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01　どうしてこうなった

　俺の目の前で、悪役令嬢と主人公が息を合わせて、戦っていた。

　乙女ゲームの世界で、悪役令嬢と主人公が仲良くなることは少なくない。

　悪役令嬢に転生したけど、主人公と仲良くなってバッドエンド回避。

　なんて話はよくあった。

　けれど、悪役令嬢が主人公と仲良くなった挙句、二人で協力してイベントこなすなんて誰が想像できる。

「おい、悪役令嬢さんよ、他の生徒は避難させといたぞ」

「あっそう。よく頑張ったわね」

「こんな非常事態の中、死ぬ気で走り回ったんだぞ！　もっと褒めてくれよ！？」

　ともかく、それらのもろもろは置いといて、悪役令嬢とヒロインが退治している「それ」を見た。

　それはもふもふの生き物。

　ふわふわの毛並みとつぶらな瞳が、愛嬌たっぷりだった。

　そのもふもふ生物は、この世界では幻獣と呼ばれるているけれど、元の世界では珍しくもなんともなかった動物、ポメラニアンだった。

　ラスボスである邪神が悪役令嬢に乗りうつらなかったから、他に何かに乗りうつるだろうとおもっていたけれど。なぜこのチョイスにしたし。

――どうして、こうなった