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貸本屋のお姉さんに気に入られるために俺は今日も本を読む  作者: 鈴埜


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405/421

405.四人でヒューマンクエストへ

 紅茶でいいかなと言われて頷いた俺に、ウォルトはソウトゥースオークの実入りキャラメルも一緒に出してくれた。


「セツナ君たちが採ってきてくれているおかげで少し価格が下がってきたんだよ。ありがとうね」

「本当に、エルフに大人気なんですね」

「そうだね。昔から人気があるけど採取が厳しいからなあ。ご褒美的に食べていたね」


 奥の部屋というのは作業部屋とはまた別のキッチンだった。


「ほら、約束しただろう? 例のアンジェリーナとの旅行仕事。その話がしたくてさ」

 き、きたああああ!


「もうアンジェリーナには依頼してあるんだけど、そこまで急ぎではないんだ。その方が、セツナ君も時間を合わせて一緒に行けるかなとね」

「ありがとうございます!!」

「行き先はファンルーアだから、イェーメールから飛行船かな」

「うれしぃ!!」

「ま、頑張って。内容はあそこの領主の屋敷での修復だよ。ファンルーアにも修復師はいるんだけどさ、セツナ君もあったことあるだろ? 彼も仕事はできるけどちょっともう一つの方の仕事で忙しい上に、今回の仕事がかなり難しい部類なんだよね。アンジェリーナかオルロの仕事なんだが、お爺ちゃんに移動を強いるのは可哀想だし、セツナ君にも仕事は見せておいた方がいいよって言っておいたから」

 感謝感激雨あられだ。


「ウォルトさんて……できる男ですね」

「そうだよ、知らなかった?」

 笑ってる。

 俺も笑う。


「それでだ。たぶんここら辺の素材が必要だと思うんだ」

 すっと紙切れを渡される。素材の名前と入手方法が書かれていた。


「アンジェリーナはセツナ君に採ってきて欲しいと相談すると思うけど、先に持ってたらポイント稼げるんじゃない?」


 俺はこの人を誤解していた!! めっちゃいい人じゃんかー!


 これでもかと言うほど感謝の言葉を述べて、そのまま読書。ログアウトからのログインだ。


「よし、準備万端。タパパ君に出会わないようにイェーメールから行くか」

 クランハウスにいた八海山にポータルを出してもらう。

 いや、現れるならあいつはどこからでも現れるとは思うけどね。


「ちなみに、来訪者ヒューマンタイプ数名で突撃してもOKまでは情報を得たけど、それ以上は知らないわ。その方が楽しいでしょう」

「拙者もスレ見ずでござるね」

「俺は本は読んできた。海関係調べてたら渦の迷宮の向こうにお宝があるって話があった。新しいダンジョンかも」

 これにはピロリが大喜びだった。


「ダンジョンの先のお宝とか楽しいわよね~」

「渦の迷宮かあ。ギミック系かな」


 ポータルに乗る間際八海山に手を振ると、わんこが手を振り返してくれた。これからレイスダンジョンに行くらしい。なんでも退魔の書弐が出たせいか、レイスダンジョンにさらに深部ができたそうだ。

 基本どんな職でもソロで戦えるようにしているのがこのゲームだ。退魔師がレベル上げできるようにしてくれているのだろう。


 イェーメールからはぎょろちゃんの出番だ。


『ほんと、すっかりなついてるわね~』

 ぎょろちゃんがモンスターを舌先に引っかけて俺のところに持ってくるのだ。


『みんなだって可愛がってるし』

 俺だけじゃないんだよ。

 半蔵門線は相変わらず立って腕組みで走ってるし、それに合わせてお馬ちゃんがひひーんとかいちいちポーズとったりしてくれてる。すごい相性がよさそう。


『そろそろ赤水晶を採りに行かないとな』

『前は隙間時間を見つけていたでござるが、新しい街がこう連続して開くとクエストに忙しいでござるから』

『クランでがーっと採りに行くかぁ』


 次のクラン狩りが決まった。


 そんなこんなで断崖絶壁を渡りきり、階段を降りて入水。


『みんな水泳パンツ持ってるの!?』

『俺は買った。海が出て来た時点で買った』

 なんか無難な白と赤のサーフパンツなソーダ。髪色に合わせたか。


『拙者にはふんどしがとか言ったら凍らせるでござるよ』

 海入るときは忍者装束を脱ぐ、ウルフカットな本当はイケメン半蔵門線。でもサーフパンツは黒でした。


 そしてピロリだ。


『可愛いでしょうっ! 可愛いでしょう!! もうずっと前から持ってたわよ!』

『普段がすでに水着みたいなもんだからなあ……なんとも思わない』

『他の可愛い子が着ていたら違うでござるが、ピロリ殿は中身が二重になって見えるでござるから不気味なだけでござる』

 半蔵門線のひどい台詞に憤慨するピロリと、激しく同意するソーダ。


 俺も年末にピロリ(本体)に会ったので、そう言われるとペパーミントグリーンと藍色の水着にあのイケメンの顔が重なる……。水着の形はよくわかりません。普段の格好と変わりがないんだが。


『中身の話は御法度よっ!!』

『今更でござるよ』


 文句を言いながらも海の底に向かう。

 ソーダがいるので鎖が全部埋まっていた。俺と半蔵門線は【潜水】を持っているので二人が息継ぎに行く間も引っ張ってようやく出てきた。


 海底の扉。

 一度息継ぎに海面に上る。


『扉が開いたら俺先に行くよ。二人は息継ぎし直して来た方がいいよ』

 半蔵門線と俺は【水泳】も持っている。


 鎖の先の扉は、筋力振りまくりのピロリがいたので難なく開いた。それはもう、すいっとね。

 向こう側にももちろん海水があり、俺は先陣を切って泳ぎだした。


『あ、わりとすぐ息継ぎできる』

 どぶんと潜って、入って行ったはいいが、すぐ横に階段が現れた。

 一段高くなっている脇道と、その横を深い水路が通っている感じだ。道の方に上がってしまえばいい。


 道はコンクリートに見える素材でできていた。それがずっと続いている。

 三人とも階段を上ってきて辺りを見回す。


『壁の光ってるのなんだろう』

『照明代わりにしているようでござるが……』

 すかさず【鑑定】。青白い壁の石は『光石の結晶』とあった。『光石の欠片は太陽光を吸収させ使うが、結晶は自ら輝き続けるのだ』だそうです。


『光石の結晶だって』

『欲しいなあ。クランハウスの外に置いておきたい』

『きゃー、それいい! 絶対綺麗じゃない。ちょっとこれ採れないのかしら』

 ツルハシを取り出して頑張り出すピロリ。だが、無理なようだった。


『跳ね返され方が技量が足りないからじゃなくて、システム的に許しませんって拒否されているでござるよ』

『残念。どこかで見つけたらクランハウスの明かりにしましょうよ。夜綺麗よ、きっと』


 ピロリの欲しいものがまた増えた。

ブックマーク、評価、いいね、感想、ありがとうございます。

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海のなかにご案内です!!


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更新ありがとうございます。 次も楽しみにしています。 タパパくん、置いていくんだ
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