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第二話 『死神の仕事』

「あんた、生きてる?」


これが最初の言葉だった。


生きているとも。

俺は死んでない・・・・はずだ。

今ここがあの世じゃないならな。

さて、いったい何が起きたんだ………。

こいつは誰だ。今のは何だ。さっきのヤンキーはどうなった。何より、俺はどうなった。


「そんないっきに聞かれてもこまるかな」


と、言ってワンテンポ置いてから答え始めた。


「あたしは死神。今のはあたしがあんたを助けたの。さっきのヤンキー、って言うの?はあたしがすることをした後に気絶させただけ、あんたは………どういう意味?」


死神?ワッツ?なんだってんだ。やっぱり俺は死んだのか?死神ってなんだよ。

まぁとりあえず………


「俺は生きているのか」


こう言うのが精いっぱいだ。

声が震えないようにするので忙しいんだよ。


「あぁ、そんなことね。それはあたしが聞いたんだけど………。まぁ、いいわ。あんたは生きてるよ。うん、死んだまま話してるんじゃなければ、ね」


生きてる?俺は生きてるんだな。

ん?何か重要なことをスルーしている気がするな………。

そうだ、死神だって?おいおい、ふざけるのも大概にしろよ。


「ほんとよ。だからあんたが生きてるんじゃない。あたしがいなかったらあんた………ね?」


ね?と言われても困る。

とにかくこいつは危ないようだな。

助けてもらったのはありがたいが、あまり関わらない方がよさそうだ。


「タスケテクレテアリガトウ。オレハイソイデルカラ、ジャアナ」


おもいっきり感謝の気持ちを込めて俺はこう言った。


「あんた、ふざけてんの?」


その通りだと思う。

俺もこんな奴がいたらそう思うだろう。

だがお前の言動の方がふざけてると思うね、俺は。


「あんた、信じてないでしょ?」


信じるも信じないも………なぁ。

ハッキリ言おう、信じられるものか。死神だと?笑えん冗談だ。

………なんては言えないな。この女の言動から考えてどう返されるか想像つくからな。


「いや、信じている。今もさっきも信じているさ」


そう言って駅に出発。

今ならまだ次の電車に間に合うはずだ。


「ちょっと待ちなさいよ。せっかく助けてあげたのに。なんなのよ、その態度は」

「礼は言ったはずだ。それとも金でもとるのか?」

「なっ、あんた馬鹿にしないでよね。あたしはお金なんて取らないわよ」


ならなんで絡むんだ。

俺はそこまで暇じゃない。………帰って寝る用がある。


「それは用って言わないでしょ。それよりあんた助けてもらったんだからあたしの仕事手伝いなさいよ」


いや、何を言っているのかわからん。

助けてもらったのと仕事を手伝うのは、いつの間にイコール関係になったんだ。

まさか最近の死神はそうやって奴隷を増やすのか?


「違うわよ。ただ助けた礼ってことで人手も足りないし手伝ってもらおうかと思っただけ」


思っただけ、ね。

本当にそうなら『手伝え』なんて言わないと思うけどね。

大体『助けた礼ってことで』なんて普通は助けてもらった側のセリフだと思うが。

たとえどうでも俺は言わないけどさ。

それより、とりあえず聞くことは聞こうか。


「その『仕事』ってのはどんなことをするんだ」

「あぁ、簡単よ。ただ人を『寿命通りに死なせる』だけ、よ」


は?

寿命通りに死なせる?

どういうことだ?まったく理解できん。


「ん〜、じゃあね、わかりやすくしてあげる。あんたはさっきナイフで殺されそうになったでしょ?でもそこで死ぬのはまだ寿命の前なの。つまり寿命前に死にそうな人を助けて、寿命より生きている人を死なせるのが『死神』の仕事よ」


説明したやったわよ。ありがたく思いなさい。

みたいな顔をされても困る。

まぁ、とりあえずはわかった。寿命通りに人を死なせるのが仕事ってことだな。

じゃあ病気とかで死にそうな人はどうすんだ?


「あぁ、簡単よ。その病気を治せばいいんじゃない」


あぁ、そうか。治せばいいのか………。

って、そんな簡単なのか?

じゃあ病気で死なせたりもできるのか。


「まぁ、できなくはないけど………。え〜っとね、病気はその人の寿命によるかな。その人がもっと生きるなら治すし、もう直ぐ寿命の人なら死期を伸ばすだけ。それと、死神の力量も関係するわね。力の弱い死神だと、まだ長生きする人の病気を治せないで、何十年も病気のままで過ごさなきゃいけない不運な人もいるわね」


死神にも力量ってのが有るのか………。

ん?そういえば言ってたな。『俺に手伝え』、と。

ってことは俺に人を殺せってことなのか?

冗談じゃない。俺はこの年で警察に捕まりたくはないぜ。


「なんか勘違いしてない?寿命より早く死ぬことはあっても、長く生きるなんて普通はないの。どちらにしても『普通』の人間は何もすることもなく寿命通りに死ぬけどね」

「だったら死神の仕事なんて必要ないじゃないか」

「もしかしてあんたバカ?う〜ん、聞いた話と違うなぁ〜。言ったでしょ?『普通の人間は何もすることもなく寿命通りに死ぬ』って。それにあんたは今助けられたでしょ?」


『普通の人間は何もすることもなく寿命通りに死ぬ』だと?

じゃあ普通じゃない奴は寿命通りに死なないのか?

しかもあいつが言ったことが本当なら俺は『普通の人間』に該当しないのか?


「そうね。あんたは『普通』じゃあないわ。あんた人生の中で何回死神に助けられていると思う?『普通じゃない人間』の中でも特に『普通じゃない』わ。だから自分の身を守る術を知るためにも仕事を手伝いなさいって言ってるんじゃない。むしろ礼を言われたいくらいよ」

俺が『普通じゃない』だって?ホワイ?なんだってんだ。

俺の何が『普通じゃない』ってんだ。


その時、突然体が重くなった。

まさか、あのナイフが刺さっていたのか?

いや、そんな訳は…………。


俺の思考はそこで途絶えた。








さて、皆様どうでしかた?

この話しは主人公と死神の死神に関する話しの話です

空と死神の最初の出会いは唐突でしたね


まぁ、この話しは空の意識がなくなることで終わるんですが次からはこれと全然違うタイプ(?)になるので期待していてください


ではでは、これからもよろしくお願いします





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