だった。
「って、天川くん寝てるじゃん!」
「あれ? あ、本当だ。なんだなんだ天川、若くないな」
「寝てるんだから静かにしてね」
「「あ、はい」」
「起きろ天川ぁぁ!」
「俺たち大人のゴールデンタイムはこれからだぁぁぁぁ!!」
「うぉぉぉぉぉぉ!!!」
「ハーハッハッハッハッ!!!」
「……静かにしないと怒るよ?」
「「「「イエス! マイマスター!」」」」
こういうところを見ると、天川くんってやっぱり人気あったんだ、と実感してしまう。
男女共に人気のあった彼は、隠れファンクラブもあったらしい。
ちなみに人気が爆発したのは体育祭の活躍。
あのときは私もやばかった。
リレーで走って疲れてる天川くんに、水筒とタオルを何度持って行きたかったことか。
10億回以上は思った。
「これが、大人……?」
隣でドン引きしている百合ちゃん。
なにを想像してたのか知らないけど、幻滅してるならあとでフォローしておこう。
「さーゆーきっ」
そこで、後ろから花ちゃんが抱き着いてきた。
この衝撃で天川くんの睡眠を妨害したらどうするのかな?
私だって怒るとは怒るよ。
ぷんぷんだお!
「とりあえず寝てる天川を膝枕してる件は置いておくけど。沙雪は飲まないの?」
「ううん。私は今のところいいよ。それに、みんなで飲んじゃったらから直ぐに無くなるでしょ?」
「いやぁ、それがね。男たちが『宴じゃ宴じゃ!』って言って、各自一万円出して色んなスーパー回って買い漁ったから、お酒はたくさんあるよ」
「……なんでそんなに」
「まあ、天川が誘ったのが大きいだろうね。自分から誘うことってそうそうないタイプだし。それに、クラスではムードメーカー的存在だったから」
「まあ、確かにそうだけど……」
ちなみに私の中では、クラスのムードメーカーではなく、私の王子様。
その王子様は今、私の膝枕でぐっすり。
寝顔が可愛くて鼻と口から血が出そう。
凛々しい姿とは違ったあどけない寝顔が、私の中の母性本能をくすぐる。
ギャップ最高。
「では、天川の親友であるわたくしが、音頭を取らせていただきます」
「いいぞ〜!!」
「よっ、日本一!」
「素敵!」
「抱いて!」
「本日はお日柄もよく、こうしてみんなともう一度再会できたことを──」
「乾杯!」
『乾杯!』
「貴様らぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
すごい。
乾杯と言ってるのに、既に過半数がお酒を飲んでいる。
そういえば、天川くんがお酒を飲んだところ見たことないけど、飲まないのかな?
酔っ払うと性欲が強くなると言うし、いつもみたいに優しくされるのも十二分に気持ちいいんだけど、たまには玩具みたいに扱われたい。
「うちのクラスの奴らは、どうしてこうもうるさいのかなあ……」
「うちのクラスだからだと思うよ」
大学の講義やバイト、仕事で鬱憤が溜まってる人も多いだろうし。
私もやっぱり溜まることもある。
まあその夜には発散されるんだけど。
「まあそれはいいか。それで沙雪、天川とはどこまでイったの?」
「い、いったって、なにが?」
「A.B.Cのこと」
その言い方は古いと思う。
恋のABCだっけ。
「えっと〜……、言わなきゃだめ……?」
「個人的に気になる。高校時代、一筋だった娘が、どこまで勇気出したのかを」
「お、面白いことはないよ……?」
「成人式の二次会で抜け出す時点で面白いと思う」
「え〜っと……、まず。A.B.Cはほぼ毎日してるくらい?」
「待ってまって」
どうかしたんだろう。
おかしいことは言ってないはず。
「毎日って、マジで言ってるの?」
「うん」
ちなみに昨晩はCはしてない。
とりあえず天川くんのモノを口でご奉仕した程度だ。
だから今晩はしようと思う。
「ひ、避妊はしてるんでしょ……?」
「ううん、してないよ?」
何を言うのかな全く。
花ちゃんは私をなんだと思ってるの。
避妊するくらいならシません。
私の愛はそんなに軽くないもん!!
「出来たらどうするの!?」
「シー。天川くん寝てるからもう少し静かに」
「あ、ごめん。いやそうじゃなくて」
「元々、赤ちゃん作る気だったよ。若いうちに産んだほうがいいし」
「いや若すぎだよ。ちゃんと責任取ってくれるの?」
「さあ?」
「いや『さあ?』って……」
「だって、まだ付き合ってすらいないもん」
「え」
花ちゃんが凍りついた。
なにかおかしなこと言ったかな。
でもなんだか、こうして天川くんに膝枕をしていると、すごく甘やかしてみたい。
よくに言う赤ちゃんプレイ。
天川くんがおしゃぶりつけて、私に甘えてきながら『マァマ、おっぱい』なんて言われたら、いっぱい飲ませちゃう。
大きくなぁれ〜大きくなぁれ〜。
ナニをとは言わない。
「まだ付き合ってなかったの?」
「だって、天川くんが私のことどう思ってるか分からないもん」
「あぁ、うん。そっか。ちなみになにか頼みごとをしたら?」
「引き受けてくれる」
「朝から講義があった場合、送迎は?」
「駅までしてくれる。帰りも駅に着くのと会社の帰りが被った場合は待っててくれる」
「ちなみに何分待ってくれるの?」
「最大で一時間。それ以降は一旦家に帰って、時間になったら迎えに来てくれる」
「大好きじゃん!!」
突然の大声にびっくりした。
ていうかさっきも言ったけど、大声出すと天川くんが起きる可能性があるから辞めてほしい。
MK5になってしまう。
マジでキレた5秒後。
「沙雪が告白したら、一発OKだと思うよ」
「そうだったらいいんだけどね……」
「なにか不安なの?」
「不安というか、儚い恋というか……」
家で百合ちゃんへの態度を見ると一目瞭然だ。
シスコンと言ってもいいかもしれない。
ていうか百合ちゃんも、あんな王子様なお兄ちゃんを見ていたら、目が肥えて、クラスの男の子とか何一つトキメキが現れないんじゃ……。
とりあえず百合ちゃんへの日頃の接し方を話す。
「……というわけなんだけど」
「シスコンだ」
開口一番。
やっぱりそうだよね。
どうせなら、私のことを大好きになってほしい。
沙雪コンプレックス。
略してサユコンだよ!
……ないね。
「ん……」
「あ、起きちゃった?」
「あや……、せ……?」
少しだけ瞼を開けたままの天川くん。
撫でていた手を止めて、おでこに手を当てる。
「ぐっすり眠れた?」
「……ぁぁ、そっか」
なにかを思い出した天川くん。
天川くん可愛い天川くん可愛い。
「ずっと、膝枕してくれてたんだ。ありがとう」
「ううん、好きでしてたことだから」
そういえば、さっきまで隣にいた百合ちゃんはどこに行ったんだろう。
みんなに混ざったのかな?
「ああ、なるほど。道理で幸せな夢だと思ったら、枕が良かったんだな」
言いながら、おでこに当てた私の手を取り、頬に当てる天川くん。
というかいきなりそうやって褒められると、心臓に悪いから手加減してほしい。
「とりあえず綾瀬」
「んー? なぁに?」
「おはよう」
「うん、おはよう」
笑う天川くんと同じように、朝の挨拶をして嬉しく感じた私も、笑いながら返した。
「……なんでこれで不安に思うんだろう」
花ちゃんがなにか言ってたけど、天川くんに夢中になってたので、何を言ったのか聞こえなかった。
☆☆☆☆
「んで、これはどういう状況?」
上体を起こし、周りを見ての感想。
どんちゃん騒ぎとはこういうことだろうか。
「みんな、天川くんが寝てる間に飲み始めちゃったんだ」
「ああ、なるほど」
丁寧に教えてくれる綾瀬良い子過ぎる。
百合もいないし。
まあ百合はコミュ力も高いし、クラスメイトたちも、いい意味で頭のおかしい連中だ。
大丈夫だろう。
「んでとなりの人は誰」
「んー? 私の友達の花ちゃんだよ?」
「はじめまして」
「いや中学のとき一緒のクラスだったじゃん!」
記憶にない。
「綾瀬は向こうに行かなくていいの?」
「ううん。私は天川くんと一緒にいるよ」
「そっか。じゃあ、今起きたばかりだからもう少しこのままでいさせて」
「うん、いいよ」
綾瀬は笑顔で引き受けてくれて、優しく頭も撫で始めた。
落ち着く。
甘えられるのもいいけど、甘えるのも結構いいかもしれない。
「……私はみんなに合流するよ」
綾瀬の友達は静かに離れて行った。
「花ちゃん、どうかしたのかな?」
「さあ? まあこっちよりも向こうのほうが楽しそうだからじゃ?」
「ふーん、そっか」
「だから今は、二人でゆっくりしよう」
「うん、そうだね」
そんな長閑な時間が、少しだけ流れたとき、
「おっ? 起きたか天川ぁぁぁぁ!!」
「お前も参加しろぉぉぉ!!!」
酔っぱらいに気付かれ、しぶしぶ綾瀬と離れた。
☆☆☆☆
「天川くん、お風呂空いたよ?」
「ん。了解」
飲み会が終わり、夜を迎えた。
百合も母さんも風呂に入り、あとは俺と綾瀬が残っている。
「それじゃ、お風呂入るか」
「うん、そうだね」
綾瀬と一緒に向かう。
洗面所で服を脱ぎ、綾瀬が脱ぎ終わるのを待ってから中へ。
「今日は疲れた天川くんに、私からご奉仕するね?」
「え?」
シャワーを使い、軽く椅子を流す綾瀬。
そして、ぽんぽんと叩く。
「ここ座って?」
「お、おう」
椅子に座ると、綾瀬がシャワーを当ててくる。
「頭洗うねー」
☆☆☆☆
ゆっくりとシャワーを動かし、先ずは軽く天川くんの頭を流す。
それから、シャンプーを使い頭皮を洗う。
「痒いところはありませんかー?」
「ないよー」
十分に泡が行き届いたら、泡を流してトリートメントを。
そして、手にボディソープを入れて、天川くんの体を素手で洗う。
「よいしょ」
筋肉のある肌が、何よりも安心する。
肌と肌で触れ合うことが、こんなにも幸せなことだなんて知らなかった。
やっぱり成人式のとき、酔った勢いでホテルに連れ込んで正解だった。
逆レイプ万歳。
「まずは背中から」
ボディソープを胸に垂らして、天川くんの背中に当てる。
結構な頻度でしていることだけど、先端がこすれて気持ちよかったり。
「んっ……」
背中を洗ってからは、天川くんの腕を胸の中に入れる。
ゆっくりと動かしながら、じっくりと洗っていく。
好きな人にこうやって触れ合うことが、何よりも幸せで気持ちいいのだ。
「えいっ」
両腕を洗ってから、後ろから天川くんの背中に抱きつく。
「おわっ!?」
驚きの声をあげるが、そんなのお構いなしだ。
優しくこすりながら、きれいにしていく。
もう、限界だった。
「ねぇ、天川くん。天川くん特製のお酒、私に飲ませて?」
このあとめちゃくちゃ飲んだ。
☆☆☆☆
「んっー!! やっぱり一緒に入るお風呂はいいね」
「ああ、そうだな」
結局、綾瀬にお酒を注ぎ込み、一から洗い直しになったあと(各自で洗った)、一緒に湯船へと浸かる。
「ねぇ、天川くん」
「んー?」
「ずっと、こんな日が続けばいいね」
「……そうだな」
綾瀬の告白が、なんだかプロポーズみたいで、ぶっきらぼうな返事しか出来なかった。
考えました(考えただけ)
ちょっと終わりが雑なのは、ずっと書いてたら一生更新できなくなりそうと感じたので、ほぼ強制で終わらせました。
できる限りの違和感は除きましたが、そこは目を瞑っていただけると嬉しいです
混浴って素敵