カタログ入手?
よろしくお願いします
「悪は滅びて霧となす!そこの貴方達!覚悟おしっ」
私が微笑みながら目の前で線の細い男子生徒を寄ってたかっていたぶっていた悪餓鬼供に叫ぶと同時に、左右から石が飛んでくるのが見えた。右腕をかすり、『いたっ』と痛みを感じると同時に脳内に様々な情報が流れ込んできた。
あれ?こ、このシーンは『サグリナ学園死闘篇ー貴方の為にドキドキがとまらないっ』の序盤だわ。ん?何故知ってるのかしら?次は左アッパーが飛んでくるわね、下に屈んで避け、な?な!ワタシ主人公の侯爵令嬢ジュリアになってる?
私は侯爵令嬢ジュリア現在は齢十三歳、たった今前世の記憶が流れ込んできた。過去、私は日本という国の受験生だった。大学受験も終えて、卒業式を迎えた後、交通事故で死んでしまったらしい。
このザグリナ国のある世界では貴族の女性は主に13歳から15歳まで学院で勉強し、卒業した後は女性は婚約者がいれば結婚し、王女や王太子妃の女官になるべく城に入るものや研究のため魔法省、文官試験をうけて文官見習いになるという進路がある、
我が目標は魔法省であり、そこに至るまでドキドキハラハラの学園生活をする物語。それが『サグリナ学園死闘篇ー貴方の為にドキドキがとまらないっ』であった。
服を見ると学校ジャージを着て茶色の短髪ウィッグを被り、元の金髪はウィッグの中にしまっていた。伊達眼鏡を着け泥で顔を汚す事で女子生徒とわからない様にしていた為、気にされずに殴られようとされているらしい。
私が見つめる先にいるのは、今はいたぶられている線の細い男子生徒であり今後仲間となるジンと、更には学園にもたらされた眠らされる薬を巡って暗躍する土魔法学フカデール教授に雇われる数人の悪餓鬼男子生徒達のうちの3人がいた。
左に右に避けながら1人目ボディーに拳を打ち込み気絶させ、2人目足を引っ掛け転ばした後、やはりボディーに一発打ち込み気絶させる。最後の1人の右頬からパンチが見事にヒットして二メートルは飛んでからの下からのアッパー。
近くにいた生徒に先生を呼んでもらい私はさっさと立ち去った。
そして翌日の朝である。
今私の隣の席に座り潤んだ瞳で見つめる男子生徒がひとり。
「ジュリアさん、昨日はありがとう。なんでも言って?僕なんでもするからねっ。」
「ありがとう。お気持ちだけで十分でございますわ。」
何故か昨夜助けたのが私だとバレてしまったようである。
◇ ◇ ◇
時は二時間前に戻る。
毎年裏庭の掃除が年に一回美化委員に回ってくるが、今日は、たまたま風邪で休む人が多く、それでも3人ほど集まって掃除を終わらせて、2人にゴミ捨てを頼み、1人物置き小屋に箒とチリトリを纏めて置いて立ち去ろうとした時に足元に雑誌が落ちているのを見つけた。ついでにゴミ捨て場に捨てにいって終わりましたと他の人と報告に行こうかな?と手に取った際に雑誌ではなくカタログ通販と書いた黒い書籍であるのに気がついた。
中を開くと
『ドキドキショッピング』
「ドキドキするとポイントがたまります。ポイントが貯まるとポイント数に合わせてカタログにある商品が交換可能です。小さなドキドキで少しずつ。大きなドキドキで沢山のポイントを貯めましょう。」
と表紙を開けた1P目に書いてあり右下に認証ボタンがついていたので、私はポチっと押してしまった。
だってそこにボタンがあったら押すと思うの。
『認識完了』
の文字が現れ「初回特典」の伊達メガネと鬘を手に入れた‥‥らしい。記憶によるとそうだ。
すんっ
と手の上に2品が現れたのだ。
裏庭を伊達メガネと鬘を装着し、歩いていると男子生徒をいたぶる3人組に出会い。現在に至る。
☆☆☆☆☆
いつものように朝、各講義毎の教室に向かうのだが、今日は文学Ⅰがある。
今年は必修授業が
歴史 数学Ⅰ 文学Ⅰ 第二言語Ⅰ 錬金術Ⅰ 魔法学 これらは週に3コマずつある。ちなみに1コマは1時限60分授業である。
選択では悩んだが剣術 ダンス 音楽 から1科目なので、所謂パーティーで使う社交ダンスのようなものなので、ダンスと剣術は家庭教師に頼めばよいかな?と音楽を選択した。これは週に2コマある。他には家庭科と召喚魔法Ⅰ 魔石合成Ⅰがそれぞれ1コマとってある。
授業は週に5日あり、1日3時間授業が午前午後は2時間がある教授の合格を貰えばその授業は単位習得で一年を終了も可能である。
そして今、必修の文学Ⅰの授業の講義室で席に座って隣に昨日助けたジン君が嬉しそうに座り。嬉しそうに見つめてくるのだ。
そして
「ジュリアさん、昨日はありがとう。なんでも言って?僕なんでもするからねっ。」
そう言われてバレてしまった?とドキドキが止まりません。
ピコン『 ドキドキP 100P』追加。
ポイントが加算された瞬間であった。
のんびり書いてきます。よろしくお願いします。