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僕の楔

僕は大学一年でかわりばえのしない生活を送っていた。高校3年で勉強してた頃は

「大学生は人生で一番楽しい時期だ。だから今くらい勉強も我慢してやれ!」

担任の先生はそんなことを言っていた。

一番楽しい時期?これが?なにをふざけたことを!全くあいつらには上手いこと騙されてしまったと、苦虫を潰したような顔をしていた。大学で講義のあと電車で家まで通い、家に帰ったらアニメやゲームをして時間が過ぎるのを待ち寝る。思い返したら悲しくなってきた。僕はこんな毎日を望んでいるのか?望むはずかない!しかしなにをすればいいのかわからない。分かってもまた逃げる理由を探してはそこに飛びついて行くだろう。そんなことを考えながら、たまにはいつも降りない駅で降りてみよう。これが精一杯の平凡への抵抗だ。駅の人混みと、街の人混みとでいろんな人が通り過ぎる。みんな最後はそうなるのかな。変な恐怖がおそう。こういう時僕はすぐに死んだ後の世界をイメージする。もし死んだ後の世界がないなら、今しかないなら、今の僕はどうなんだろう?そして電車をおり駅前で何か楽器の音が聞こえた。無意識に引き寄せられる足。ふとかおを上げた瞬間、そこにはアコースティックギター片手に路上で弾き語りをしてる人がいた。その人の前にはCDも置いてある。どうやらこの人は加賀美というらしい。それにしてもいい音色で心地よい。アコースティックギターの優しい音が心に届き、歯切れの良い音がそれをまた奥に突き込んでくる。そういえば小学生の時に文集でミュージシャンになりたいなんて書いたなと思い出した。僕は今どんな目をしているのだろう?きっとあの頃は目の前でギターを弾いてる人のような目をしていたんだろう。

(.......踏み出したい。..けどこわい。)

「才能なんかと怖がる君なら才能のない挑戦者の君のがかっこいいよ。」

そんな歌詞を歌っている。

その瞬間僕の中で何かが弾けた。

やって見よう!

そう心に誓いを立て、走った。どこな行くかわからない。だけど走る。走る。今はまだ前だけ見てればいい。背後の音を残していく。

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