63話 新学期の始まりなのじゃ!
さて、ヨハンの見舞いの後、色々とあった。
夏休みという事で母上の実家であるテルティバの領地へ行って母上の父上、つまり祖父上に会ったりした。
テルティバ国のマグナ湖南部領域一帯を治めるドラコ―ヴァ領は山や森、湖がそれはそれは美しかった。
マグナ湖は琵琶湖のように広大な湖であり、そしてテルティバは甲斐や信濃のような山深い土地であった。
しかし前世の甲斐と違う点は、マグナ湖から流れる川がマウテリッツ伯の治める領地のナッサウの近くへとつながっている点である。
数日は掛かるが、川を下って行けば歩きよりもうんと速くナッサウというエルディバ東部の最大の港町へ行けるのだ。
ついでに叔祖父とその息子達……叔父? 否、従叔父にも会った。叔祖父、つまり祖父の弟で、その子が従叔父である
祖父上には子供が母上しか居らず、しかもその母上が父上と結婚している為、叔祖父とその息子達に遺産、つまり領地が継承される。
申し訳ないが、叔祖父とその息子達の出会いおよび祖父との会話等のドラコ―ヴァ領での出来事は、ヨハンが亡くなった事に少なからず衝撃を受けているので、詳細を語る気が起きない。
しかし極めて単純に言わせてもらうなら『国取りしたくなった』と言っておこう。
明らかにヨハンの言葉が原因である。
絵は既にできた。あとは祖父上が最低でも私が結婚するまで生きていればどうにかなる。
こんな事もあろうかと思ってある程度エルディバの法律をしらみつぶしに把握していてよかった。
遺産相続には穴がある。異議申し立ての上、『話し合い』の上で遺産相続を私にする事も可能である。
……まぁそうならないように私はマウテリッツ伯に嫁がせられたのだが。
しかし今は遺産相続よりも新学期の件である。
夏休みは終わり、明日から新学期が始まる。
エルディバの学問所が集まる学園要塞であるが故に、中々の逸材が所々在学している。
今まではマウテリッツ伯の嫁になるので、あまりそういうのを集める必要がなかったが、ヨハンの件で声ぐらいは掛けてやろうと思う人間が何人かいるのである。
そう、私とマウテリッツ伯との『国造り』という奴である。
人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なりとは晴信もいい事を言う。
まずは家臣団に入ってくれそうな人間集めである。
既にクラリエルに命じて『声を掛けておくリスト』を制作している。
本人達がどう出るかは分からないが、まぁ声ぐらいは掛けておいて招待状位は送れる仲にはしたいものである。
楽しみである。とりあえず今日はもう寝る事にしよう。そうしよう。
つづく
新学期開始です
次回は一週間後になります




