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今川転生伝 〜41歳のおっさんだけど異界に転生したので、れっつ☆えんじょい。なのじゃ〜  作者: テト式
第5章 日焼けの跡がジンジンしますが、とりあえず活動を開始します。
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64話 新学期早々に討論会が始まったのじゃ!


 さて、待ちに待った夏休み明けの学園の授業開始日である。


 皆思い思いに楽しんだらしく、日焼け跡が健康的である。


 中にはほとんど焼けてない娘もいる。


 しかしどうもヴァレリー氏が日焼けしている事を皆驚いている。あまり日焼けする程、外に出るような人物ではないと思われているようである。日焼けを見て驚いている者や賭けをしていた男子たちがいた。


 不思議な事に、この国において女が日焼けする事は一定の理解があるらしい。否、理解どころか好ましいと思う者も少なくない。

 少なくとも日焼けの女、もとい上流階級において日焼けは悪い事ではないようである。


 前世せんごくのよでは「貴族くげだから畑仕事(日の下で汗垂らして畑仕事)しなくていいんだよん☆どうだこの驚きの白さは!」と言わんばかりの白さを求める文化があった。


 かくいう私も白粉おしろいを塗って尾張攻めをしたのも、そんな公家文化にあやかって、格式の違いを見せつける為だったのだ。嵐で白粉が落ちてしまったが……。


 

 さて、そんな訳で授業の開始である。


 ………


 であるのだが、何やら食堂内が騒がしい。食堂は男女一緒である。


 口喧嘩か、それとも陰湿な悪戯か、と思っていたが、どうやら違うらしい。


 なんと見たら、何かと他に突っかかる上位貴族らの総まとめ役が追い詰められているではないか。


 上位貴族らの総まとめ役……以前にヴァレリー氏なんかと付き合うなだとか、木幡三城きはた みき殿の机の上におにぎりを設置したかも知れない、あの前世の先輩に似ている、あの上位貴族らの総まとめ役である。名はエリーズと言ったか。苗字はなんだったか……。


 そのエリーズを追い詰めている者達も中々特殊であった。今までパッとしない貴族の子らであった。


 珍しい事もある。と思って呑気に飯を食べていたが、どうも話が小難しい。



 いわく、奴隷についての話をしているらしい。




 奴隷。

 古くは生口せいこうとも言われている。

 朝廷がまだ権威ある時代には法で賤民せんみんだのと言われている民である。

 鎌倉の幕府の時代には飢饉により人身の売買が激化して、勾引こういんや子取りと称する誘拐・略取が横行した為に、幕府は人身売買の禁止を制定するも、飢饉の際には黙認するという事態にもなっていた。


 ……そもそも、前世は中華の春秋戦国の如く戦国の時代である。

 戦による乱取りは当然として飢饉・災害・乱暴狼藉により、身寄りのない人間が絶えない時代である。


 人の売り買いがなされるのは当然の事である。

 口減らしの為に売られるのは珍しい事ではない。

 

 むしろ身寄りのない人間を養うので人道的ですらあり、故に鎌倉の幕府も飢饉の際には黙認している。

 そう、奴隷的な身分に堕ちる人間も、買われなければ飢えて死ぬのを待つばかりなのだ。


 むしろ私としては身売り人買いよりも、産み落とした赤子を踏んで窒息させたり、海岸において潮の満ち引きで始末したり、野良犬に処理したりとする方が問題だと思う。……まぁあんな世の中ではそうなるのも……と思うが、一応仏門に入っていた身としては許せることではない。



 さて、私がこうも前世せんごくのよにおける奴隷と奴隷的な身分の者について語ってるのかと言うと……。


 「だから!奴隷制度は皇国どころか世界的にも必要な制度と言ってるでしょうに!」


 「それでも、それは神の教えに背いています。人間には皆売買されずに生きる権利があるのですよ!」

 

 ……このような口論がなされていたからである。



 つづく。


子供(赤子)を堕胎するくだりは書籍「フロイスの見た戦国日本」での描写です。


オドレイもとい今川義元さんは戦国時代の人間なので、人身売買は割とよくあるというスタンスです。

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