うさぎ餅
『黒歴史確定その二』
無邪気に頬張る少女カワイイよね
兎を手に持っていた。
白くふわふわとしていて可愛らしく、手が少し汚れる事もあまりの可愛さに全く気にならない。
ずっと我慢していた。でも、もう、限界。
「耳、もぎ取っていいよね?」
一人そんな事を呟いてからゆっくりと、もぎ取る事を楽しむ様にゆっくりと引きちぎっていく。少女の目はらんらんと輝き、とても幸せそうに口角を上げている。
耳を無くした兎は、やはりピクリとも動かない。
それを口の中に入れて咀嚼する。
飲み込んだそれは、少女にとっては非常に甘味で美味だった。
"もっと欲しい"と思う理由には充分だろう。
兎はもう、そこにない。あるのは兎の外側の白いものぐらいだろうか。
少し散らばっているのが見えたものの、風が吹いてもう見えなくなってしまった。
全て、食べてしまった。
黒くトロトロしているものが口いっぱいに広がり、少女はその味を舌で転がし、嬉々とする。
机の隅にあるゴミを見ると
『うさぎ餅』
第三者から見ると無慈悲に見えなくもない兎餅の食べ方も、少女がすれば可愛く見えるね