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貸本屋のお姉さんに気に入られるために俺は今日も本を読む  作者: 鈴埜


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419/421

419.闇の魔物の地図

 堕落した、はキーワードだと思う。

 闇の魔物のキーワード。しかもボス的なもの。


「堕落したというのはいったいどういうことなんでしょう? 少し前に同じような名前の魔物に会いました」

「何!? どこで、どんな魔物だ!?」


 てことで今まで見かけた堕落した系魔物を説明する。レイスダンジョンのとか、トレジャーダンジョンの裏とか。


「ほうほうほうほう」

 ガリガリ言わせながら紙に一心不乱に何か書いている。研究家さんだ~。

 さらに立ち上がり、世界地図にピンを打っていた。


 あ……俺の世界地図にもピン打たれてる。おおー、何やら世界の謎系な予感。


「来訪者のスキルは本当に羨ましい。我々にはないものだ。大切にするといい。そしてほら、これを見てくれ」


 そういってコーネリアスさんはテーブルの上の本やらなにやらをざっと床へたたき落とすと、壁にあった地図をテーブルに広げた。本、を粗末に扱うのはだめーっ! 俺は落とされた本をキャッチしてわきへ移動した。


「闇の魔物の中に特別なものが混じっていることに気づいたのがこの二百年ほどだ」

 なげえな、スパンが。さすが長命種。


「その特別な魔物の近くには必ず闇の魔物たちが他より多く棲みついている。つまり、闇属性の魔物が多い場所にはこの特別な個体が多くいるんだ」

「そいつが『堕落した』という名を冠していたら、ってことですね」


 円形になっているこの世界。聖地を中心に十に分割されている。

 俺が見つけたのはアランブレ近海と、イェーメールのアスター家の領地だ。そして、コーネリアスさんが見つけているのがいくつか。第七にも第八にもある。第十一都市は調べられていなかったがたぶん、ドワーフの土地で調べにくかったのかな?


「この地図が赤く塗ってあるところは何ですか?」

「ん、ああ。ミュスの奴らを見かけたところに塗っていったら全土だったって話だよ」


 ミュスはほぼ全域に広がっている。


「ミュス殲滅作戦を展開せねばならぬのか……」

「そのような無駄なことをするでない。それよりも、訪れることがあったらこの強い個体を【鑑定】してはくれまいか?」

「ああ、『堕落した』と名前があるかどうかですね。了解しました。これ、写してもいいですか?」

「もちろんだ」


 許可を得ると、俺の地図に自動的にポイントが書き加えられた。


《隠しクエスト 『堕落した』闇の魔物を探せ》

《この世界はミュスで溢れている。話はすべて聞かれていると思うがいい》


 おおお……隠しだ。隠しってついてるの。そしてたぶん、オープンで話してたらミュスに察知されちゃう系。

 えーどうしよっかなあ。


 とりあえずクランメンバーはOKなんだろうな。クランチャットとか。


「手始めに、第八都市のこのあたりに行ってみるのがいいだろう。獣人の領地だからな、来訪者だから大丈夫だとは思うが、ヒューマンタイプの君は何か困ったことになるかもしれない。十分気をつけてな。そうそう、ついでだがこの手紙を届けてはくれまいか? 彼は動物研究家なんだ魔物ではない動物を昔から研究していてね」


《第八都市ウォンロンの位置情報が公開されました》


 わーい。すでに公開されてるんだけどね。やっぱりみんなメインは早く済ませる模様。


 それでは失礼いたします、とお邪魔しようと思ったが、そういえば聞いてみたいことがあった。


「お隣の第六都市なんですけど、ミュスを保護していて、あれってどうなってるんでしょうね?」

「ああ……あれは私らみたいなのからしたら恐ろしくて仕方ないな」


 コーネリアスさんが暗い顔をした。


「ゆゆしき事態だが、領地の経営は領主に任される。介入するとしたら領民に何か重大なことが起こったときだろう。もちろん話をしようとはしているだろうがね。隣の都市があんな状態なのはこちらも不安なのだ。何よりミュスは病を運んでくるからな。来訪者がおもいきり何かやってくれないかと思ってるんだがね」

 チラってされた。

 何かって、なんだろう?

 でも残念、俺は無理っ!


「今第六都市出禁なんで……」

「出禁!?」

「指名手配? ミュスを反射的に始末したら、捕まりそうになって逃亡中です」


 きょとんとして、次の瞬間大爆笑された。


 いやまあ、自分でも笑っちゃうけども。これでも命からがら……からがら? 逃げてきたんですよ!


「だって、街をちょろちょろ歩いてるんですよ? そりゃ、身体反応しちゃうでしょう」

「ひどいな。街中で剣を抜くってのも問題じゃないか?」

「人に当てるようなことなんてしませんよ」


 ひとしきり笑って落ち着いたあと、きりっと真面目そうな顔をしようと努力して失敗していた。


「まあ、第六都市の現状が知れてよかったよ。なかなか地元民じゃ手が出せない領域だからな。相手は貴族。他領の貴族に第七都市からは何も言えん。できるのは、支援くらいだな」


 ぼそりと、最後が付け加えられていた。

 俺は……聞かなかったことにしてお暇を告げる。


「それでは、第八都市の方にきちんとお届けしますんで。もう少し先になると思いますが」

「おう、あっちの方の進捗もたまに教えに来てくれ」

「了解しました」


 さてー、色々と色々と、情報が大津波だ。



セツナ:

なんかいっぱい起こった。


ソーダ:

お前の周り起こりすぎなんだよ!!


セツナ:

ちなみにこの会話、オープンチャット禁止ね。ミュスに聞かれる。


柚子:

せっちゃんとうとうそんな妄想まで……


セツナ:

妄想でなく。なんか、運営アナウンスで忠告された。


ピロリ:

セツナくんどこにどうなにに関わってるのよ!


八海山:

ゆっくり話しを聞こうか。



 クランハウスに集まれるメンバーだけでとりあえず話をすることになる。

 後でまとめてクランチャットに貼り付けようということで、パーティー会話に。


『メイン進めてたんだけど、みんなってどんな感じ?』

『ああ、ソールさんから預かったミトさんのノートを持ってコーネリアスさんちに行った。ソウトゥースオークの実のキャラメル和えを持って行かなくちゃならなくなって、作ったら家に入れてくれた』

『そうそう。耳聞こえてなくないでしょって感じ。で、次は獣人の動物研究家に会いに行けってね。ミュスが闇の魔物で、預言書が消えたことに関わっているかもしれないって』


 おお、なんかちょっと違うんだな。


『ちなみに第五都市では?』

『第六都市を通って行けばいいって言われてたでござるね。まあ、あんな状態になってしまったでござるから、空路からとなったでござる』


『俺はそれプラスたぶんミュス関連があるから、ミュスの分布と地図をもらって、例の『堕落した』って話をして~、今まで『堕落した』ってついた魔物を見たことがあるって話したら、闇の魔物が多く集まる場所に強い個体がいるから、それが『堕落した』の名を冠しているやつじゃないか? って。それを確かめてほしいって地図を渡された後に、ミュスが監視してるから話は全部聞かれるぞって言われた』


『全然知らねえルート始まってるなあ!』


『ちなみに隠しクエスト。堕落した闇の魔物を探せ、が来てる』


『おおお! すごいな。ミュスルートかな?』

『闇の魔物とか『堕落した』は本からも拾えるから、それを知ってたらいけるんじゃないか? 『堕落した』のキーワードで引けた感じがする。【鑑定】があるとなお良し』


『案山子に本読ませて突っ込ませてみようか。その辺りの話はまた検証してから。えーでもその闇の魔物捜し楽しそうだな』

『ね! 行きましょうよ~モンスターバリバリ狩りましょうよ~』

『闇属性なら結構やれるしな』

 退魔師いいねえ!


『写本師も面白くなってきたしね』

 面白く?


ブックマーク、評価、いいね、感想、ありがとうございます。

誤字脱字報告も助かります。


盛り上がってまいりました!!

な感じでセツナ君がミュスルートで無双中です。

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― 新着の感想 ―
ネズミ(ミュス)が病を運んでくるってペストみたいで戦慄 第六都市疫病蔓延からのミュス贔屓で情報隠蔽とかしたら……:( ;´꒳`;):ヒェッ
大きな存在の端末みたいな設定なのかな?ミュスって。
更新ありがとうございます。 次も楽しみにしています。 ミュスは闇の斥候役、対策考えないと。 第5都市って何かありましたっけ? っと、思ったら前のメインクエスト関連でしたか
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