↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/115

77話 手紙


 「なんじゃ、今日はマウテリッツはおらぬのか……残念じゃの」


 夕方、オデッタとヴァレリー氏、クラリエルにオレイユの皆でカフェ『太陽休憩所』で菓子食べ放題を行った。

 木幡三城きはた みき殿は用事があって不参加であったが、アードルフやフリードル等の生徒会の連中も参加して大変賑やかな食べ放題であった。


 そうして食べ終えてカフェを出た時には日はすっかり傾いており、オデッタとヴァレリー氏と生徒会面々と別れ、今日はマウテリッツが帝都にいるから泊まりに行くかと押し掛けたのだが、残念ながら留守であった。


 「どうやら出かけているようですね。如何しますか」

 オレイユはそう尋ねる。


 「まぁ直ぐに帰ってくる筈じゃ、婚約者が屋敷でくつろいでも問題はなかろう」

 そう言って私はソファーにかける。


 ちなみに今の場所はマウテリッツ邸の団欒だんらんの間という部屋にいる。

 

 「あら、オドレイ様ごきげんよう」

 そう言って『私』が出てくる。


 「おお、メリアか。また可愛くなったのじゃ」

 「ふふふ。ありがとうございます」

 私、否。メリアがそう笑顔で答える。


 メリアはあれからというもの、急速に私に似てきている。元々私に似ているのだから当然ではある。

 「のじゃ」が付いてないのは無用な混乱を生まないようにである。


 「それにしても、見事なニープレーカラーファッションですね」

 「ええ、本当に……え?」

 クラリエルはその言葉に頷くが、声を聞いて声の主を探す。


 「おおミシェル殿か。今日はここか」

 そう、いきなり出現したのはミシェル。ミシェル・テリエ=モンテクッコロである。

 青髪の剣が上手い、妹の方である。


 今まで自宅謹慎を命じられていた。なんか海とか一緒に来ていたが、それはマウテリッツが一緒だからである。モンテクッコロ伯爵はマウテリッツ辺境伯と友人関係だからできた話であった。


 「はい、オドレイ様。ご機嫌麗しゅうございます」

 お辞儀をするミシェル。


 ちなみに、ミシェルの言ったニープレーカラー・ファッションとやらを説明すると

 昔、ニープレー姉妹という双子の姉妹がおり、その姉妹がしていた服装および風習の事である。

 その服装とは、双方全く同じ服だが、色が少し違っている。というだけのものだが、ニープレー姉妹はその麗しい見た目から大変な人気となった。

 以後、双子や自分そっくりの者に色だけ違う服装を着せるという風習ができたのである。


 「今日はなんと、お姉ちゃんもいるのです!」

 お辞儀をし終えると、ミシェルはそうにこやかに言う。


 「ミシェル。お姉ちゃんはやめなさい」

 そんな訳で出てきたのがライノーラである。ミシェルの姉である。


 「ライノーラ? 何故ここに居るのじゃ?」

 私は不思議に思う。ミシェルが居てもまぁ分かるが、ライノーラは大学、つまり学園要塞の大学側の寮に住んでおり、ここに来る理由はあまりなかった筈であるからだ。


 「お手紙の方が来まして……教会からの手紙ですが、なにやら急を要するようでして。今日は生徒会の皆で喫茶店に行っていたとの事で、じゃあここに来るのでは。と思って待っておりました」


 そう言って懐から手紙を出す。


 「ほう……教会から?」

 そう言って手紙を受け取る。


 差出人は書かれていない。ただ枢軸卿のみが使える判が押されている。


 もしここに妹のヴィヴィアーヌが居れば「姉上、また何かしたのですか?」等と軽口を言うのだろうが、残念ながら彼女は今騎士専門の学校、騎士学園へ入っている。

 この騎士学園というのは中々特殊で、何故か学園要塞内にはないのだ。学園で要塞なのに。


 これは騎士は皇帝に仕える物であり、学園要塞はあくまで学徒の要塞という意味があるらしい。


 ちなみにミシェルもこちらの方である。うん、説明不足だったようであるが、騎士学園の方である。最初に書いた時は学園としか書いてなかったようであったが、気にしてはいけない。

 学園つったら学園要塞みたいな事も書いたが、まぁこれも気にしてはいけない。



 まぁそんなこんなで。



 手紙にはとんでもない事が書かれていた。


 『マウテリッツに危機あり。注意されたし 枢軸卿Mより』

 

 これだけで理解ができた。



 「……今、マウテリッツはどこにおる」

 「は?」

 「今マウテリッツはどこにおると聞いておるのじゃ」


 恐らく、今私は鋭い顔をしているのであろう。皆が気迫に押されている様子が分かる。


 「屋敷の人間からはセブラン寺院でシスティーナから客人が来るという話です」

 オレイユだけが物怖じせずに答える。


 「すぐに迎えにいくのじゃ。武装していくのじゃ」

 「何があったというのですかオドレイ様」

 「この手紙に『マウテリッツに危機あり』とだけ書かれたどこぞの頭文字がMの枢軸卿がよこした警句じゃ!分かったら早くいくのじゃ!!!」


 思わず大声を出してしまう。


 「承知しました、直ぐに向かいます」

 そう言って承諾するオレイユ。


 「マウテリッツ様の危機ですの!? それは助けにいかねば!!」

 乗り気なミシェル。


 「ほっとく訳にはいかないわね」

 こんな事もあろうかと魔法杖持ってきてよかった。とぼやくライノーラ。


 「クラリエルとメリアはここにいるのじゃ! 私も行くのじゃ!!止めても行くのじゃ!!!」


 そう宣言すると、オレイユ達は渋々了解してくれた。


 うむ、こうなってしまっては私は止められないのだ。





 こと、マウテリッツの火急的危機に関しては。




 続く。

遅れてしまいました


一週間後にまた更新します

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=82310962&si
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。