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今川転生伝 〜41歳のおっさんだけど異界に転生したので、れっつ☆えんじょい。なのじゃ〜  作者: テト式
第1章 え!?この状態からでも入れる保険があるんですか!?から始まる異世界転生★
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7話 それは神話の話。なのじゃ!


 光も闇もない虚無の世界があった。


 しかし名も無き創造神が現れ、光と大地、水と空気、そして生きとし生ける物すべてを造りたもうた。


 その上で創造神は自らの血肉から12柱の世界神を造り「この世界を栄えさせろ」といずこかへ去った。


 世界神達は協力し、大地から人間を造り、創造神のように自らの血肉からエルフを造った。


 世界神たちは人間に「満ちて祈り給え。さすれば恵みと奇跡を与えん」と告げ、エルフには「人間が悪しき道に堕ちぬように見守り給え、さすれば永遠の不老不死を与えん」と告げた。


 かくして人とエルフの時代が始まった。


 大地から作られた人間は、大地である限り大いに増えたが、その分寿命は短かかった。


 世界神から作られたエルフは、世界神から不老不死を与えられ、人を見守る為に森に潜み、静かに暮らして行った。


 しかし、ある時、エルフより邪心が根生えし者が出た。


 「我らは人間より優れた種族、何故見張りに甘んじなければならないのか。世界神は間違っている」と、エルフ達を扇動し、その邪悪な力でもって魔物達を創造して、自らを魔法王、魔王と名乗り自分に反対するエルフや人間、そして神々に反旗を翻したのであった。


 これらの戦争を魔王大戦と総称する。


 世界神達はその事実に大いに怒り、エルフから不老不死を取り上げ、人間に魔法を与えて魔王と戦うように命じたが、それでも魔王軍の勢いを止める事は叶わず、世界の大半が魔王の物になってしまった。


 世界神はついにその力と引き換えに異世界より勇者を召喚した。これにより世界神達は、人間とエルフと世界に干渉する力を失ってしまう。


 世界神から世界の命運を託された勇者は異世界の力をもち、その力でもって音を超える速さの鷲、地獄の炎すら防ぐ皮膚と鉄をも砕く牙をもつ獅子、あらゆる物を逃さず連弩のごとき攻撃で肉塊にする豹、どんな悪路も迅速な速さで人を運ぶ山獅子。等の様々な力を従え、魔王軍を次々と破って行った。


 次々に倒される魔物達に、魔王は怒り、ついにその力でもって恐ろしいドラゴンを次々と作りついには自らの化身というべき邪竜を作り出し、勇者と戦った。


 竜はさまざまな種類がいたが、とくに魔王がその力を託した邪竜は特に強く、鷲を叩き落し、獅子を溶かし、豹の攻撃を防ぎ、山獅子を吹き飛ばす程であり、最早神すら超える領域であった。


 空を覆うほどの大量の竜と邪竜の前に、流石の勇者は苦しむも、太陽の力を利用した太陽の魔法を用いて邪竜と戦い、そしてついに邪竜を打ち倒し、魔王をも倒す事ができた。


 この太陽魔法の前にさしもの竜たちは倒しつくされ、竜を造る術もまた葬られた。これによりこの世は<竜なき世界>と呼ばれる事となる。


 これにより魔王大戦は終結した。


 だが、太陽の魔法は大地に深刻な傷を残し、魔王の居た大陸は生き物がいない死の大陸となり果てた。


 そうでなくとも魔王との戦いにより、大地も人もエルフも疲れ果てており、勇者が世界王となるのは必然であった。


 かくして世界王となった勇者は、傷ついた大地と人とエルフの為に魔王軍との戦いに使用した力を癒やしの為に使い、世界王として感謝される事となる。


 既に神から不老不死を奪われ、人とほぼ同じ命であるエルフは、人間と同等に暮らし交わい、その垣根を低くして行った。


 この時に、一般的なエルフの他に山や炭鉱で暮らすのを生業とするドワエルフ、成人でも背丈が子供程のホビエルフ、砂漠で生きるのに適した肌をしたメランエルフ。そして人間との交わりを嫌い世界神の掟を遵守するハイエルフに別れる事となった。


 世界王となった勇者が年老いて死してもなお、跡を継いだ世界王の時代は長く続いた。


 この時に起こった文化や習慣は今も世界中に部分的に根付いており当時が如何に繁栄していたかが伺える。


 しかしこの世界王時代は7代目世界王時代に突如として崩壊を迎えてしまう。

 それが疫病による崩壊なのか、世界王と言う統治システムの限界なのか、はたまた戦争によるものなのか。当時の記録は全く残されていない。


 だが、この崩壊により、世界は暗黒の時代となったのは確かであった。


 この暗黒時代はアルマナ王国の前身たるテルバスタ王国成立まで続く事となる。


 ここまで(テルバスタ王国成立まで)を神勇歴とする。


 ※ ※ ※


 神勇歴 前50000年 世界の創成。

 神勇歴 前35000年 人間とエルフの誕生。

 神勇歴 前200年 魔王宣言。同調したエルフや人間や作られた魔物による魔王軍の成立。魔王大戦の始まり。

 神勇歴 前190年 世界神、エルフより不老不死を取り上げ、人間に魔法を付与。人間とエルフの連合を形成する。

 神勇歴 前100年 度重なる連敗により連合は瓦解。ここまでで世界の半分が魔王軍勢力下となる。

 神勇歴 前10年 世界の4分の3が魔王軍勢力下。世界神、勇者召喚の為の準備を開始。

 神勇歴 元年 世界神、勇者の召喚に成功するも力を使い果たし勇者に託す。

 神勇歴 2年 魔王軍の主力が勇者により喪失。魔王軍勢力下の反乱増大。

 神勇歴 5年 勇者連合は失地を大半を取り返す。

 神勇歴 8年 魔王、竜と邪竜を作り、勇者を一時的に追い詰める。

 神勇歴 10年 太陽魔法を使用して、邪竜を倒し、その勢いのまま魔王を倒し魔王大戦終結を宣言。

 神勇歴 20年 復興10年を記念して勇者、世界王国を宣言し、世界王を拝命する。既にこの時点で魔王出現前以上の発展をしていた模様。

 神勇歴 69年 勇者死去。世界王は子に継承されたとある。

 神勇歴 367年 最低死者1億とある文書が発見され、この頃には崩壊が始まったとされる。

 神勇歴 370年 毎年1億人以上死亡している記録がある。

 神勇歴 380年 各地は反乱により分断され、国を宣言する勢力は1500を超えるとある。また王国中央は破壊され世界王国は終わった。とする記録がある。

 神勇歴 421年 世界王国時代の武器や技術はすっかり使い果たした。と言う記録がある。事実この辺りから弓等の王国兵器以外の武器の使用が増えており、これ以降の記録には王国兵器の記述はない。

 神勇歴 800年? ラーアメル1世がテルバスタ王国と国王を宣言し、ミイソス歴が始まる。


———————————————————————————


 「さて……今日はここまででよろしいですかな」

 師、もとい家庭教師の初老の男が言う。


 「うむ、先生。今日はありがとうございました。なのじゃ」

 私は礼を言う。


 それにしてもこの世の神話は中々に面白い。


 イザナミノミコトとイザナギノミコトの国産み等の神話とは全く違うが、中々考えさせられる話であった。


 しかし音より速い鷲やら鉄をも砕く獅子だの、中々現実的なのか非現実的なのか分からない神話の動物もいたものだ……。在り得ないとは思うが、妙にこう。現実的な尺を使っている気がしないでもない。


 なにはともあれ、これからまた厨房で料理の練習である。中々多忙な日ではある。


 つづく。

今回で書きためていたものが全てなくなったので一週間ほどの間隔で更新していきたいと思います。

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