第013話 『サラバダ~』
よろしくお願いします
という訳で自分よりレベルが高い者が居るかもしれないと知ったレナだったが、ふと他の人達を忘れていた事を思い出した。しかしその背後には、見知った影が。
「レ~ナ~ちゃん」
「ぬわっ! お主は大丈夫だったぞよ?」
「いやぁ~、私も倒れていたんですよね」
どうゆう事かとレナが首を傾げると、マリィーは人が倒れていた方を指差した。如何やら倒れていた人達が段々と起き上がっていた。黒いオーガを倒したのがきっかけとなったのかどうかはよく判らない。
レナはそういえばとレティシアを探してみると、偶然見掛けた。
表面上は笑顔とまではいかないが良い印象を与える表情に見えるが、実際のところは良い表情の仮面の下に嫉妬の表情が隠れていた。しかしその事実は、本人しか知らない。
「そういえばレティシアよ、倒れていた人達は全員起きていたかの?」
「主が戦い終わった直後に確認しに行きましたが、全員起きたらしいです」
それは良かったと満足気な笑みを浮かべるレナだった。
因みにこれは、後から吹っ掛ける際にやりやすくする為である。いい人面しておけば、良い印象を持ってくれるだろうという事。
レナが今後の展開を考えていると、一人の村人が歩いてきた。如何やら村長らしい。
「あの、すみません。村の人達を助けてくれたお礼をしたいのですが…」
「今からで構わないじゃろうか?」
「? 構いませんが」
それは良かったという表情を浮かべ、こちらの要求と村の許容出来るハ
ードルを摺合せを行う事にした。
この村はの話を聞く限り、あまり金があるわけではない。レナは『この世界のお金』をあまり持ってないので金をそこそこに要求するつもりだったが、それは無理だと判断する事にした。
そんな事で何をお礼するつもりだと思ったレナだったが、本当の話はこれかららしい。
村長は『掘り出し物』を集める趣味があるらしい。例えば絵画から、果てには武器まであるらしい。
盗賊などに取られる心配があるのではないかと聞いてみると、取られたらまた掘り出し物探すらしい。
何というポジティブ思考。
レナ達は、ダメもとで掘り出し物が保管されている所へ行ってみる事にした。
♦ ♦ ♦ ♦
その場所は、色々な掘り出し物が所狭しと積まれていた。レナは『鑑定』使って探してみる事にした訳だが、思ったよりも贋作が少なかった。
贋作と言っても、巧妙に作られた物である。高レベルの『鑑定』でもない限り、判別するのは難しい。しかしこの村長は、『鑑定』を持っていない。
これは良い掘り出し物があるのではないかと思ったレナは、引き続き根気よく探す事にした。
そしてレナは一つの物を見つけて、村長に聞いてみる事にした。
「これは、何時買った物じゃ?」
「これはまだ私が若い頃、行商人に買った物でして。随分と懐かしい物ですね」
「童は、これにする物のじゃ」
「えぇ、構いません」
と普通に接した訳だが、内心は驚愕していた。因みに鑑定結果は、こんな感じ。
人神の髪飾り・・・古の現人神が着けていた髪飾り。持ち主に幸があら んことを。
効果・・・近接魔術強化。魔力保有量増加。詠唱簡略化。
(何故、こんな物が売っていたのじゃ!)
強化内容は魔術王の着物に届かないが、それでも十分にバランスを崩す可能性がある。
行商人は知っていたのか調べてみると、「鑑定レベル7以上」と備考されていた。この装備の効果らしい『必要レベル』だった。
説明すると物の位階が高いほど、それに必要な鑑定レベル高くなるという訳だ。
因みにレティシアの方はいうと、如何やら当たりを引いたらしい。中々良い品だった。
そんな事をしながら外に出た訳だが宿代を払いに行ったり、村長の息子との縁談話などがあり、さっさと村から出る事にした。
サラバダー!
ありがとうございました。
手直ししてから、次回に進む予定です。