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イコク  作者: 小谷 冷
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その2「それは雪だから」

 修学旅行2日目。今日はスキー体験。

 当然、私はスキーの経験はない。体育が苦手であった私にとってこれは特に嫌なイベントであった。いくつかのグループに分かれて活動を行うが、当然私は孤立する。インストラクターは優しく教えてくれたが、運動音痴の私は全く上達しない。心の中では早く終わってほしいと思うが、そんなことも言えるはずがない。ただ黙って活動をこなすことが今の私にできる精一杯のことだった。

 グループの他の生徒はどんどんと上達するが、私の上達の兆しはない。そこに、私と同じクラスの田中が話しかけてきた。田中は私と同じく運動が苦手だった。さらに勉強も苦手であったから、私と馬が合う訳もない。しかし今日初めて話しかけられた。

「お前、スキーは下手か。何でもできると思ったのに。」

少し頭にきた。馬鹿にされている気がした。しかし自分ができていないことは事実であるから、言い返すことはできない。

「僕は運動苦手だから仕方がない。」

こんなことぐらいしか言えない。とりあえずその場から逃げようと考えているとまた話しかけてきた。

「転けるけど全然痛くないよな。すごいね。」

それはそうだ。それは雪だから。地面は雪で覆われているのだから痛くないのは当たり前だ。こんなわかりきったことを発言する思考回路が私には理解できなかった。私はその場から逃げるように去った。

 今日は雪は降っていなかった。代わりに寒波が私を襲った。寒さが肌から体全体をツンと突き抜けるようであった。

 田中に対して勝手に劣等感を抱いていた私は、1人で練習した。しかし全く上達しない。やがて、雪が降り始めた。天気は悪くなる可能性があったので、この日の練習は終了した。夕食は昨日とあまり変わらない。田中は他の同級生と仲良く話していた。内心は複雑であったが、スキーは思った以上に疲れるものであった。私はあっという間に寝てしまった。

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