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果てなき航路を進む為に  作者: 高災禍=1
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第008話 『ザ・異世界部屋』

よろしくお願いします

 という訳で宿へとたどり着いたレナ達。宿に入り一旦、受付の人に話し掛けてみることにした。


 「すまないのじゃが、レナという名前で何か聞いてないかの?」


 そんな話をすると、受付の人は奥へ誰かを呼びに行ったらしい。

 少し時間が経ち、奥から女性が出てきた。何故かお母さんみたいな印象を抱く。その人はこちらと目が合うと、小走りに駆けてきた。


 「レナさんですね?」

 「そうじゃ」

 「私は、この宿を経営しているユーラです。今から、お部屋に案内させて頂きます」

 「よろしく頼むぞよ」


 こうして部屋に向かう訳だが、何か気付いたようにユーラは話し掛けてきた。


 「そういえば、部屋割りはどうしますか?」

 「一人部屋を……」

 「二人部屋でお願いします」


 レナは少し驚いた顔をしたが、『しょうがない』とあきらめた様子だった。何か理由があるのだと思ったからだ。こうしてレナ達は、自分達の部屋へと向かったのだった。



 ある扉の前に立つとユーラは、こちらに振り返って言った。


 「こちらがお客様のお部屋となっています。夕飯は下の食堂で食べる事ができます。では、ごゆっくりとお過ごし下さい」


 部屋の中は、ザ・異世界といった感じの内装だった。ただベットが二つある事にレナは、深く感謝をした。ユーラが戻った後、レティシアは不意に話し掛けてきた。


 「さっきは無理言って、申し訳ありません」

 「まぁ、構わないぞよ」

 「ですが……」

 「何か理由が有ったのじゃろう、問題はないぞよ」


 秘密は、無理に喋るものではない。しかしレナ自身は、スタイルの良い女性と同じ部屋で過ごすので十分休む事はできそうもない。ただその思いは、顔に出さずに胸の奥に仕舞うことにした。


 「さぁ、良い時間となったわけじゃが夕飯を食いに行くぞよ」

 「了解しました」


 そんなレティシアのは、少しだけホッとした表情をしていた。



 食堂に来た訳だが、他の客はそこそこに空白が目立つように座っていた。何処にしようかと悩んでいる最中だったが、最近耳にした声が聞こえてきた。


 「お~い、レナさ~ん」


 声のした方を見ると、少し前に助けた冒険者が呼んでいた。如何やらこちらに食事のお誘いをしているようだ。レナ達は、断る理由もないので、夕飯をご一緒することにした。


 「此処の食事は、温かいぞよ」

 「だろう。此処の食事は、丹精込めて作っているらしいんだ」

 「成程のぅ」


 こんな他愛のない話をしているとユウキは、食事のお誘いをした理由を話した。


 「命を助けて貰ったが、俺達は何も恩を返せなかった。だから何かないか聞く事にしたんだ」

 「宿に泊まれたので、もう十分じゃが……」

 「「そこを何とか」」


 レナは、渡り船だと思い、ある事を聞いた。


 「ここ数年、この国で目立った事は無いかの?」

 「あぁ、この村を南に向かうと『ファースト』という大きな町があるんだ。その町が十年前ぐらいにできたらしくて、急激に成長しているんだ」

 「ほぅ、その町の領主は何という名じゃ?」

 「メルキア様です」


 レナは、その話に合点がいった。

 彼は、多分元プレイヤーだろう。しかも彼の名前は、レナがいたギルドの参謀と同じだった。加えてやり口が似ている。

 ちなみにレナは、そのギルドの副団長をしていた。


 「懐かしい名を聞いたのぅ」

 「えっ、知り合いですか?」

 「聞かん方が身の為ぞよ」


 レナはこれで満足と思ったが、ユウキ達はまだ恩を返せていないと言ってきた。そこでレナは、『十分じゃ』とゴリ押すことで何とか終わらせることにした。





 

ありがとうございました。

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