表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

03 冒頭のシーンにつながる



 月日が流れて、乙女ゲーム本編の開始。華麗なる学園生活が始まりを告げる!

 その時期出会ったもう一人の転生者、攻略対象のナンパ少年と(友人として)仲良くなった私は、悪役令嬢イベントをことごとくつぶしてまわっていた。


 ヒロインを虐めたりしないように、ヒロインの恋を邪魔したりしないように、それはもう隅から隅まで気を使った。


 ヒロインの方は、順調に先輩キャラとの仲を進展させていた。


 恋っていいよね。


 時々手を握ったり、抱きしめたり、抱きしめられたりしているのを見た。


 だから私の視線の先には、(見かけ上は)青春を謳歌する少年少女の光景しかなかった。


 けれど、問題なのが学校の地下に封じられたラスボス。


 隠し攻略対象である、邪神の存在だ。


 ゲームの邪神は、心が弱っている学園の生徒に語りかけて、自分の封印を解こうとしていた。


 乙女ゲームでその役は悪役令嬢がこなしていたが、今の私にその声は聞こえない。


 だから、他の生徒がやってしまわないかひやひやしていたのだ。


 もしかしたら改変によって、イベントが起きなくなってしまったのでは、それならラッキーと思いかけた頃に、まさかのポメラニアン登場だ。


 過去私達が育てていた子犬ポメラニアンが川から生還!


 生き延びたけれど、心が弱っていたポメラニアンに付け込んだ邪神が、あれこれ語りかけて、封印を解除させた。(動物と話せる便利攻略対象が、教えてくれた)

 

 で、自由に行動するために、邪神がそのポメラニアンの体をのっとったというのが、冒頭のシーンまでの流れだった。


「キャン、キャン、キャン! グルルルルゥ!」


 邪神と化した子犬は巨大化。

 狂暴になっていて暴れまわる。

 襲われた生徒達は大パニックだ。


 登場人物補正で、運動神経がずば抜けている私達、悪役令嬢やヒロイン、攻略対象者くらいしか太刀打ちできなかった。


 え? 意外と多い。


 乙女ゲームのストーリーなんだから、そんなもんよ。


 でも、さすが登場人物。


 息の合った連携をみせながら、苦労して弱点を見つけて、気絶させ、ヒロインが主人公パワーで邪神の孤独な心を癒して事なきを得た。


 これで、一件落着ね!


 ん? 何か忘れてるような。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ