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夢代行さん

作者: ないまぜ
掲載日:2026/01/19


ねぇ、夢代行さん。私は行ったことのない土地に行って、普通に生活していたら味わえないような体験がしてみたいのだけれど、それはちょっと私には危険すぎるかもしれないの。


安心して、僕が君の代わりに、行ったことのない土地に行って、普通に生活していたら味わえないような体験をしてくるよ。君はそれを映画館で見てくれればいい。


ありがとう夢代行さん。そうするね。


ねぇ、夢代行さん。私はミュージシャンになって、世界中の人たちの心を熱く震わせたいのだけれど、どうやら私には音楽の才能がないみたいなの。


安心して、僕が君の代わりに、ミュージシャンになって、世界中の人たちの心を熱く震わせてあげるよ。君はそれをライブホールで見てくれればいい。


ありがとう夢代行さん。そうするね。


ねぇ、夢代行さん。私は寝る間を惜しんで、たくさんのゲームを楽しみたいのだけれど、仕事が忙しすぎてほとんどゲームがプレイできないの。


安心して。僕が君の代わりに、寝る間を惜しんで、たくさんのゲームを楽しむよ。君はそれを配信サイトで見てくれればいい。


ありがとう夢代行さん。そうするね。


ねぇ、夢代行さん。私は気の合う仲間たちと一緒に過ごして、一緒に笑ったり泣いたりしたいのだけれど、社会では本当に仲間と呼べるような人がいなかったり、心の内側にある感情を外に出すことがみっともないとされる風潮があったりするの。


安心して。僕が君の代わりに、気の合う仲間たちと一緒に過ごして、一緒に笑ったり泣いたりするよ。君はそれを小説や漫画で見てくれればいい。


ありがとう夢代行さん。そうするね。


ありがとう夢代行さん。


ありがとう。


これで私は、夢では無かった仕事をして、夢のような映画を見て、夢のような音楽を聴いて、夢のような配信を見て、夢のような小説や漫画を読むだけの毎日が送れるよ。


ありがとう夢代行さん。


――おかげで、私の心臓がまだ動いているのか、

私にはもう、わからないんだ。


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