順番
掲載日:2026/03/19
私だけだと思っていた。
もう一人いたことに安堵した自分がいる。
先に連れて行かれたのはあの子。
半ば引きずられるようにして、別室に消えた。
しばらくして聞こえてくるのは、
鞭が体に叩きつけられる音と、くぐもった声。
それがだんだん、悲鳴へと変わっていく。
「次はちゃんとやるからっ!
だから許して!
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
恐怖に震える。
次は私の番だと、逃げられないと、絶望が襲う。
永遠にも思える時間が過ぎ、
あの子が部屋から出てきた。
俯き、足取りはフラフラで、
顔にはぐちゃぐちゃに泣いた跡。
上半身は服ではなく、バスタオルで隠していた。
「あなたもお仕置されないと不公平だよね?
だからちゃんと苦しんで。
服の上からじゃだめなんだよ?
下着の一枚まで、全部脱がなきゃ」
すれ違いざま、呟かれる。
気のせいだと思った。
思いたかった。
でも――
もう、逃げられない。




