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イコク  作者: 小谷 冷
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その4「北の国から」

 修学旅行最終日、私たちは空港へ向かった。バスガイドさんの話は相変わらずであったが、聞いてみようという気持ちが生まれた。今日の天気は曇り、雪が降りそうである。飛んでいる鳥たちは同じ方向に移動している。雪が降ることを予感しているのか。

 私たちが空港へ到着したころにはやっぱり雪が降っていた。雪はどんどん強くなり、地面の雪は絨毯のようにフカフカしていた。人工の絨毯に飛び込むクラスメイトも少なくはなかった。

 空港でも私と田中は一緒に行動した。私たちは空港でお土産を買っていた。店には見たことないものも多い。ものの値段が高騰しているから、そんなに多くのものを買うことはできなかったが、できるだけいろいろ買ってみたかった。

 昼ごはんはラーメンを食べた。美味しいラーメンだった。私たちの住む地域にもラーメンはあるが、ここのは格別であった。あっという間に食べてしまった。飛行機に乗り込む前に田中とは別れた。再び1人行動となった。

 飛行機に乗り込んだ。窓側に座った私はまた窓の外を眺めた。外は雪景色。ここへ来たときと全く変わらない景色。しかし何か違った。何かを得ることができた。田中は他の友達と座っている。あの人が何を考えているのか完全に理解できたわけではない。だが、初めて他人について考えることができた。私たちを乗せた飛行機は動き始めた。そして離陸した。機体は上昇していき、雲の中へと入っていった。雲を出るともう北の国は見えない。私たちはこの地での経験を胸にそっとしまい、北の国から私たちの住む地へと帰る。私はそんなこと考えながら安心して眠りについた。

 本日で『イコク』の話は完結しました。読んでいただき誠にありがとうございます。様々な表現から「私」の心情の変化を感じていただけると幸いです。初めての作家活動であったこともあり、そんなに長い話を作ろうとは思っていませんでしたが、ご好評であればもう少し長い話にも挑戦してみたいと思います。感想をぜひいただきたいです。引き続きよろしくお願いします。

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