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貸本屋のお姉さんに気に入られるために俺は今日も本を読む  作者: 鈴埜


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400/413

400.【番外編】緊急事態発生!ポーラの花粉地獄!!1

滅せよおおおお!!!


やつを、やつを滅せよおおお!!!!


今日は症状ひどすぎて、花粉休暇したよ!!!

 ログインする前に公式をチェックする。

 うん、普段から心がけていることだ。普段からね。よかった今回ちゃんと見てて。

 何やら新しい突発イベントのようだ。

 

《近年まれにみるポーラの花粉量に、コーララ草が不足しています。このままではご高齢の方や子どもが酷い症状に襲われ、最悪亡くなってしまいます》

《協力してこの状況を打破しましょう》


 コーララ草って、ヤーラ婆だよなと思いつつ、俺はログイン。


 第七都市のクランハウス。ロフトベッドから起き上がる。外に広がるのは青い海、しろ……しろい……あれ、黄色い空?


 慌てて部屋を飛び出して外へ。


「ふぁっっくしゅん!」

 ふぁっ!?


 ステータスウインドウを開くと、デバフ。

 デバフ……花粉、症、だと?



ソーダ:

これはww ひどいww ふぁっww


八海山:

なぜリアルでもゲームでも悩まされねばならぬのか。


ピロリ:

いやーん、スキルがくしゃみで阻害されるぅうぅぅ!!



 クランチャットも阿鼻叫喚だ。


 はっ!? アンジェリーナさん!?


『アンジェリーナさん!! 体調大丈夫ですか?』

 思わずハトメールを飛ばすが、同時にアランブレへ移動。さらに飛び出し、くしゃみを一つ。


 返事より俺のダッシュの方が早かった。

 貸本屋の扉を開けると、中には赤い目をしたアンジェリーナさんがいた。


「セツナ君、いらっしゃ……くしゅん」

 くしゃみすらも可愛いとかもう、隙がない!! 可愛いで溢れてる!


「大丈夫ですか?? えっと、薬ですよね。何が必要なんだろう!?」

 わたわたする俺に、アンジェリーナさんは微笑みかける。


「私は大丈夫よ。それよりもお年寄りの方が心配ね。こんなことになるなんて……ポーラの花に何かあったのかしら」

「ポーラの花、花粉ですよね。それってヤーラさんに採ってくるのを頼まれた、コーララ草で作るやつ」

「ええ、そうなのよ。こんなに花粉が飛ぶことなんて今までなかったんだけれど。症状もお年寄りの方がひどい咳で呼吸がしにくくなるというのが多かったの……くしゅん」


 デバフ花粉症。

 恐ろしい響きに寒気が這い上がってくる。


「お年寄りだけじゃなくて、街の人みんなに影響が出ているんですよね。これはもう、ポーラの花をどうにかするしかないレベル……」

「確かに、元々ポーラの花粉で症状に苦しむ人はいたけれど、コーララ草で対策はできていたし、ここまでのことにはなっていなかったの。今回はいったい何が起こったのかしら……」

「花本体に何かあったとみるべきですよね。ポーラの花ってどのあたりに生えているんですか?」

「ううんと、ちょっと待ってね」


 そう言ってアンジェリーナさんはカウンターから地図を持ってきてくれた。

 あ、マップが生えてる。立体になっております。たぶん、入りきらなかったんだな。特設会場だ。


 コーララ山脈より東側、イェーメール側だ。


「もし行くなら十分気をつけてね。……火魔法はあまりよくないと聞いたわ。何かの本で見たの」

「草なのに? よく燃えそうですけど」

「どれだったかしら、ちょっと調べてみるわね。見つけたら連絡するわ」


 師弟チャットがくる!! それはそれで楽しみだった。



セツナ:

今回も手順とかあるのー?

花の場所はアンジェリーナさんに教えてもらったよ!


ソーダ:

今探ってるとこなんだけどなあ。

特に情報が得られない。おつかい系じゃなさそうだ。


ピロリ:

とりあえず特攻してみようって話になっている感じね。

デバフの具合もどうなるか見てみないと。


案山子:

【鑑定】するところからかなッ!


半蔵門線:

拙者これから凸するでござる~他にもプレイヤーがちらほらしてるでござるね。


セツナ:

えー、俺も見てみたい。行っていい?



 【鑑定】あるしね!!

 てことでぎょろちゃんに乗ってダッシュしました。ダッシュとそぐわないぎょろちゃんの飛行スタイルだけど。気持ちはダッシュした。


 言われていた地点で半蔵門線が手を振っている。


「参上!!」

「お疲れ様でござ、へっぷし」

「さすが本拠地、デバフすごっへっくしゅ!」

 デバフも度合いがあるのだ。アランブレは弱だったけど、ここは強になってるよ。


「くしゃみでスキルが中断されるのが困りものでござるね」

 つまり瞬間的に発動できるものや、付与した剣などのはいい。詠唱時間が長いものやモーションが必要なものは上手く発動できない可能性がある。


『まあ、ささっと偵察に行くでござる』

『らじゃーっ!』

 俺と半蔵門線なら危険な場面に出くわしたところで逃げ出すこともできる。

 ということで特設マップにご招待。大気が、黄色づいている。


『リアルなら発狂ものでござるね~』

『はあああ……』


 ポーラの花は普通に可愛い花だった。背の高い木にピンク色の小さな花が咲いているのだ。しかも葉と花が同時だから、桜の木のような感じではない。キンモクセイが近いかもしれない。スギのような雄株雌株方式ではなさそうだ。すべての花にピンクの花が咲いていた。

 見てくれはとても可愛らしい木だ。高さはそれなり、二階建ての家くらい。


「【鑑定】」

 ふむふむ。ポーラの木だそう。花粉は咳症状を引き起こす。現在異常状態。とのこと。

 異常状態?


「とつげきぃー!!」


 俺と半蔵門線が死地へゆっくりと踏み込んで行き、奥へ奥へと進む中、後からきたプレイヤーが木に向かって剣を抜いて走っていった。


 そして木へ剣を振るおうとするが、あ……剣が負けてる。


「手ぇしびれた……」

 剣を取り落として地面にへたり込んでる。


『そんなに硬いでござる?』

 てことで俺たちも叩いてみるのだが、まー、かたいかたい。手がびりびりっとなった。俺はダガーで挑戦したんだ。細剣(レイピア)折れそうだわ。


『これは、木を切り倒すじゃだめでござるね……』

『ダメというか、無理っすね』


「物理効かないの~!?」

「切り倒すが解決策じゃないのかあ」


 周囲の突撃プレイヤーたちも同じことを思ったらしい。

 そして、物理がダメなら魔法。

 手のしびれにもだえてるプレイヤーを見て女性プレイヤーが前に出る。


「スクロールでぜーんぶ燃やせばいいんだわ」

 そう言ったのは見たことのある人だった。

 盾役と大剣が彼女の後ろに控えている。そう、お久しぶりの三人組さん。聖地以来かな。


 向こうもこちらに気づいたのだろう。

 にやりと笑って【持ち物】から取り出したスクロールを広げ、破った。お高いという噂のスクロールを、惜しげもなく。現れる赤い円陣。見たことがあるこれは、案山子お得意の【メテオストーム】だ。


『あ……』

 俺はアンジェリーナさんの言葉を思い出す。

 同時に、目の端でメール着信のランプが点いた。


 ボンッと衝撃を受けたと思ったら……ここはどこだ。

 ここは……始まりの街。アランブレの冒険者ギルドだ。



半蔵門線:

死に戻りでござるぅ~!!


セツナ:

えええええ……。


ピロリ:

そんな強いの出たの!?



 いや、これは多分。

 アンジェリーナさんのメールを確認する。


『セツナくん、本を見つけたわ。火は厳禁ですって。細かい花粉が大気中に散っていて、火が点くとあたり全体が燃え上がるそうよ』


 粉塵爆発!?


ブックマーク、評価、いいね、感想、ありがとうございます。

誤字脱字報告も助かります。


タイミングバッチリで我ながら笑いました。

あと、思いついたのが花粉が集まれば粉塵爆発が!!からだったのですが、すでにリアルでやった狂人(褒めてます)がYouTubeにいらっしゃいました。

実験やるのに山用意したり、花粉にさらされ顔が腫れてたり、あっぱれすぎた!!


気になったら、花粉、粉塵爆発でけんさくだ★

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― 新着の感想 ―
花粉塵爆発なんてあるんだ……
タイムリーにそのYouTubeをみたところだったので、めちゃくちゃ笑いました
400話おめでとうございます! これからも執筆よろしくお願いします!
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