421.再びミュス王討伐
とりまあったことを話そうとクランチャットを開いたところで半蔵門線が話し出した。
半蔵門線:
各サーバーで獅子座の神様がお告げをしたらしいでござるよ。
もっとミュスを狩れ、第六都市は闇に堕ちたという話でござるね。
八海山:
スレ、確認した。
うちのサーバーは特に、かな?
ピロリ:
下水道ダンジョン開いているところには来てないとか?
半蔵門線:
いや、来たらしいでござるよ。獅子座の宝珠持っている、ちょうど始まりの平原にいたプレイヤーが複数確認したとか。
セツナ:
うちのサーバーは俺が今、聞いた!
ソーダ:
セツナwww
確認したいから、ログ寄越せ。ちょっと、クランハウスに帰ってこい。
セツナ:
えーっ、もうちょっとしたら貸本屋開店時間なのにー。
ソーダ:
ログ寄越したら行っていいから、帰っていらっしゃい!
お母さんに怒られたから行きます。仕方ない。
クランハウスへ向かうと、みんな揃っていた。
パーティーがぽいっと飛んでくる。
『一応ミュス関連だしな。まあみんな表で言ってそうだけど』
『ログ、送っておいたから確認よろしく』
今日は会議が多いこと。今度は案山子もいて、そうなると二階のテラスのテーブルでご飯になる。
『新作多いのじゃ』
『エルフの師匠が山の幸海の幸どっさりご飯教えてくれる!!』
案山子は相変わらず料理道を突き進んでいるらしい。美味しいものくれるからありがたい。
『ミュス大行進来そうで怖いなあ』
『俺発狂する』
『いや、みんな発狂するんだよ……ここ数ヶ月平和だったから』
ミュス大行進イベントは本当に大変らしい。
『どこの鯖も言われてるんだよなあ……なんでだ?』
その日は事情聴取だけで終わったので、すぐアンジェリーナさんの元に向かった。ゆったり空間で本を読んで繰らす生活を守りたい。ミュス、死すべきっ!!
『結論として、ミュス王始末してないからだろうって話』
ログインをしたソーダが言う。半蔵門線も頷いていた。
なんでも掲示板でかなり激しく討論会になったらしい。ゲームで遊ぶのをミュスに潰されるのはみんなが嫌がっていた。
『ミュス王が地味に強い。ただ、時間で消えるからミュス王が出たら逃げて放置が地下下水道のやり方になってたんだ。ここしばらく、このサーバーでもミュス王は倒してなかったらしい。てことで、ミュス王倒すためにアライアンス組んで行くことにした』
本日のメンバー。いつものメンバーだな。
蒼炎、ロジック、深淵の有志。
『ネズミ嫌いが多くてさ』
とは漆黒のジラフさん。俺もね、嫌いだよ、ネズミ。リアルの方は別として。リアルのハムちゃんは可愛いよね。動画とか見たら時間溶けるやつ。
『ミュスは可愛くないですからね!』
今日の俺はやる気だ。
『とりあえずクランであちこちに散って、ミュス王が出たら集まるようにします。アライアンス組んでいるので騒がしかったらクランチャット併用してください』
と、ロジックの猫じゃらしが仕切っていた。
見かけ可愛い猫獣人小さめ少年なのに、ロジックのリーダーに対しては厳しい子。
とにかく乱獲してボスを引きずり出すということになった。
それなら、俺はダガーの方がいいな。
『セツナ、飛び出しすぎ』
『でもあそこにもミュス溜まりが……』
『つうか、セツナの方にミュス寄っていく気がするんだけどなんで?』
『せっちゃん愛されてるぅ!』
『お断りぃ!!』
アンジェリーナさん以外ノーサンキューですよっ!!
でも、久しぶりのミュスの大群に、とても気分がいい。やっぱり細剣だそうかな? 串刺し公になろうかな?
右手のダガーでミュスの首筋を突き刺しているとき左手はすでに次のミュスを捕まえているんですよ。それくらいの速さでミュスが集まって……集まってきてるな。
『え、ちょっとマジでなんなんだろうこれ』
『反対にこっちにミュスおらんよ?』
『全然ミュスに会えないですぅー』
『一回、マスターのところに集まろうか』
えー、いや……本当にミュスが押し寄せてくるのでうちのクランメンバーも大忙し。
『あ、南から来る人は私の【フロストサークル】に突っ込まないように注意なのじゃ』
『北からは俺っちの【メテオレイン】が降り注いでおりますッ!』
『通れねえじゃねえかよ!!』
ダインのごもっともな雄叫び。
それでも合間をぬってみんなが集まってきた。
『このエリアのミュス全部ここに来てそうなんだけど?』
ジラフの言葉に注目が寄せられるのは……もちろん俺。
『えー、あー? あれかな、これ』
と、取り出したりますはミュスの宝珠!!
今日ミュス王狩るっていうし、持ってきてみたんだよね。普段と違うのはこれくらい。
つまりさ、始まりの平原ならこれ持って、木魔法でオークでも育ててたら自動ミュス狩り木になるってことかな。便利。
『最初にミュス王倒したときに出たやつ』
『あー、どっかのサーバーでミュス王初狩りしたやつももらってたな。それ以降はまだ出てないっていうか、ミュス王強すぎるからあんまりみんな積極的に狩らない』
『ミュスの宝珠、ミュスを引き寄せる効果があったのかもしれぬのじゃ』
なんて言っていると、ミュスが急にざっと逃げていった。
『おお? お出ましか?』
その途端溢れるバフたち。
『タンク前に。セツナ、スキル止めて』
「あいよ、【氷付与】」
いやー便利なスキルを教えてもらったものです。第八都市には足を向けて眠れないね!!
ちょうど俺たちがいたあたりは下水道の中でも開けた場所だった。
そこを決戦の地としよう。
ミュスは一つの方向に逃げていった。そちらの角からのそりと現れた大きなネズミ。
「ちぇすとぉぉぉぉぉ」
「セツナ!! ステイ! ハウス! 薄氷してっ!」
「【薄氷】」
スキルが封じられて何やらオコなミュス王。ざまあ!!
短い足をびったんびったんしているので、そこへみんなが全力を叩き込んだ。
ミュス王は頑丈な上に素早い。スキルを止められても動きは速いし爪で攻撃してあの歯でかじられる。さらにそこへ闇属性のデバフをまいたりしていたのだが、スキルが封じられてこういった攻撃威力が半減した。
この人数、先行クランたち。物理火力大なロジック・ロジカル。ミュスの王と言えどもひとたまりもなかったようだ。
ミュス王は即死。
『やっぱりそのスキル封じ最高だなあ』
『反則なのですぅ』
『ただ、当たり判定狭そうだね。前方へ、腰よりも上って感じだ』
『小さなモンスターはかすらないかもしれませんね』
蒼炎メンバーがめちゃくちゃチェック入れてきていた。
『ドロップは相変わらず尻尾と歯と爪か。そのミュスの宝珠はレアドロップなんだろうな。一回目は確定とかで』
『これ持って第六都市行ったら、ハーメルンの笛吹き男できそう』
『やめろ、捕まるだろう』
確かに。
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誤字脱字報告も助かります。
ミュス王の宝珠は、セツナ君にとっていいものなのか悪いものなのか……どうなんでしょうね。




