第002話 『突入する少し前』
どうぞよろしくお願い致します。
自分のキャラクターは、火力こそあるものの安定力が足りない。死ぬか分からない以上、安定力は大切だろう。ならば、やる事は一つしかない。
「我が従僕たる従者よ、我が意に応え馳せ参じれ」
従者を呼び出す事だ。火力面では少し劣るものの、しっかりとした安定感を出すことができる頼もしい者である。魔法陣が輝き、その者が姿を現す。
「主よ。貴女の為に馳せ参じました」
紫髪を腰ぐらいまで垂らし、瞳はワインの様な赤色をしている。服装はよく似合う黒色のメイド服を着ている。そして胸が見て分かるほど大きい。ぶっちゃけると、『弟子の育成計画』というクエストで弟子にしたキャラクターである。自分は召喚術を使えない為、契約術を使って彼女に使って来て貰った。ほとんど裏技に近いが。
「お変わりがない様で安心しました」
ちなみに自分は紺色の髪を後ろで縛り、水色の瞳をしている。服装は、黒紫の改造着物を着ている。改めて考えてみると、胸の差がかなりある。これが胸囲格差か…
「あぁ、ありがとう」
「いえいえ、滅相もございません」
そういえば、本人か確認をしていなかった。少し鑑定させてもらおう。
「本人か確認の為、鑑定をさせてもらってよいか?」
「忘れていなくて、何よりです」
実際に身近な人に化けられて、PKされた人も居るからだ。
「『鑑定』」
名称:レティシア
種族:吸血鬼(真祖)
職業:魔導師/死霊術師
Ⅼv:300
続く
見た感じ、本物で間違いないと思う。ちなみに吸血鬼はステータス的に魔法戦士っぽいが、耐久面では少々脆い。
自分のステータスは、こんな感じ。
名称:レナ
種族:鬼人族(妖鬼)
職業:魔導師/暗殺者
Lv:300
続く
ガッチガッチの前衛だが、装備と職業のおかげで魔術もできる。
「そういえば、何の為に呼び出したのですか? そして此処は、どこですか?」
「あぁ、それなんじゃが…」
閑話休題
♦ ♦ ♦ ♦
「要するにボスらしき物を倒すのを手伝ってほしいと?」
「概ね、合っている」
異世界に来た所がカットされているが問題ないだろう。ならば次は、作戦会議だ。
「前衛が主で後衛が私ですよね」
「それで問題はない」
実際、確認する事なんてない。丁度、前衛と後衛に分かれている。実際、分かっててレティシアを後衛にしておいた。
「じゃあ、準備するとするかの」
レナは銀色に輝く腕環と足環を取り出して填めた。レティシアは一本の短杖を取り出した。両方ともVRMMOでは、値が付かない程の伝説級の武器だ。ちなみに服も只の服ではなく、伝説級の装備である。そして目の前には、未知のボス。ワクワクしないわけない。
「さぁ、第一歩を踏み出そう」
ありがとうございます。
因みにレティシアは召喚されたというより、移動したの方が正しいです。
あと主人公の口調が変わっているが、ちゃんと理由があります。