第007話 『威圧ゥ』
よろしくお願いします。
そうこうして村の近くにレナ達は来た訳だが、村の入り口が十分見える辺りで二人組の人達が走ってきた。装備を見る限り、村の見張り役だろうか。そしてその人たちは、ユウキ達に話し掛けてきた。
「お前達、大丈夫だったか?」
「あぁ、何とか……」
走ってきた人達は、ユウキ達と話し込んでいる。その人達の話を聞く限り、親しい間柄のようだ。ふと見張り役の一人がこちらに話し掛けてきた。
「君たちは、一体誰なんだい?」
「レナじゃ」
「レティシアです」
その人は疑問に思いつつ、会話を続けてきた。が、その前にユウキがその人に話し掛けた。如何やらユウキは、森で出会った事を話しているようだ。そしてその話が終わった後、もう一度話し掛けてきた。
「話を聞いたんだけど、ありがとう」
そう言って、頭を下げた。レナ達は疑問に思っていると、
「説明がまだだったね。彼らには、この村の病気を治す為の薬草を取りに行って貰っていたんだ」
……という事らしい。そして話をまた話続けた。
「あとユウキさん達に聞いたんだけど、その要求は村で受させて貰えないだろうか?」
「構わないぞよ」
「ありがとう、一日で構わないだろうか」
「同様じゃ」
要求を受ける相手が変わったが問題ないと判断したレナは、そう答えた。あと一日云々に関しては、立ち寄っただけなのでそこも問題ない。
「あぁ、宿なんだが『翠淵の宿』でお願いするよ」
そう言って、一枚の紙切れを渡してきた。如何やら宿への地図らしい。
「では、これで失礼するぞよ」
「失礼します」
こうしてレナ達は、その場を後にした。後ろから「レナちゃ~ん」と聞こえる叫び声を無視して。
♦ ♦ ♦ ♦
宿に向かう途中、レナはレティシアに話し掛けた。
「そういえばじゃが、先に冒険用品を買っておくぞよ」
「了解しました」
近くの人に聞いてみた限りでは、その手の店は少し行った先の店しか無いらしい。こうして二人は、寄り道をすることにした。
少し経った後に店を訪れた訳だが、店には人の姿が見えないのだ。レナは、声を掛けてみた。
「すまんのじゃー!」
そう言ったら、奥から大柄な男が出てきた。何故か威圧的な雰囲気を纏っている。そして大柄の男が話掛けてきた。
「お前さん等は、客か?」
「客じゃ」
少し経った後、威圧的な雰囲気を解いたみたいだ。
「ほぅ、ならいい」
「そう言えばじゃが、何故威圧的な雰囲気を纏っていたのじゃ?」
大柄な男は、少し罰が悪そうに、
「ユウキ君って知っているだろう」
「知っているぞよ」
「あの人達に憧れて、町を出る人が増えたんだ」
「それで死ぬ人が増えたじゃと?」
正解と少し寂しそうにうなずいた。多分、顔見知りの人も居たのだろう。
「すまんのぅ」
「いや、構わない。それで何を買いに来たんだい?」
「そうじゃのぅ……」
こうして二人は、一通りの冒険用品を揃えたのだった。
ありがとうございました。