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0章 ≪勇者の夢≫
眼前には、黄金に輝く三ツ首の龍の群れ。
手には、大人の背丈ほどある大剣。その柄には虹色の宝石が埋め込まれている。
大剣は大気を焼き切らんほどの炎を上げていた。
振るう、ただその炎の大剣を振るう。
龍ともあろう魔物たちが切り裂かれ次々と倒れていく。
後方の龍が吐き出す火球を、炎をもって制す。
何事もなかったかのように前へと踏み出す。
倒せども倒せども、湧き出る龍たちに臆することなく戦い続ける。
守らなければいけない…ただその一心に。
————そう、俺は勇者だ。