「死のゲーム」
私は歩きながら、さっきの仮面の男の最後の言葉が気になっていた。
(健闘を祈る、ってどういうことだろう?)
それに、どうして仮面をしないといけないのかな?
ますますわからない。
ドンッ
考え事をしていたら、人とぶつかっちゃった!
「ご、ごめんなさい!!」
「いえ、貴方こそ大丈夫ですか?」
この人も仮面をつけてる……。
違う。この人だけじゃない。
ここにいる人全員が仮面をつけてるんだ。
「本当に大丈夫ですか?」
「あ、はい。大丈夫です!」
なんて優しい男の人なんだろう?
スーツを着てる。20後半くらいかな?
「ああ、それなら良かった。」
そう言うと、男の人は人ごみの中に消えてしまった。
「君、どうしてここにいるの?」
後ろから声がした気がした。
でも、振り向いても誰もいない。
あの声は気のせい?
しばらくして、部屋の明かりが消えた。
その代わりにステージが明るくなる。
そして、ステージに降ろされるテレビが勝手に映る。
あ、このテレビの中の人は、この部屋の中に入る前に話した仮面の人だ。
『ようこそ、皆様。私が考えた暇潰しのゲームへ。』
暇潰しの、ゲーム?
『ここにお集まりの皆様は、同じです。この世界がつまらないとお思いの方だけが集められました。』
そういえば、あの時もこの人は同じことを言ってたいた。
『そこで、この世界がつまらないとお思いの皆様のために、私はあるゲームを考えました。その名も……死のゲームです。』
死の……ゲーム。
それって、どういう意味?
『皆様には名前通り、命をかけたゲームをしてもらいます。』
「……は、はは。そんなくだらないゲーム、やるわけねーだろ。」
そう言うと、一人のチャラチャラした男は扉に手をかけた。
ガチャ
「あ、あれ?」
ガチャガチャ
「開かねーぞ?どうなってんだ!?」
『その扉は全てのゲームが終了したら、開く仕掛けになっています。』
え、嘘……?
私達、閉じ込められたっていうこと?
『ゲームのルールは簡単です。まず、皆さんにはカードを引いてもらいます。』
黒いドレスを着た女の人達が出てきたかと思うと、それぞれの人の前に立つ。
私の前にはゆるふわロングの女の人が来た。
女の人は、ババ抜きのように5枚のカードを差し出した。
私はその中から、真ん中のカードを引く。
『それでは皆様。カードをご覧ください。』
そう言われ、カードを覗く。
JOKER
絵柄は大きな鎌を持ったドクロ―――死神
『皆様には5つのグループに別れてもらいました。ハート、スペード、クローバー、ダイヤ。そして、ジョーカー。』