384.リベンジ風輪の層
今回のクエストは【鑑定】持ち用と結論づけられたらしい。例の枝を【鑑定】して持って帰ってくるところから始まるという。効果はエルフ全体の好感度ではないかと囁かれているそう。
事実心なしか道行くエルフが挨拶をしてくる回数が増えたように感じる。
『人の街じゃこんな反応の変化なかったな』
『アランブレでクエスト受注しまくってるからじゃないか?』
『あー、初期なんてクエスト見つけたらぶつかりに行くもんね~』
このエルフの街ではみんな浜辺に夢中だったそうだ。
あと、ハマドリュアスバブーンとの戦いをこなせるのがまだそういない。二体以上出会うとなかなかに危険で、森を進み続けられるパーティーがあまり存在しない。
中堅の上位くらいまでだそうで、エルフの街の反応が変わっているというソースがいうほど出ていなかった。
他サーバーも似たり寄ったりらしい。
『さ、みんな覚悟はいいかー?』
『おうっ!』
今日は蒼炎、ロジックと一緒に風輪の層再挑戦だ。リアル時間一週間はあっという間に過ぎ去り、今日は最終日。なかなか確信が持てなかったということで後回しになっていたが、次、風輪の層から入れるのは多分今日までだろうということでギリギリの挑戦となったのだ。
リアル時間一週間で消えてしまうから、そうなったら多分一階から。だるまさんが転んだは地味に時間を食う。
アライアンスを組んでぞろぞろと蜃気楼の楼閣にお邪魔する。
《前回の続き 風輪の層 から挑戦しますか?》
イエスで!!
すると再び何もない部屋に。
《風を感じ、風とともにあれ》
《風を感じ、風とともに去れ》
《風から身を守り、風に委ねよ》
カラフルな雷とともにアナウンスが響く。
そして地面が緑の花で咲き乱れる。
『風に委ねよだ!』
ソーダから指示が飛ぶ。
『身を任せって感じだな』
ダインが両手を広げて……タ○タニックかな?
『逆らうなってことですね』
黒豆も両手を広げて風を受ける体勢をとる。
すると、前回と同じように風に身体を持っていかれるのだが、塔の外に吹き飛ばそうといった感じは見られず、ぐるぐると四層の中を飛ばされるのだ。
しばらくみんなで恐怖の風乗りをしていたが、雷の音とともに花の色が変わる。
黄色だ。
『風から身を守る!』
ソーダの指示にそれぞれが守る体勢をとる。
『実際どう守るのかわからんが』
八海山は身体を丸めて床に身をかがめていた。
『でもこれが一番守ってる体勢なのじゃよ~』
隣で柚子も丸まってる。体格差がすごくて、大きい丸と小さい丸だ。
自分たちのものだけでなく、他の配信者の動画も検討した結果、ソーダがきっとこうだろうという仮説を導き出した。
最初のアナウンスが流れているとき、カラフルな雷が鳴っていた。
《風とともにあれ》の時には青。
《風とともに去れ》の時には赤。
《風から身を守り》の時には黄色。
《風に委ねよ》の時には緑。
そして床に咲き乱れる花の色がそれに対応しているのではないかと。
俺たちは一つ目で吹き飛ばされたから黄色しか知らなかったが、他の到達した人たちの動画を見比べて、他の色から始まるときも見つけたそうだ。
アナウンスの言うとおりに進めてみようということになったのだが、言葉が抽象過ぎてちょっと正解がわからないのだ。
それでも緑と黄色はクリアできた。
事実俺たちは塔の外に吹き飛ばされていない。
『青! 《風とともにあれ》だ。風が吹く方向に歩いていけ』
今まで縦横無尽に吹き荒れていた風が、青の時は一方から吹いてくる。赤と青がなかなかどう解釈するかが難しかった。黒豆も動画を研究していたらしく、この青パターンの動画では風の吹く向きがあることに気づいたという。わりとすぐルール違反になり、嵐のようになってしまい、外に吹き飛ばされるので気づけなかったそうだ。そして、《風とともにあれ》は、身を委ねるというわけではなく同じ方に向かうのかもしれないという話になった。
『彼女に寄り添うみたいなものよね。同じ方を向いて歩こうみたいな★』
追い風状態で歩くと……なんと塔の縁まであと少し。
『危険が危ないでござる~』
壁がない第四層、このままだと外へ落ちてしまう。
『だけどさっ! 身を委ねてたときは落ちなかったし、今もルール外した感じはしないから、そのまま歩こうぜっ!』
ダインの言葉に確かにと納得する。
前回は委ねられなかった。風が吹いたら飛ばされないように逆らうのが普通だ。そしてルール違反を犯した俺たちは思いきり塔の外に吹き飛ばされたのだ。
ちょっとダインの言葉を信じてそのまま追い風になるようにだけ気をつけて歩いていると、空中に飛び出しました。
『高所恐怖症者を殺すイベント……』
蒼炎の女性が震えながら歩いている。あ……黒豆が手を繋いであげてるの。他のメンバーはそれに文句を言うわけでもなかった。ほ、ほう……あれがハーレムクラン。
外に出るが風に押されてぐるっと回り、塔の中に戻ってくる。
その後も青、黄色、緑を順番に繰り返し、とうとう一番謎な赤がやってきた。
『赤だ!』
『風とともに去りぬッ!』
『去ってはないのじゃ、去りなさいと言われてるのじゃ』
どこに去るのか?
他の風輪の層にチャレンジした人たちも、赤は出てこなかったそうだ。動画には出てこなかった。
『わわわぁでござるぅー!!』
半蔵門線が吹き飛ばされた。
あ、と思っている間に俺も飛ばされる。
『ちくしょー失敗かっ!』
『やーですぅ~』
『赤が出たらアウトってこと!?』
ぶおんと塔の外に吹き飛ばされ……おお?
前回は気づけば入り口前だった。しかし今回はそのまま上に向かう。
そして、楼閣の上の階の窓にぽいっとされた。
『おおお!? 到達した!?』
《空輪の層 到達せし者たちへの褒美の層》
アナウンスとともに、目の前にぴろりんとウインドウが開く。
《無事楼閣を制覇せし者に対する報酬を選んでください》
並んだのは宝珠だ。キリン座とかこうま座とか、テーブルさん座って何!?
それぞれちょっとしたステータスプラス効果のものばかりだった。
俺は、筋力は問題なし。十分だろう。素早さも結構上げている。知力だな。知力。【知識の泉】で上げているとはいえ、もう少しお勉強をしようと散々言われているのだ。ちょっと幸運値も気になるが。
ということでろくぶんぎ座の宝珠をもらった。選んだ瞬間塔の入り口へ移動した。
ブックマーク、評価、いいね、感想、ありがとうございます。
誤字脱字報告も助かります。
もう気づいてる人もいるかもしれないが、
『微睡みの上に花は咲く~大規模異世界転移、掲示板つき~』
https://ncode.syosetu.com/n6753le/
番外編が来たどーっ!!!
完結したからブクマ外した人もいるかもしれないからねっ!
リクエストしておいたよ。エリーク目線からのアスルを!!
褒めてっ!
あと、たぶんルビ抜かしても、100万文字超えたと思います。
長々とお付き合いいただきありがとうございます。
これからものんびりやってまいります。
次はまた日曜更新です。




